『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』東日本ツアーも第7週目を迎えました。
7月12日(月) 【埼玉県】 埼玉大学教育学部附属中学校
13日(火) 【京都府】 飛鳥高校
15日(木) 【福島県】 白河市立大屋小学校
16日(金) 【群馬県】 群馬県立聾学校
埼玉大学教育学部附属中学校
毎年秋に3年生の演劇発表があることもあり、いつもとは少し特別なバックステージを行いました。俳優、演出、大道具、小道具、音響、照明。自分の希望する場所に行って、専門の劇団員と交流しました。生徒みんな好奇心旺盛で、積極的に質問したり、道具に触れてみたり、熱心に劇団員の話を聞いてくれていました。
「ヘレン・ケラーの話は知っていたけど改めて深く知って感動した」と生徒お礼の言葉で言ってくれました。その言葉は、それぞれに見た、バックステージで触れた、一つ一つの職であったり、ヘレン・ケラーという一人の人間に個として触れた時、今まで見えなかったもの、大事なこと、意外な感動に出会えた証でもある言葉でした。公演中の彼ら一人一人に見えてきたものも、きっと、それぞれ特別で、少しずつ違ったと思います。
ひとりひとり、“一つ”に焦点を向けることで向き合えるものを彼ら一人一人が発見し、知ってくれたこと。劇団員としても、とてもいい経験になりました!
飛鳥高校
去年出来なかった演劇鑑賞を今年やっと出来ました。たびたび、飛鳥高校では風の演劇鑑賞を行っていますが、今年はいつもの会場とは違い、少し遠い練馬文化センターにて行われ、暑い中、足を運んできてくれました。
彼らも、毎年行われる演劇発表に向けて、本番中はもちろん、終演後の座談会や、ばらし見学でも、演劇を生で見ること、肌で感じることで発見しようとする姿勢が垣間見えていました。演劇に、誰かと存在する自分、そして、今ここに誰かと響き合う自分、それに対して向き合っていく彼らの熱は間違いなく劇団員に対しても特別な刺激になりました。ここで発見したこと、大事にして、みんなと共有していって欲しいと思います。
こんなコロナ禍の中、舞台から写真を撮る私に、客席から「とってください!」とピースしたり、二階席から遠くの席にいる友達と会話する元気な姿を見て安心し、嬉しかったです。こんな状況の中でももっとたくさん実感して、経験して欲しいと思います。
白河市立大屋小学校
去年、星の王子さまを公演するはずでしたが、コロナの影響で、風の公演が中止になり、やっと、今年「ヘレン・ケラー響き合うものたち」を公演できることになりました。今回、この公演は、文化庁の子供のための体験支援事業として公演しました。去年、星の王子さまが中止になってしまったことを覚えてくれてる子もいて、劇団員としても、やっと会えた!という嬉しい気持ちでいっぱいでした。初めに、バックステージを行いました。音声ガイドを体験したり、舞台や、舞台裏を駆け回ったり赤ちゃんヘレンを抱っこしたり。全校生徒分け隔てなく、高揚した様子で舞台を感じている彼らを見て、すごく元気をもらいました。「ヘレンとアニーがだんだん仲良くなっていくのが心に残った。」生徒お礼の言葉で言ってくれた言葉です。シンプルだけど、この言葉を聞いた時、彼らにとって、この公園が、一日一日がもっと大事になる機会になったら嬉しいなと思いました。
コロナで抑制されてしまったこのご時世、全校生徒が精一杯元気に友達や先生、私たち劇団員含め、出会う全ての人とヘレンとアニーそしてその周りにいる人たちみたいに全力で繋がっていって欲しいと思います。
群馬県立聾学校
昨年の12月の星の王子さま以来の群馬聾学校。今回は、「ヘレン・ケラー響き合うものたち」の公演でお邪魔しました。梅雨も開け、カンカン照りの暑い中、公演中は、全員フェイスシールドを着用し、劇団で空調設備も整え、熱中症にはくれぐれも配慮してでの公演になりました。はじめに、バックステージを最初に行いました。最初に小学部と中学部、次に高学部。みんな元気で積極的で。それでいて、自由に動き回って、ヘレン・ケラーの舞台を散策してくれていました。劇団員紹介の際にはこれまでにないくらいの質問や、意見を聞けて、彼らの夢や願い、思いに触れられたと思いました。今回は、ヘレン・ケラーを題材にした劇ということもあり、彼らに繋がるものが多い作品だったと思います。本番中、静かに涙を流してくれたり、クスクスと笑ってくれたり、終演後、生徒挨拶で手話を交えながら一生懸命話してくれた事。この題名のように、確かに響きあった瞬間が見られた事が、劇団員にとってはもちろん、群馬聾学校のみんなにも、大事な瞬間になったこと。劇団員一同、嬉しく思います。
ひとつ思ったこと、群馬聾学校のみなさん、表現が豊かで元気すぎました!
私も、つられて笑ってしまったり、つい一緒になって、はしゃぎすぎてしまいました笑
彼らが今回の公演で見せてくれた、全力の楽しいや嬉しいが私たちに大きな幸福感を与えてくれたことは間違いないです。
素敵な時間をありがとうございました。
文:スタッフ 髙階のどか