かずさんの、ふらり日々是好日の記

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685 輸入貨物の検査費用の関税評価あれこれ

2009-06-30 | 関税評価
ときどき、検査費用の相談を受けます。

輸入貨物の品質等検査を輸出国や製造国で行う場合に、その検査費用を輸入者(買手)がインボイス価額以外に別払いしたり、負担(例えば社員が海外出張して検査してくる場合)することがあります。

相談の趣旨は大体二つあります。
一つは、「検査費用」は関税定率法では何も書いていませんが、輸入者が別払いする検査費用が、何故課税価格に入れなければならないケースがあるのか?

第二に、課税価格に入れるべき、買手が負担する検査費用とは何か?
です。私なりに解説してみましょう。

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◎ 「検査費用」と課税価格の関係

関税評価の原則は、(課税価格=現実支払価格プラス加算要素)です。
加算要素とは、関税定率法第4条第一項に書いてあるものだけで、法律に書いていない費用は加算要素にはなりえません。そして、検査費用は、加算要素として規定されていません。

 では、どういう理由で、検査費用が課税価格に含まれる場合があるのでしょう?
 通常、輸入取引きは貨物が一定の品質や純度であることを前提にしていますので、その品質や純度に合致するものか否かを確認するための検査が行われます。

 ある検査が行われた場合、その検査が誰のためのものかが、ポイントです。
 売手である海外メーカーが取引条件に合致していることを確認するためのものであれば、その費用は売手が原則として負担して、その額は取引価格の中に反映されているでしょう。

 また、買手が、契約条件に合致していることを確かめるためであれば、その費用は売手には無関係なもので、関税評価上も課税価格に含まれないことは当然です。

 では、買手が、売手のための検査の費用を負担する場合はどうでしょう?
メーカである売手が契約に合致する品質であることを確認するため第三者の検査機関に分析を依頼して、その費用を、インボイス金額と別個に買手に請求してきて買手が支払うというような場合が典型ですが、この別途支払う額は、いわば輸入取引きの現実支払額の一部ですので、課税価格の計算においてその別払い額を、インボイス価額に加えて行なう必要があります。

 このように、「「売手のために」行なう検査費用」を買手が負担する時は、現実支払価格の一部として扱われます、加算要素ではありません(^。^)。
 関税法を勉強される通関士試験の受験生は、上記のことは良く分かっておられると思いますが、実務経験を重ねた方が、ときどき戸惑われるようです。

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理化学研究所とトヨタ自動車などの共同チームが、脳波で電動車いすを操縦する技術を開発との発表が報道されました。

凄いですね、頭の中での指令で動かすことができれば、介護ロボットさんにお世話をお願いできます。



明日は7月1日で恒例の全国の税関の定期異動です。どの職場でも、人が入れ替わると引継ぎのエアーポケットが生じたり、業務の継続性にずれが出やすいものですが、安定した通関は確保したいものです。



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