稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

No.12(昭和60年2月18日)後半

2018年07月31日 | 長井長正範士の遺文


〇誠の力。
もしこの誠を体得することが出来たら非常に大きな力となり、
天地間に、これ以上に強い力というものは恐らく無いと思う。

「至誠は神の如し」と。本当の誠は神様のようなものである。
我々が一番手っとり早く感ずることは母親の愛である。これは誰が考えても誠である。
いざという時、わが子のため、人間わざでは考えられない力を出す。
「至誠にして動かざるものあらず」ということは、どんな場合でも本当であろうと考える。

こう考えてくると、天の誠と人間の誠は別々のものではなく、同じものである。
故に人間は自然の誠を保存し、生かしていくようにするのが人間の道である。
そしてその道を修めていくのが「教え」である。

中庸に「天の命、これを性という、性に従う、これを道という。
道を修める。これを教えという」といってあるが、まさにその通りである。
要するに、天の誠、人の誠ということの一番の中身は
物を成長させる物の生命を完全に発達させるということである。

人間は生まれながらに持っている本来のものを生かし、
育てるのが最大の目的であり、天から授かったそういう本質的なもの(性)はあるのだが、
一方に又、生存するために必要なものがある。

これを儒教の方では「気」といっている。
耳、目、口、腹の欲望、男女の欲望、喜怒哀楽の感情といったようなものがある。
これらの「気」が「性」と一緒にあり、生存のためには無くてはならないものであるが、
欲望というものは次々と大きくなるものである。

こうなっては「誠」は、もうどこかへいってしまいがちである。
それで生きていく為の欲望をとめる必要はないけれども、
方向を間違わないようにし、反省に反省を重ねて「誠」を実行してゆくのが人間の道である。

云々・・・・・
諸橋先生は更にこれを具体的に深く説いておられるが、
ここで一応区切りとして省略させて頂くとして、
以上のように「誠」は剣道修行上最高のものである。

従って我々は竹刀を抜き合わして相対した時、
己れの最高の「誠」を竹刀の上に表現していかなければならない。

敢えていうならば、最初向き合った正眼の構えに、
最高の正しさ、道徳を相手に表現し、攻防打突の竹刀の上に
己れの「誠」を表現し合い修練していくのが剣の道であり、
人間の道である。

ここに稽古中の大切な礼儀が生まれるのである。
これが本物の剣道ではなかろうか。

以上
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特に書くことも無し(2018年7月29日)

2018年07月30日 | つれづれ
妙な動きをする台風は明け方前の3時から4時に、
驚くほどの風と雨をもたらして奈良の上空を西へと走り去った。

起きると雨は止んでいて、ときおり風が強く吹くものの、
自分的には日常生活にすぐ戻ってしまった。

日曜なので遅めの朝食を取り、通勤途中のスーパーに寄ってトンカツを買う。
旧170号線にある四条畷の地元のスーパーにはテナントに肉屋が入っていて、
ここは肉も安くて旨いが、ラードで揚げるカツが安くてお勧めである。

昼食は大盛り300グラムのレトルトご飯に銀座カレー中辛。
それに買ってきたトンカツを乗せてソースをかけて食べる。すこぶる旨い。
レトルトのご飯をけっこう旨いと思うのは変だろうか。


(カツカレーの上から軽くウスターソースをかけて食す)

夜は21時半まで仕事。
カンバッチの仕事が溜まっていた。


(正面向きのものは注文が多いが、この横向きの注文は久々だった)


(最後に1個ずつ袋に入れて完了)

何やら河内音頭が聞こえると思ったら近所の加納の公園で夏祭りだ。
そういや夏祭りなんて40年以上も行ったことが無いなあ。。。
などと思いながら阪奈道路を使って奈良まで帰った。


(加納公園の夏祭り、車の中から信号待ちに写す)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館一刀流定例稽古(2018年7月28日)

2018年07月29日 | 剣道・剣術
17時から一刀流定例稽古。
東住吉区中野中学校格技場。

台風の影響か参加人数がやけに少ない。
警報が各地で出ているのでやむを得ない。

8月26日の愛洲移香斎剣祖祭の演武稽古の組と、一般の稽古の組に分かれる。
私は相方が休みなので演武稽古は出来ない。
というか、最近、いつもぶっつけ本番である。


(愛洲移香斎剣祖祭の演武稽古組、二組同時に演武するので合わせるタイミングが難しい)


