先日、東京都写真美術館で開催中の『いま、ここにいる』展を見に行ってきました。
きっかけとなったのは、先日の『別視点ナイト』をご覧になった方のつぶやきでした。なんでも、「植木鉢やゴムホース、おまけに片手袋の写真まである!」との事。『別視点ナイト』でも話をさせて頂きましたが、町で出会う片手袋を記録するのとは別に、絵画や映画などあらゆる創作物の中に登場する片手袋を収集するのも僕の大事な役割の一つ。
この展覧会のことは全然知らなかったので、慌てて恵比寿に向かいました。
『いま、ここにいる』展の趣旨はHPで読んで頂くとして、問題の片手袋が登場する作品は、安村崇氏の『日常らしさ』という連作の中の一枚でした。
これがその写真です(※画像はこちらのサイトから転載させて頂きました)。
安村氏の実家の風呂場の何気ない風景。おそらく作者が手を加えたのではなく、本当に日常的にこのような風景が繰り返されているのでしょうね。
湯かき棒に乗せられたピンクのゴム片手袋。一見すると
このような「介入型棒系片手袋」に見えますが、僕はおそらく違うと思います。多分これはお風呂掃除の際に使用したゴム手袋を乾かしているのでしょう。そうだとすると、
たまに見かけるこのような「植木の上などに引っかけられている片手袋」に近いと思います。多分土の入れ替え時などに使用した軍手を洗って乾かしているんですね。
こちらのサイトの作品解説には、「世界の「裂け目」を露わにするそのユニークなまなざしは…」 とありますが、やはり人の手の形をした手袋が片方だけ現れた瞬間、どんな景色も普段とは違う異質なものに感じられ、世界の裂け目が表出してくるような感じに襲われてしまいます。
安村氏の片手袋写真はその裂け目が、実家という極めて日常的な空間にすら現れることを教えてくれます。
いや~、こんな素晴らしい片手袋作品を見逃さずに済んでよかったです。創作物の中の片手袋は、僕がありとあらゆる創作物をチェックすることが不可能な以上、見逃してしまう可能性も大きいのです。こればかりは集合知に頼るしかありません。
皆様も、「〇〇に片手袋が登場するよ!」という情報がありましたら教えて頂けると幸いです。
ちなみに『いま、ここにいる』展は、恵比寿の東京都写真美術館で今週日曜(7/9)まで開催しています。