バイクの様子がなんだかおかしくなり、急遽エンジンを止め押して反対車線に渡っていた。
「重い…」
思えばバイクの免許を取るとき、最初に倒れた400ccのバイクを起こす授業から始まったのだった。あれからもう20年近く経つ。たかが150ccのスクーターすら重くてしょうがない。
「ひーこらひーこらばひんばひん」状態で信号を渡りきる直前、アイツがいた。
軽作業類介入型三角コーン系片手袋。
この時期にはなかなか見ない種類だけに胸が躍ったが、その横に倒れ込んでる三角コーンがなんだか自分みたいに思えて、複雑な気分になったよ。
自分が80歳位くらいになった時、どんなふうに片手袋を見ているんだろう?