(井上館長による指導)


(K藤氏は左手が腱鞘炎なので見学している・井上館長と同じ姿勢なのが笑える)


(K澤君は、まだまだ体幹が出来ていない)


(2年ぶりに福岡からK保氏が稽古に参加した)


【感想・反省点】

前半は仕方、後半は打方をやった。
暑さでダレてくるのだが、最後まで気は抜かなかったつもりだ。
一刀流の稽古では踵が床に着くことも多いのだが、
なるべく上げるように心がけてみた。

夜の生駒の剣道稽古は警報が出て中止。
少しホッとした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【考察】切り返しを受ける際の足捌きについて

2018年07月28日 | 剣道・剣術
2018年07月25日の長正館の定例稽古で、指導者3人が、
切り返しの受け方の足捌きについて三様の見解を示した、と書いた。

見解A
左面を受ける時は元立ちは左足を引く。
右面を受ける時は元立ちは右足を引く。

見解B
左面を受ける時は元立ちは右足を引く。
右面を受ける時は元立ちは左足を引く。

見解C
どちらでも良い。

これには我ながら少なからずショックを受けて、
家に帰って深夜(明け方近く)まで蔵書とネットで調べていた。

古い剣友であるHide.さん(井上秀克氏)の「いちに会」のサイトでは、

記事タイトル:切り返しを受ける側の足運びについて
http://ichinikai.com/bbs7/302032470703125.html
-------------------------------------
切り返しの受け方ですが、
 ●左面は右半身(左足が後ろ)
 ●右面は左半身(右足が後ろ)
で「すり足の歩み足」で受けるのが正しい方法です(^^)

そもそも「切返しを受ける」というのは、切返しの実施者も勉強になりますが、元
立ちもたいへん勉強になるんです。左面を受けるときにお右半身になるのは、それ
が打ってきた力を受け止めるのにもっとも自然な形だからです。右面を打ってきた
ときに左足前の左半身になるのも、同様の理由からです。これらは、返し技にも十
分応用の効く体さばき&竹刀さばきなんです。
-------------------------------------
とあり、Hide.さん(井上秀克氏)の書き込みは結論づけている。

youtubeで、切り返しの動画をいくつか見たが、
懸かり手が高速打ちで無い限り、概ね上述(見解A)の通りになっている。

寝る時間を惜しんで、家にあった古い指導書をあれこれ調べてみた。
手持ちの本、10冊ぐらいを見たが、特にどちらの足が前だとか後ろだとか書いていない。
ただ「歩み足」とだけ書いてある。

写真や図入りのものだけ参考にした。

昭和39年、不味堂書店発行の、村上貞次著の「正しい剣道の学び方」は、見解Aである。
ただし半身なのかどうかははっきりしない。


(不味堂書店発行、村上貞次著「正しい剣道の学び方」39頁)


昭和52年、清風学園教育研究所発行の、
国分国友/中寛和著、重岡昇監修の「剣道」も、見解Aである。
ここでは半身の姿勢にはならず、中段姿勢のまま腕だけ左右に移動するようだ。


(清風学園教育研究所発行、国分国友/中寛和著、重岡昇監修「剣道」72頁)


どうやら見解Aが正しいのかな?と思っていたら逆の例があった。

昭和48年、秦流社発行の、原田源次著の「剣道」。
後述するが、写真で見る限り、一応、見解Bであるようだ。


(秦流社発行、原田源次著、「剣道」41頁)

44頁には、説明として、
-------------------------------------
相手の左面を打ってくるのを右足を歩み足で後(前)方に出し、
体をさばき、相手の打ちよい間合いを取る。

次いで相手の右面(注:本では左面とあるが誤植だと判断した)に打ってくるのを今度は
左足を後(前)に移動させ「しない」を前の項と反対側でしっかり支えて、右面を受ける。
-------------------------------------

あれれ? 見解Aとは逆だと思った。
しかし、文中の「(前)」は何? それだと見解Aになるはず。

これはどういうことなんだろうか?
写真では見解Bになっているが、足はどちらでも良いということだろうか?

