かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『神戸ビエンナーレへの道~その16~』

2013-08-28 23:58:25 | 神戸ビエンナーレ2013

さあ、いよいよ来週から作品の設置作業が始まります!僕は数回に渡り神戸に行き、作業を進める予定です。

これまで水曜日は不定期で『神戸ビエンナーレへの道』と題して、作品完成までのドキュメントを綴ってまいりました。

当初は予算や資材の購入、作業の進展状況など、もっと細かくご報告していくつもりだったのですが、それは作品のネタバレにつながってしまう事にすぐ気付き、精神論などを書く事も多くなってしまいました。

Img_3514

実は今回作品の制作を進めていくに当たり、過去の出品者の方のブログがとても参考になりました。これからも歴史を刻んでいくであろう神戸ビエンナーレ。少しでも未来の出品者のお役に立てれば、と思い、細かいドキュメントもいずれ書いていこうと思います。

とは言え、今はそんな偉そうな事を言う暇はなく、自分の作品を完成させるのが第一。来る日も来る日も準備に明け暮れているのですが、どんだけやっても何かやり忘れているような不安に襲われています。

早く完成の日を迎えて、作品を見に来て下さる方々と直接交流が出来るよう頑張ります。

あ、それと神戸ビエンナーレの公式ガイドブックが発売になっております。僕の作品紹介も載ってますので、皆さま是非!

http://book.bijutsu.co.jp/books/2013/08/_2013_10_2013.html


『神戸ビエンナーレへの道~その15~』

2013-08-21 22:53:51 | 神戸ビエンナーレ2013

映画や文学やアート。表現としての質を問われる際に最も嫌われがちなのが、“直接的なテーマの説明”ではないかと思う。

「戦争とは悲劇であると同時に快楽なんだ!」とか「お前の事を一生好きでい続ける!」なんて事を直接的に描いたり書いたりしてしまっては、「いやいや、それを言葉なり映像なりで表現しろよ!」と切り捨てられてしまうだろう。いわゆる“陳腐な表現”というやつだ。

とは言え極めて抽象的な表現をして、「作者の意図に捉われず、自由にメッセージを受け取って下さい」というのも何だか寂しい話だ。

今まで見てきた国際展を通じて思う事がある。僕とは国や宗教や言語や思想や生活にまつわるあらゆる文化が異なる作者の作品の場合、少しくらいはその作品を作るに到ったバックボーンを知りたいのだ。

ヒントも思索のきっかけも与えられなければ、「自由にメッセージを受け取って下さい」どころか、「何にも感じないな…」という事態に陥る事も有り得る。

僕は片手袋をアートとして捉えた事は一度もない。しかし今回、初めて片手袋を多くの方に見て頂くチャンスとなった神戸ビエンナーレは、紛れもなくアートの舞台だ。

アーティストとして活動している訳でもない僕のような人間が、こんな機会を得る事はこの先二度とないかもしれない。それだったら、僕が片手袋にどんな思いを込めているのか、一人でも多くの人に分かりやすく伝えたい。でも表現として「直接的なテーマの説明」をしてしまってはスマートではない気もする。

アートインコンテナに入選した直後、僕は「アートという事に捉われず、八年間続けてきた活動を分かりやすく伝えよう」と考えた。しかし約五カ月間作業を続けていくうちに、ふと気が付くとアートという曖昧模糊とした、それでいて強力な見えない磁場に引きずり込まれている自分がいる。

作品のテーマをどのくらいまで明確に提示するのか?

大きな作業がやっと一通り終了した今、最後の最後の些細な、それでいて大きな決断を迫られている。

…とここまで読むと、何だか「人間の闇の深遠さに迫る作品」みたいな重たい印象を受けるかもしれませんが、いや、全然どなたでも楽しんで頂ける作品になると思いますよ!

ただ、ちょっとした工夫で、より沢山の人に色々な側面から作品を見て頂けるのでは?という所で悩んでいるのです。

いずれにせよ、楽しみにしていてください!(←自分にプレッシャーを掛けてみる)


『神戸ビエンナーレへの道~その14~』

2013-08-07 23:40:09 | 神戸ビエンナーレ2013

日々、神戸ビエンナーレの準備を進めております。

九月中に作品を設置しなくてはならないので、あと一カ月を切っている訳です。僕は東京である程度作ったものを神戸に持ち込んで、組み立てるつもりなのですが、さすがに作業が追い詰められてきました。

大きい作業、細かい作業、やってもやっても終わりそうにありません…。そもそも片手袋自体が「何故そんなものを撮ってるの?」という活動な訳ですが、さらにお金と時間を掛けて展示する意味があるのか?…でも、やるんだよ。いや、実際の作品を見て頂ければその意味が伝わる。そんな作品にしてみせます!

