かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

639 Back-to-Back COって?

2009-04-17 | 外国・国際事情
  この表題をご覧になって、アウトラインがお分かりになるかたは、日ごろグローバルな貿易問題に強い関心を持っておられる方でしょうか?

 日・ASEAN包括経済連携(AJCEP)協定は、2008年12月1日に日・シンガポール・ラオス・ミャンマー・ベトナムとの間で発効し、2009年4月1日現在では、これにブルネイ・マレーシアを加えて発効しています。

 ご承知のように、ASEANでは各国を結ぶ道路網等物流のインフラ整備が進められ(このため国境での通関を如何に迅速にするかとの課題がありますが・・)、AJCEPの意義・特色は協定各国をまたがる累積原産地証明制度の利用にありますし、複数国間の移動が伴うことへの対応が図られることにあります。

 例として、AJCEP締約国のミャンマーで採取して一時加工されたミャンマー原産の物品(Mとします。)が、おなじく締約国のラオスを経由して、締約国のベトナムに輸入されるとします。

 経由国のラオスでは、何ら加工等がされず物品Mの原産資格の変更がない場合には、ベトナムでの輸入の際には、経由国ラオスの原産地証明書発給機関による、Back-to-Back CO(連続する原産地証明書)があれば特恵税率の適用が可能です。

 経由国が、このBack-to-Back CO(連続する原産地証明書)を発給できる根拠規定は、AJCEP協定の付属書四「運用上の証明手続き」第3規則パラ4にありますが、経由国がこのCOを発給する際には、当初の原産地証明書があることを前提に、かつ経由する国で何ら加工されずもとの原産地資格を維持していることを何らかの方法で担保し、それを発給機関が確認することになります。

 貨物が経由国でいったん輸入通関されると、その後加工されたかどうかの確認は困難と思われますが、AJCEP協定では、輸入された貨物にBack-to-Back CO(連続する原産地証明書)を発給するかどうかは規定していませんので、この詳細は締約国によって異なる可能性があります。

 日本では、日本での加工がされず、当初の輸出締約国の原産資格が変更されていないことの確認が困難との理由で、Back-to-Back CO(連続する原産地証明書)は発給しないと聞いています。

 去る4月8日に経済産業省がアナウンスしたベトナムでのBack-to-Back COの発給方針は、発給については通常のCOと同じく商工省が所管し、発給に当たってのポイントは次のようです。
:::::::
 産品が税関の監督下にあるかどうかが重要。例えば保税倉庫や輸出加工区(EPZ:Export Processing Zone)にとどまる産品ならBack-to-Back COを発給できるが、輸入通関後は発給できない。
:::::::::::::
 ベトナムの考え方は頷けます。
::::::::
 事務所の周りの植栽のつつじが鮮やかな色で開きだしましたが、岩手の桜は見頃を迎えたとのTV報道がありました。日本列島の長さを感じさせます。
 新緑の季節!ブナ林が近くに有れば散策したいものです。近くでは水辺の柳が枝を伸ばしています。
 
 そういうと、昨年訪れた、立山・黒部アルペンルートが全線開通して名物の雪の壁が報道されていましたが、昨年の晩秋から今まで閉ざされていたんですね(驚き!!)

 写真は、ブナ林です。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Tatsuya)
2009-04-20 16:44:44
わたしもこのベトナムのback-to-back COの発給運用のMETIの記事を見て、へえーと思いました。

EPA本文では発給について細かい規定はしてないですし、英文の本文は"may issue a back-to-back CO" となってるので発給されないこともあるんだなと思いました。

興味があったので以前にシンガポールの詳しい同僚に聞いたところ、

- EPA本文で細かいルールは規定してないので実際の発給運用は国により違う。
- ベトナムと同様の運用をしている国は多い。やはり原産資格の保持を担保することの確認が難しいので。
- シンガポールは自由港という性格もあり、ベトナムよりはもうちょっとフレキシブルな発給運用をしている。

のようなことを言っておりました。

日本は商工会議所、back-to-back CO発給しないんですね。。。
返信する
Unknown (かずさん)
2009-04-21 00:21:06
tatsuyaさん

 コメントありがとうございます。
 一般特恵や、EPAの特恵関税の適用については、時々、税務当局の求める要件に対して、輸入者の方はややラフに受け止めているなと感じることがあります。

 納税側と税務当局との感覚のずれは、関税に限らずあるのは仕方ないかもしれないですね!

 日本の商工会議所の不発給方針は、聞いたことで、確かめていませんので、実際の場面があれば確認された方がいいと思いますので、ご注意ください。
返信する

コメントを投稿