かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『メディアの中の片手袋~ひつじのショーン~』

2016-03-28 23:00:45 | 番外

『映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』を見ていたら、片手袋が登場していましたよ。

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これは分類でいうと「軽作業類放置型実用系片手袋」ですね。

それにしても、ディズニーをはじめとしてアニメ作品には片手袋がよく出てきます。もう一つ片手袋を題材にした作品が多いのは絵本なのですが、どちらも子供を対象としたジャンルである事が気になります。

童心と片手袋には何か繋がりがあるのでしょうか?今後注意していきたいと思います。

アニメに関しては、「片手袋の描写をめぐるディズニーとジブリの奇妙な一致」という現象に気付いたのですが、いずれじっくり書きたいと思います。


メディアの中の片手袋~『キャロル』~

2016-02-16 20:36:17 | 番外

『キャロル』という映画を見てきました。

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1952年、ニューヨーク。高級百貨店でアルバイトをするテレーズは、クリスマスで賑わう売り場で、そのひとを見た。鮮やかな金髪。艶めいた赤い唇。真っ白な肌。ゆったりした毛皮のコート。そのひともすぐにテレーズを見た。彼女の名はキャロル。このうえなく美しいそのひとにテレーズは憧れた。しかし、美しさに隠された本当の姿を知ったとき、テレーズの憧れは思いもよらなかった感情へと変わってゆく......。キャロルを演じるのはケイト・ブランシェット、テレーズを演じるのはルーニー・マーラ。いま最も輝いているふたりの女優。ふたりの視線が交わる瞬間、忘れられない愛の名作が誕生した。(公式サイトより)

とても素晴らしい映画だったのですが、まだ公開が始まったばかりですし詳細は省いて片手袋研究家として一言だけ。

本作は手袋を忘れる人がいてそれを届ける人がいる、という何気ない善意から物語が始まります(片手袋ではなく両手袋ですが)。何度も当ブログでも触れてますが、既に1881年の時点でドイツの画家マックス・クリンガーはこの行為を起点とした連作版画を制作しています。

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マックス・クリンガー 『手袋』:行為

マックス・クリンガーの連作版画は、男性が女性の手袋を拾い上げる所から、思いもよらぬ物語が展開します。『キャロル』も同じ行為を起点として人間の繊細な心の動きを描写していきます。冗談のようですが、片手袋から様々な物語を想起してしまうのは僕だけではないのです。

さて、逆に手袋を忘れる事で物語を終える作品もあります。それはスピルバーグ監督の2012年作、『リンカーン』。この映画については、既に公開当時当ブログでも触れました。 その時は公開されたばかりで書かなかったのですが、実はあの映画はリンカーンが手袋を忘れる(置いていく)シーンで終わるんですよね。

『リンカーン』が何故手袋を置いていくシーンで終わるのか、解釈は色々あるようです。単純にリンカーンが物忘れの激しい人だったからとか、正装時に手袋をするような堅苦しさが嫌いだったとか。

でも僕は、町で落ちている手袋を見ると思わず拾ってしまうように、リンカーンの置いていった物を今の時代に皆が拾い上げなくては、というスピルバーグの意思かな?と強引に解釈しております。

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それでは、『キャロル』は何故忘れられた手袋を届ける所から始まるのでしょうか?

それはキャロルが忘れた(忘れようとしていた)ものを、テレーズが再びキャロルのもとへ送り届ける(思い出させる)という事だと思うのです。果たしてキャロルの忘れたものとは何なのか?それこそ映画のテーマそのものなので、是非ご覧になって下さい!

以上、片手袋研究家目線の感想でした。


『七福神巡りと片手袋探しの記2016』

2016-01-04 23:04:58 | 番外

なんとなく2014年にやってみた『七福神巡り&片手袋探し』。「七福神巡りが終わるまでに出会った片手袋が七つ」という奇跡に気を良くし、昨年もやってみたのです。すると何と昨年も出会った片手袋が七つ!

