午後の部に、長正館から2名、なんば養正会から2名、
その他、知り合いが何名か六段を受審するので、
朝から、さっさと仕事を片付けて京都の西京極までバイクで行った。
片道45キロ。一般道で行ったので1時間15分ぐらい。
見ようとしていた5名のうち1名は把握出来なかった。
もう1名は初っ端の立合いで見れなかった。
いずれも探し出して声を掛けるような事はしない。
ペースを乱したくは無いから。
5名中、1名が合格。
見ていた3名の気の付いた事を記す。
---長正館K芦さん(不合格)---
竹刀の握りが悪い。特に右手は横から握っている。
何となく間合いに入っていく感じがする。
打とうとすると前かがみになってしまう。
初太刀は攻めが無いまま小手を打ちに行って空振りしてしまった。
面を打つときは、振り上げる直前に力が入り、剣先を小さく2回震わすクセが出た。
あとは、相手が動いてから打つ「後出し出小手」ばかり打ってしまった。
打ちに勢いが無い。よって、打ったあとの勢い、余韻が無い。
習ってきた「右足スイッチ」はまったく出なかった。
(右側がK芦さん)
---養正会K藤さん(不合格)---
少しずつ前に出て相手が打ってきたら合わせて打つ剣風。初太刀は小手。
小手は一応当たるのだが強度と冴えが無く、おまけに残心が無い。
全体に、緊張感の無いまま、交刃の間に入ることが多かった。
打ちの勢い、打ったあとの勢いが無い。
打ったあと、何となく相手と接近しバンザイし、
接近した緊張感の無いまま、何となくお互い間合いを取ってしまう。
バンザイするのは面を防ぐ意味もあるのだろうが見苦しい。
(左側がK藤さん)
---長正館K藤さん(合格)---
姿勢が良い。構えが良い。着装(袴)は少し変かも。
相手を動かすというより本人が動じない剣風で、
結果的に相手を動かしているように見える。初太刀は面。
外すところもあったが良い打ちも何本かあった。
勢いがある。残心まできっちり取れている。
(右側がK藤さん)
(審査の直前)
(合格発表)
【感想】
合格する人の特徴は、
1、待っている時から堂々としている。
2、構えが良い。
3、遠間、触刃で発声している。
4、捨て身で打ち切っている。(当たる当たらないは別)
5、残心が出来ている。
6、初太刀は面が圧倒的に多い。
他の立合いも見ていたが、見ていて残念な立合いは、
1、すぐに間合いが近くなる。
2、左拳を動かして意味も無く剣先を上下に振る。
3、相手と剣先を合わせない。
4、初太刀から小手(いきなりの小手、待っての出小手)が多い。
5、相手が動くのを待っている。待っての出小手が特に多い。
(待っての出小手は当たっても見栄えがしない)
6、面は防ぎながら打ってしまう。
7、何となく相手と接近してそのまま時間が過ぎてしまう。
8、残心が下手。(当たっていなくても図々しくあれ!)
9、打って振り返って、構えを解いてしまう。(竹刀を開いてしまう)
普段の稽古で直すしかない。
1つのクセを直すのは容易では無い。
よほどの覚悟と意思の継続が必要なのだ。
不合格は運が悪いのではない。「直すところを考えなさい」ということだ。
そして、悪いところを認める素直さと、不断の努力だけが合格への道なのである。