家にある古い資料とネットの書き込みや動画では何とも判断がつかず、
翌日、出勤して職場に置いてある全日本剣道連盟発行「剣道指導要領」を見た。


(全日本剣道連盟発行「剣道指導要領」70頁)

ようやくこれでスッキリした。見解Aが正しい。

これで堂々と、左面を受ける時は左足を引く(前に出る時は右足を前に出す)、
右面を受ける時は元立ちは右足を引く(前に出る時は左足を出す)と指導できる。

懸かり手のスピードが速い場合は、受け手の足が合わせられない場合もあるし、
体格の違いによって歩幅が違い、合わない場合も当然あるだろう。

だから、あくまで「原則としては」というもので良いと思う。

また「相手と完全正対して腕のみ左右に振るのだ」と言う指導者もあるが、
全日本剣道連盟発行「剣道指導要領」では僅かに半身姿勢であり、
正対姿勢に頑なにこだわることもどうかと思う次第である。
受ける身構えは自然体で問題は無いはずだ。


-------------------------------------

ここからは長正館だけの話である。


そうなると、切り返しを受ける形は、
一刀流の陰と陽の構えに非常に似ていることになる。


(長正館の小野派一刀流「陰の構え」)

注:半身になるのは身体の中心に左拳を置き、攻防自在にするためである。

半身の度合いが大きく、また、竹刀と木刀の違いにより、左拳の位置は若干高くなるが、
明らかに切り返しの受け手の姿勢は、一刀流の陰と陽の構えに準ずるものと考えられる。
陽、陰、陽、陰と、相手の左右の打ち込みを受けるのだと指導すれば理解もしやすい。

笹森順造は小野派一刀流第16代宗家だが、
昭和40年、旺文社発行、笹森順造著の「剣道」の61頁において下記のように書いておられる。
(昔は切り返しを「打ち返し」と呼んでいた)
-------------------------------------
打ち返しの受け方
打ち返しを受けるには、初めは中段より、しないの切先を右または左脇
に少し開き、正面を打たせ、つづいてしないを正しく陽にとって左側面
を受け、次に陰にとって右側面を受け、左右の受けを繰り返して、最後
にしないを開き遠間から正面を打たせる。
-------------------------------------

長正館は笹森順造先生から認可を受けた小野派一刀流の道場である。
まず指導者の見解の相違を解消しなければならないが、
出来るならば長正館での切り返しは、陽と陰で受けると指導したいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本日も面は着けずに稽古(木曜会、2018年7月26日)

2018年07月27日 | 木曜会(誠先生の剣道教室)
木曜会稽古。四條畷の市民活動センター。
今年26回目。人数は20数名。

本日も面は着けずに素振りのみ。
ありがたい。素振りは大事だ。

●右手ずらしの大素振り。
振り終わった時に手首を入れて、さらに先が走るように。

●右手ずらしの水平正面打ち。
両手を出来るだけ伸ばす。
小指薬指をしっかり握って親指を伸ばす。
力強く鞭がしなるように。

●拳の間隔を空けて普通の正面打ち。
手を上げてから足を出すのではなく手を上げながら足を出す。

●手刀(てがたな)での左右面。
45度の角度を意識する。

話)剣道家は角度が鋭角になり易く、青竹の試し切りで失敗することが多い。
話)国士舘の大野操一郎先生は真っ直ぐ振り上げて左右面を指導していた。

●竹刀を使っての左右面。
左の軌道(相手の右面打ち)で角度がついてない者が多い。
刃筋を意識する。実戦でも刃筋の通った打ちは見栄えが良い。

●摺りかぶり。
前後左右にぶれないように。

●両足揃えて足を出さずに素振り。
背筋より腹筋を鍛える素振り。少し速く振ること。

●股割り素振り。
両足広げて振り下した時に膝を沈め、そのままの形で膝を伸ばすの連続。

●左右の足を入れ替えての左右面。

●組になって、摺りかぶり。
元立ちは頭上で竹刀を平行に横に上げておく。
手は伸ばす。しっかり形を作る。

●組になって、摺りかぶりからの正面打ち。

●組になって、足を出しながら正面打ち。

●組になって、足を出しながら(やや小さめの実戦的な)正面打ち。

●3人組での小手面竹刀打ち。

話)小手の掛け声は「テ」。小手面ならば「テメン」が速く打てるコツ。


(面を着けずに素振りの稽古)


(右手左手の使い方の説明)