『七福神巡り&片手袋探し2014』
『七福神巡り&片手袋探し2015』

「これは今年もやるしかない!」という事で、今年も行ってまいりました。七福神巡りは東京中でやっておりますが、選んだのは今年も谷中七福神巡り。田端から上野エリアを三時間程で歩いて回る、散歩コースとしてもちょうど良い感じです。

三年連続の奇跡を信じて田端の東覚寺からスタートしたのですが…。歩き始めてすぐに気付いたのです。

「暖かい!」

今年の東京の冬は寒さが厳しくなる気配が一向に見られませんが、今日も上着を脱ぎたくなるくらい暖かいのです。

「これはちょっと片手袋的には厳しいかもな」

僕はすぐに悟りました。でもこの『七福神巡り&片手袋探し』の良い所は、二つの要素を組み合わせてある点。仮に片手袋が不発でも、七福神巡りが結構楽しい訳ですからね。そんなに気分が重くなる事もなくスタートです。

すると。

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なんと一箇寺目の東覚寺にいきなりありました!これは奇跡があるかも、と一瞬思いましたが、やはり当初の想像通り手袋をしている人自体少ないんですよ。結果的には七福神終了時点で出会った片手袋は四つでした。

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しかしですね、例年では見られない現象にも遭遇したのです。それは両手袋の存在です。

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三組の手袋にも出会ったのです。これらの状況から総合的に判断すると、

①そもそも手袋を持って出かけないので、必然的に片手袋も少なくなる。

②手袋を持って出かけた人も装着しないで鞄やポケットに入れっ放し。財布の出し入れ時などにそれが落ちてしまう。

という仮説が成り立つのではないでしょうか?そしてさらに重要な事に、

片手袋4つ+両手袋3組=7種類の落ちた手袋

おお!またもや七つ!こいつぁ春から縁起が良いわい!…という少々強引な結論を胸に抱きしめながら、本年も片手袋研究に邁進してまいります。

P.S とは言え、この『七福神巡り&片手袋探し』。本当に結構面白いので、来年は参加者募ったりしたらやりたい人っていますかね?


『失敗は成功の片』

2015-12-14 19:03:20 | 番外

日々、沢山の片手袋と出会いブログで報告していますが、その中には当然ブログに載せるようなクオリティにないものも沢山あります。今回はそういった例を幾つかまとめてご紹介します。

①そのそも片手袋か分からない

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ガードレールに挟まっていたのですが、「片手袋には触らない」という自分内ルールがある為、片手袋なのかどうか確認出来ず。子供用の手袋であることは間違いないのですが、両揃いの手袋を丸めてあるようにも見えます。

②パッと見よく分からない

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スーパーの表に立ってるノボリの重しに挟まれていました。こちらは間違いなく片手袋ですが、やはり「片手袋には触らない」というルールの為こんな状態しか撮れません。こういう事は結構しょっちゅうあって…

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これなんかもそうでした。

こんなの僕が拾って広げて置いたら手袋であることはすぐ分かるんですが、それをやっちゃあ~お終いよ。

③トロンプ・ルイユ

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軍手が入っていた袋が落ちてましたよ。夜中だったので、すごく紛らわしかったです。 まるで騙し絵。でもこれに“何かを騙される”こと自体、僕以外にはあり得ないとは思いますが… 。

こんな感じで、数多の失敗の上に展覧会などで使えるような片手袋写真をものにしてる訳です。

野球選手だって、10回のうち3回打てば一流と言われる訳です。7回の失敗を恐れずに、これからも精進してまいります。


『片手袋研究家失格』

2015-12-09 19:55:29 | 番外

自転車で走っていますと…

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自転車を降りて、撮影。再び走り出します。すると向かい側から歩いてきた歩行者の方が、

「すみません。後ろから誰か追い掛けてきてますよ」

と。驚いて後ろを見ると、確かに僕に向かって手を振りながら走ってきている人がいます。息を切らしながら僕に追いついたその方は、

「すみません。手袋片方落とされましたよ!」

…え?なんと僕、片手袋を撮る際に自分の手袋を外して自転車の荷台に置いたのですが、それを忘れて走り出してしまったのです。そして走っているうちに荷台から片方だけポロリ。

僕の片手袋を拾って走ってきてくれた方。確か、僕が片手袋を撮影しているのを不思議そうに見ていた方なんですよ。

(なんであいつ、手袋なんか撮ってるんだ?おい、しかも自分の手袋も落としていったぞ!)

多分そんな心境だったと思いますが、完全に挙動不審のおかしな奴なのにすぐに拾って追いかけてくれたんですからね。優しすぎます。

ただ、物凄く恥ずかしくなってしまい、お礼を述べてその場を逃げるように去りましたよ。片手袋研究家なんて名乗っておきながら、この体たらく。研究家失格ですよ!

…とはいえ、拾われる人の気持ちも初めて理解できたのだから、研究家としてレベルアップした、とも言えるかも。

前向き!

※今日の結論
片手袋研究家ですら片手袋を落とすのだから、片手袋は誰でも落とす。