HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

タミルの国からこんにちわ 『ULAGAN CHUTRUM VALIBAN』

2006年04月22日 | インド映画
 今回紹介する作品は、タミル映画を代表する大スター・M.G.ラーマチャンドラン (1917~87、タミルナードゥ州の首相になったほどの大人物) の主演・監督作 『ULAGAN CHUTRUM VALIBAN』 だ。

 研究の末、巨大な破壊力を持つエネルギーを開発した科学者が、そのパワーを世界征服のためにしようしようとする悪の秘密結社にその身柄を狙われる。科学者とその美人秘書はインド国外へ逃げ出すが、秘密結社の追跡は緩む事なくどこまでも追ってくる。インド特殊諜報局はこの科学者の身柄保護のため、彼の双子の弟である腕利きの諜報部員にその命を授ける。こうして彼は仲間の女諜報部員と共に兄を救うためアジア各地を飛び回り、途中邪魔にあったり、行き違いになったりしたりしてついに秘密のアジトで拷問にあっている兄を発見、そこで秘密結社の幹部たちを倒し、兄を救出することにみごと成功。こうして世界は危機から救われたのであった…。

 この時代のスパイ活劇 (60年代から70年代にかけての) ってどこの国も似たり寄ったりで、改めて『007』シリーズってすごいんだな、と思った。私は別にスパイ映画研究家でもないんだけど、この時代アジア各国ではスパイ映画が多数製作されていて、その雰囲気は香港でも韓国でもタイでもそしてインドでもみ~んな一緒! (あっ、もちろん日本もね) 使用言語が異なるだけで、中味は『007』とか『電撃フリント』とかとほとんど変わりゃしない。スーパーマン的な諜報部員がヒーローで、美女の諜報部員が敵か味方についていて、でっかい謎の秘密結社が世界征服を企んでいるっていうのが基本フォーマット。今やコメディにしかならないこのフォーマット、40年ぐらい前は世界中の男たちを魅了していたんだなぁ (しみじみ)
 
 この作品にはもうひとつ、われわれ日本人には「うわっ、懐かしい」というアイテムがある。それは1970年の大阪万博の様子がフィルムに収められているのだ。主人公が兄を探しに万博会場内を走り回って、仲間の女諜報部員が「そうだ、歌を歌えば気付いてくれるんじゃないかしら?」と言って、観光客がいる中、そのままミュージカル場面に突入するという力技を見せてくれる。私は大阪万博以降の生まれなので、両親の観光写真や文献でしかこの大阪万博を知らない。まさか何気なく購入したインド映画で (ジャケットは前回参照) 万博が写っているだなんて思いもしなかった。こういう事があるから 《非ハリウッド娯楽映画》 探検はやめられないっ! (2005年の愛知万博も絶対撮影してるよね?インド映画)