上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

끝내다と마치다 (おもしろ語彙の世界)

2023-12-09 | 言葉の使い方
끝내다と마치다は,両方とも「終える」と訳せますが,どう違うのでしょうか。次のクイズをやってみましょう。適当な語はどちらでしょうか。答えは文末に

・초대면의 인사를(마쳤다・끝냈다).
〔初対面のあいさつをすませた〕

・일을 내일 안으로(마치세요・끝내세요).
〔仕事を明日のうちにすませてください〕

・임무를(마치고・끝내고)귀국하였다.
〔任務を終えて帰国した〕

・이것으로 오늘 강의를(마치겠습니다・끝내겠습니다.)
〔これで今日の講義を終わります〕

・선생님은 어머니가 위독하다는 소식을 듣고 수업을 중도에(끝내고・마치고) 병원으로 달려갔다.
〔先生は,母親が危篤だという知らせを受け,授業を途中で終えて病院に向かった〕

끝내다:意志を持って終わりにする。予定通りに終わりにする。
마치다:自然に,または必然的に終わる。予定通りに終わりになる。

‘끝내다’は「終わらせる」という意味で,‘마치다’は「仕上げる」という意味です。意志が及ぶものには‘끝내다’が,そうでないものには‘마치다’が適切です。‘마치다’は,本質的に自分の意志通りにならないこと,どんなに頑張っても力が及ばないことに使われます。

●일생을 ‘끝낼’ 수는 없다
世界で自分の意のままに生まれて死ぬ人はほとんどいません。このように人間として避けられない生老病死に関することには‘마치다’が使われます。
・일생을 마치다
・여생을 마치다
・생애를 마치다
・세상을 마치다
*これはあくまでも一般論です。例えば,自殺によって自らの命を絶つことも,ある意味では안생을 끝내다と言えます。

自然だけでなく,社会生活の領域でも,外部から与えられたために自分の意志が通じない仕事には‘마치다’を使います。期間や過程が定められた制度としての学業,学部(学士,修士,博士など)の過程,学期,任期,軍務,研修,任務などがその例です。

●사업이나 장사를‘마칠’수는 없다
一日間の商売や三年間の事業のように,一定の期間を定めた場合は,時間の経過に伴って自然に終了する仕事なので,‘마치다’という言葉を使うことはあるでしょうが,ふつう最初から自分で意図と目的を持って始めた事業や商売には‘마치다’は使えません。

●끝내다は,無理やり終わらせること
고행(苦行),단식(断食),고문(拷問),점령(占領),통치(統治)など,明確な政治的,社会的意図から始まった仕事は,より強い意志や強制力で終わらざるを得ません。끝내다は,ある仕事やプロセスが完了したり終了したりしなくても,その仕事をやめることを指します。学業,修練,余生のように,途中で辞めること自体が不自然なものには‘끝내다’は使われません。
‘끝내다’は自分の意志で何かを終わらせることを意味します。そのため,‘마치다’と異なり,‘끝내다’ はある仕事やプロセスが途中で中断してが使えます。
‘마치다’が従順で消極的ならば,‘끝내다’には能動的で積極的なニュアンスが込められています。
一方,‘마치다’は,ある仕事やプロセスを最後まで完了したり,通過したりして,これ以上やらなければならないことがなくなったことを意味します。そのため,学業,修行,余生など,途中で中断することが不自然だったり,仕事の性質上,最高の段階や完了を前提とすることが難しいようなことには,‘끝내다’はあまり使われません。

마치다:自然に,または必然的に終わること。
끝내다:自分で,または誰かに強制的に終わらせること。

이야기(話),협상(交渉),경기(試合),공사(工事),회의(会議),용무(用事),결혼식(結婚式),화장(化粧),인터뷰(面接),여행(旅行) などは,すべて‘끝내다’も‘마치다’も使えます。

ただし,最後までやり遂げずに途中で意志を発動して止めた場合,‘끝내다’であり,最初から最後まで予定通りすべて実行した場合は‘마치다’です。

このように見ると,‘마치다’は予定通りに正常な結末を迎えることであり,‘끝내다’は予定になく突然意志を出して急激に終了を強要することです。したがって,‘적당히 끝내다’は可能でも‘적당히 마치다’とはいえません。

“하던 일 끝내고 나 좀 거들어요.” は,今すぐ仕事を途中で中断しても,私のほうを先に手伝ってほしいという言い方です。これに対して“하던 일 마치고 나 좀 거들어요.”は,やっていたことを終えてから私のほうを手伝ってほしいという意味になります。

しかし,日常会話では‘끝내다’と‘마치다’が,ごちゃ混ぜに使われます。それは,‘끝내다’が口語として威勢を振るっている一方で,‘마치다’は文語や格式ばった口語として後退しているためです。そのため,‘마치다’の方がふさわしい場所でも,‘끝내다’が入り込んできます。例えば,수속(手続き), 채비(準備), 숙제(宿題), 일(仕事)などの場合,よく考えてみれば‘마치다’と相性が良いのですが,日常的な会話では‘끝내다’を使うことが多くなっています。

‘마치다’は,自然に終わりを迎えることです。一方,‘끝내다’は,力を入れて無理やりに終わりをつけることです。そのため,仕事の性質が否定的である場合に‘끝내다’が使われる傾向があります。

例えば,대장정〈大長程〉(長い道のり),편찬(編纂), 모임(会合), 선거(選出), 대학(大学), 설명회(説明会), 비행(飛行), 예배(礼拝), 여정(旅)など,‘마치다’と相性の良い言葉は,一般的に肯定的な意味合いを含んでいます。
一方,집착(執着), 복수(復讐), 싸움(争い), 분열(分裂), 방황(放浪)などは,終わらせなければいけないものであり,否定的な意味合いを含んでいますので‘끝내다’の方がふさわしいでしょう。

また,本来は終わらせるのが自然ではないか,難しいことを無理やり終わらせる場合も,‘끝내다’を使います。例えば,‘관계를 끝내다’という表現は,本来は終わらせたくない関係を,無理やり終わらせることを意味します。

使われる副詞をみるとこの違いが明確にわかります。例えば,대충, 곧, 빨리, 갑자기, 한번에, 강제로, 단칼에, 서둘러, 도중에などは‘끝내다’と相性が良い一方,순조롭게, 성황리에, 무사히, 성공적으로などは‘마치다’と相性が良いです。

*とても良いものや,すごいものに感嘆するときに,俗語で“끝내준다!”と言いますが,これはこれ以上ないほど良い状態,行き着くところまでいった果てという意味です。

‘끝내다’も‘마치다’も一定の過程を前提としています。例えば,일생(一生)には‘마치다’が使えますが,인생(人生)には‘마치다’も‘끝내다’も使えません。なぜなら,一生は最初から最後までの過程を意味しますが,人生は過程の概念というよりも,人生そのものを指しているからです。このように,私たちのまわりには ‘끝내다’も‘마치다’も使えないものがあります。例えば,人間の意志がまったく介入する余地がない,自然に起こって自然に終わる自然の領域などです。

まとめ
끝내다:積極的な意志や意図が働く・途中で止められる・否定的なことに使われることもある・時間の重要性がある
마치다:積極的な意志や意図が働かない・途中で止められない・肯定的なことに使われる・努力の重要性の重要性がある

クイズの答え
・초대면의 인사를(마쳤다).
・일을 내일 안으로(마치세요).  
・임무를(마치고)귀국하였다.
・이것으로 오늘 강의를(마치겠습니다).
・선생님은 어머니가 위독하다는 소식을 듣고 수업을 중도에(끝내고) 병원으로 달려갔다.


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