先日、新聞の随筆欄に「じいじ・ばあばでよいか」という記事が掲載された。それによると、10年程前から孫や家族がおじいちゃん、おばあちゃんのことを「じいじ」「ばあば」と呼ぶ事例が出て来たそうである。また、そう呼ばれて喜ぶ祖父母もいるそうである。
へえー、そうなのかと思ったが、実は近くに住む娘の子ども達は、私たち夫婦を「じいじ」「ばあば」と呼んでいる。私たち自身がそう言うので、自然に孫もそう呼ぶようになった。初孫が出来たのが五十代後半であった。まだ現役で仕事をしており、「おじいちゃん」という言葉には昔の隠居老人というイメージがあって嫌だったからである。その後私はリタイアし、一番上の孫も小学生になったが、今もって私を「じいじ」と呼んでいる。
随筆氏によると、家族が昔ながらの「じいちゃん、ばあちゃん」と呼ばせないのは、昨今の祖父母が以前より孫に弱く、尊厳を保てないからだそうだ。また「婿」や「嫁」が「義父」や「義母」との堅苦しい敬語的関係を疎んじているからだともいう。そして「じいじ・ばあば」は「じじい」とか「ばばあ」と呼び捨てにすることと紙一重であるという。ごっこ遊びで呼ばせるならよいが、余生の全てをあえて負けてあげる「ごっこ」に捧げる必要はないともいう。
「じい」とか「じいや」など呼び方は色々あるだろうが、「おじいちゃん」と呼ぶのが一般的かもしれない。しかし世の中にそういう風潮があるとは知らなかった。まあ私は「じいちゃん」でも「じいじ」でも、祖父母と孫との関係は変わらないので、呼び方はどうでもいいと思っている。
息子の子どもは私をじいちゃんと呼んでいる。嫁もそうである。これは息子がそう言うからである。私も特にじいじと呼びなさいとは言わない。娘の子どもも、長ずれば自然に呼び方が変わるだろうとも思っている。
しかし、 じいじと(時によっては、「じっじ」とも)呼ばれる方が今でも抵抗が少ない。ただ娘は遠慮がなく、更に縮めて「じじばばと遊んでおいで」などと言う。正しい呼称ではあるが、よけい老け込んだ気がして閉口している。
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