昔のソウルでは,夜になると경(更)に,太鼓を打ち鳴らして時間を知らせました。更というのは,夜を初更,二更,三更,四更,五更の5つに区切った時間単位です。
二更は午後10時頃にあたり,そのときに28回太鼓を打ち鳴らしました。これを인정(人定)といい,人定になると都の四つの城門を閉め,一般人の通行を禁止しました。
人定以降に不審な人物が순라군(巡邏軍)の兵士に捕らえられた場合,순포막(巡捕幕)という巡査が仕事をしていた小さな小屋(今の交番に相当する)に連行され,さまざまな尋問を受けました。
罪がなければ오경파루(五更罷漏)を聞いた後に釈放されました。五更とは,昔の寅(とら)の刻で,現在の午前三時ごろから五時ごろにあたります。파루(罷漏)というのは,夜間の通行禁止を解除するため太鼓を打つことで,捕まった者たちは,明け方のこの太鼓の音とともに釈放されたのです。
さて,もう一つの경(黥)について見てみましょう。こちらの경は盗人を罰する厳しい刑罰の一つで,罪人の額や前腕に罪名を彫った「入れ墨」のことです。
そこから경치다というと「ひどく叱られたり,重罰を受けたりする」という意味になりました。
・호되게 경을 쳤다.〔散々な目にあった〕
・날씨가 참 경치게 덥군.〔ひどく暑いな〕
きょうは歴史用語について勉強してみました。
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