稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

新世界、串カツの「ちとせ」

2017年08月10日 | 食べ物の話など
無性に串カツが食べたくなって独りで出かけた。
場所は八戸ノ里(やえのさと)駅近くの「ちとせ」というお店。


(ちとせのツィッターサイトから拝借 https://twitter.com/94katsu_chitose

この「ちとせ」、もともとは新世界のジャンジャン横丁にあったお店だ。

大阪の心斎橋に生まれ育ったので、
昭和30年代には家族連れで天王寺動物園にはよく遊びに出かけたものだ。
帰りはジャンジャン横丁で食事をして帰るのが定番で、
いつも寄っていたのが「ちとせ」である。

カウンターの道路側に両親と兄2人と私の5人が並んで座った記憶がある。
帰りは新世界の雑踏、夜店の掛け声や灯りなど、
物心ついたばかりの私にも鮮明な記憶となって焼きついている。
常連客では無いが、もう60年近くになるから立派な「永年客」にはなる。

有名な「だるま」や「八重勝」ではなく私は「ちとせ」と決めていた。
お袋が「ちとせの串カツが一番おいしいなあ」と言っていたのを憶えているからだ。

昭和35年に奈良に引っ越してから新世界への足が遠のいたが、
それでも高校生ぐらいになると一人で出かけてブラブラしていた。

もう時効になるが、
高校3年生の時に、親と喧嘩した腹いせに、
母親のサイフから数千円盗み出して「ちとせ」まで来て、
酒を飲み煙草を吸い、串カツを堪能したのも懐かしい思い出だ。

いつの間にか新世界の「ちとせ」のシャッターが閉まり寂しい思いをしていた。
それが10年ほど前に八戸ノ里に復活したと聞いて、またたびたび訪れるようになったのだ。


(店内に貼ってあった昔の「ちとせ」の風景)
(このカメラの位置が私の定番席で、テレビを見ながら串カツをほおばったものだ)


(どて焼きは昔より色が濃くなったが、味は良くなった 食べかけ写真で申し訳ない)

たまーにだが、一人でふらりと出かけたくなる。
清算のときに店長に「先代はお元気にされてます?」って聞いたら、
「元気ですよ、週に1度は店に出てきますよ」って笑顔で返された。嬉しいな。

次回は純米酒を堪能しに来ようと思う。
コメント (1)
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