さて、今週は作品の土台を作成して下さるフレシオンかめやさんと最後の打ち合わせをする為に神戸に行ってきました。

実は僕、実際のコンテナを未だ見た事がなく、そこから来る問題も幾つかあったのです。

すると、かめやさんがすぐに近くの倉庫にあるコンテナを見に連れて行って下さいました。

コンテナが開かれ、最初に僕の目に飛び込んできた物は…。

Img_3445

…当たり前のように片手袋。やっぱりこれは運命なんですね。

初めて実際に見るコンテナは、やはりデカイ、の一言に尽きます。この空間に作品を展示するのだからそりゃあ、作業が大変なのもしょうがないですね。

計測などを終えコンテナを出ると、またもやコイツが。

Img_3449

東京では最近全然出会ってないんですけど、 何でしょうこれ?応援してくれてるのかな?

その後は、先日僕が展示するコンテナの配置図が送られてきたので、実際の位置を見ておく為にメリケンパークに移動。メリケンパークには恐らくコンテナなどの目印として無数のバミリがしてありました。

Img_3453

そして今回は時間もあったので神戸市内をウロウロしてみたのですが、あちこちで神戸ビエンナーレのポスターを見かけました。

Img_3470

まち自体も十月に向けて動き出しているのをこの目で見て、僕自身も頑張ろう!という気持になった今回の神戸訪問でした。


『神戸ビエンナーレへの道~その13~』

2013-07-24 23:58:29 | 神戸ビエンナーレ2013

う~ん…。一つ困ってる事が。

ブログやmixiで、長い事片手袋について書いたり写真を紹介したりしてるとは言え、所詮は個人的な活動。自分がやってる事について客観的に考えてみたりする機会が今までありませんでした。

しかし、今回神戸ビエンナーレに入選して、色んな方にDMなんかを渡してるんですね。つまり、僕の活動が初めて拡がりを持ち始めた訳です。

すると当然、神戸ビエンナーレについて説明する前に、片手袋を撮り続けてきた事を説明しなくてはならない訳です。

すると、決して少なくない数の人がこんな写真を見て、

Img_2505

「あ、あなたが拾った片手袋を面白い場所に置いて写真を撮ってるのね!」と受け取ってしまうんです。

これは予想してませんでした。僕は片手袋を撮り始めた最初の頃から、何となく「見付けた片手袋に触れたり細工したりするのはやめよう」と決めたし、それは正しかったと思うんです。

そのスタイルで長年やってきたもので、まさか他人が“片手袋を見付ける→拾ってどこかに置く→写真を撮る”という風に捉えてしまうとは考えもしなかったんです。

まあ、片手袋がこんなに沢山落ちてる、という事や、これだけ変な場所にある、という事が信じられないぐらいインパクトがある、という事なんでしょうが。

でも、今回の出品作、『まちに咲く五本指』はそういう風に捉えられてしまうと僕が伝えたい事と違ってきてしまうので…。

作品は出来ればそれ単体で成立するのが望ましいんでしょうけど、僕がやってきた片手袋という活動がどういうものなのか?を鑑賞者に上手く分かってもらう方法を模索中です。


『神戸ビエンナーレへの道~その12~』

2013-07-10 22:50:28 | 神戸ビエンナーレ2013

本日から神戸ビエンナーレの前売りチケットが発売になったようです。

http://kobe-biennale.jp/2013/07/09140000.html

僕が参加する「アートインコンテナ」以外のコンペティションも続々と入選作が決定し、開催に向けて様々な方が喜びと、その先にある実現に向けた苦労を味わっている最中であろうと想像しています。

僕も仕事をしながら日々、色々な作業に奔走しております。しかも家族や沢山の方々まで巻き込んでるんですから、肩にのしかかる責任は重大であります。

また東京は最近、暑さが物凄くて…。気を抜くと倒れてしまいそうですよ。

作品のネタバレにならない程度に、最近一番大変な作業の写真をお見せすると…

Img_3354

まあ、なんの画像かよく分からないと思いますが、大変なんですよ。

あ、それと先日日本橋を歩いていて、たまたまとあるビルに入ったんです。

そのビルの一階に、日本全国各都道府県の観光案内やイベントのチラシを集めたコーナーがありまして。

やはり気になって神戸の棚を見てみたら…

Img_3331

やはり、ありました!神戸から遠く離れた東京でもこんな情報が目に入ってくるようになりました。開催はもうすぐそこに迫っている事を自覚したいと思います。