11/17、僕の出演した『大阪ほんわかテレビ』の放映日。後日録画を送ってもらいチェックする事にしていたのだが、夕方になって「やっぱり生で見たい!」という衝動が抑えられなくなてしまった。
結局六時に仕事を終えると大急ぎで家を飛び出し、大阪に向かった。そしてビジネスホテルで自分の出ている番組をチェックする、というとても不思議な経験を味わったのだった。
翌日は神戸ビエンナーレのまだ見ていないエリアを周る予定だったが、その前に午前中、大阪中央卸売市場を調査する事にした。
“調査”。勿論、片手袋の。ではなぜ大阪中央卸売市場なのか?
今回のテレビロケで実感したのは、“僕の片手袋研究は東京で構築してきた研究である”という事だ。つまり、今までの研究が東京以外の都市でも通用するのか分からなかった為、ロケで片手袋のありそうな地域を特定するのに苦労したのだ。
東京で片手袋の聖地と認定している場所は二つあって、一つは“東京湾奥”と呼ばれる、海沿いの倉庫や運送会社や工場の密集地帯。これに関しては、テレビのロケで神戸の同じような海沿いの場所を歩いて、沢山の片手袋に出会う事が出来た。
つまり海沿いの工場地帯は、東京以外の都市でも片手袋の聖地のようだ。
もう一つ、東京には片手袋の聖地があって、それは築地市場だ(本当はさらに“高速道路”というのもあるが、ちょっと特殊な事情なので割愛)。それが何故かについては過去の記事を読んで頂くとして、折角天下の台所大阪にいるのだから、市場を確認してみたかったのだ。果たして築地と同じように片手袋が沢山あるのか?
前日は仕事で疲れた体で大阪まで乗り込んだので寝坊してしまい、朝9:30頃市場の最寄り駅、野田駅に到着。「さて、市場はどうやって行けば…」、等と考えて歩いていると、いきなり!<o:p></o:p>
市場に辿りつく前にいきなりのお出迎え。築地も市場だけでなく、その周辺も片手袋が多いので期待が高まる。…とか考えながら10歩ほど歩いてたら。またもや!
(おいおい、ちょっと幸先が良過ぎないかい?)、などと考えながら写真を撮っていると、横を通り過ぎたサラリーマンの男性が、チラチラとこちらを見ている。
(やはり東京でも大阪でも、往来で片手袋の写真なんか撮ってたら怪しまれるよな)、と小さくなっていたら、なんとその男性がこちらに向かってくるではないか!
(うわ、土地勘がないから分からないけど、なんか写真なんか撮ってたら怒られるような場所だったのかな?)と身構えていると、その男性が一言。
「昨日、テレビ見たよ!あっちにも落ちてたよ!」
なんと、前日の『大阪ほんわかテレビ』を見て下さった方だったのだ!なんだかとても恥ずかしい気分になってしまった僕は、
「あ、ああ!そうですか。なんかスミマセン。こんな変な事やってまして。あっちに落ちてる片手袋ももう写真に撮りました。この辺、凄く落ちてますね。でも、なんか、スミマセン!」
と“スミマセン”を連発しながら、その場を急いで立ち去ったのである。
(大阪中央卸売市場。これは侮れないぜ)。気を引き締めて再び市場に向けて歩き出した。
(続く)