【感想・反省点】

素振りをしっかりやる事で体幹が作られる。
体幹の出来た構えや打ちは、出来ていない者とは明らかに違う。
素振りは数だけ多くするのでは無く、1本1本を意識して行いたい。

暑いときは暑い時なりの稽古方法がある。
本当は長正館でも、暑い8月は休みにするのでは無く、
普段は出来ない本日のような稽古方法や剣道形、あるいは
木刀による剣道基本稽古など取り入れて稽古したいと思っていたが残念である。

つくづくと、本当に、残念である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館定例剣道稽古(矢田中学校、7月25日)

2018年07月26日 | 剣道・剣術
矢田中学校体育館で19時半から。

あまりに暑いので1時間以上も面は着けていられないと判断。
準備運動、いつもの素振りのあとは、素振り指導をやることにする。
実は先週の木曜会の真似である。

右手を左手までずらしての大素振り。
右手を左手までずらしての水平素振り。
普通の正面打ち素振り。
ともかく大きくリズムよく打ち切るように。

摺りかぶりの指導をしたかったが止めた。
まだまだやりたいことは自由に出来ない。

2人1組で竹刀を頭上に横にして正面打ち。

以前の長正館で連続左右面返し胴打ちを見たことがあると聞いたので、
さっそく2人1組のままやらせてみた。
初めての者ばかりなので両手は鍔元にくっつけて、
足は少し開いて平行にして身体を上下させて行う基本的なものだ。
上手になれば両手を離して打たせようと考えていた。
上下でなく左右に身体を揺らせて打つ方法もあるがまだ早い。

ここで思わぬ邪魔が入る。
詳しくは書かない。

仕方が無いので素振りの指導は中止して切り返しの指導をしようと思った。
切り返しの打ち方もさることながら、受け方の足捌きに問題があると思っていたからだ。

ところがここでも邪魔が入る。

受け方の足捌きの考えが指導の3人とも違うのだ。

左面を受ける時は、元立ちは左方向に竹刀を立て、左足を引く。
右面を受ける時は、元立ちは右方向に竹刀を立て、右足を引く。

のはずだが、1人は足が逆だと言い、もう1人はどちらでも良いと言う。

「どこの偉い先生が言われてたんですか?」とまで言われたが、
言われるも何も、左からの打ちを右半身(左足後ろ)で受けるのは剣術の原則ではないのか?
(当然、右からの打ちを左半身(右足後ろ)で受けるのが原則である)

剣道だからこそ完全な右半身にはならないが、左足を引くことに変わりは無い。
少なからず驚いて、いや、他にも別件で1件あり、諦め、いつもの稽古をすることにした。


(準備運動と素振り)


【感想・反省点】

指導者が複数いる場合の意思統一、指導方法の統一は本当に難しいものだ。
久々に少なからず気持が萎えてしまった。明るく愚痴は言ったが。。。

切り返しの足捌きについてはまた別の機会に書くことにする。

実施すると言っていた8月の稽古も突然無い事になった。
暑いなら暑いなりに色々な稽古や稽古方法があるのだが・・・
暑いから稽古を止めようなどと言うのはここ長正館だけかも知れない。

ああ勿体ない。
驚くと同時に情けない気持ちでいっぱいである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

結局、面は洗濯機で洗ってしまった。

2018年07月25日 | 剣道・剣術
ブルーチーズの香りをほのかに放つ面は、
しばし迷って洗濯機に放り込んだ。

「藍きれい」で漬け置き洗いにしようかとも思ったが、
生地の奥底まで浸み込んだカビの胞子を洗い落とすには、
洗濯機でゴロゴロ回したほうが良いと考えたのだ。

面の藍が落ちるので、藍きれいでの漬け置き洗いが一番なので念の為!
(わが、とんぼ堂でも、アマゾンと楽天市場で販売してます)


(藍きれい、税込 3,672円、https://item.rakuten.co.jp/tombodo/aikirei/

面を縛って、きっちり入る洗濯ネットに入れて、
あとは洗濯機のクリーニングモードに任せた。

洗濯機のクリーニングモードは、
洗ってるのか迷っているのか良くわからないほど頼りないが、
脱水まで放っておけるのでズボラな私にはちょうど良い。

洗い終わって風を当てて乾かしたら、
ニオイも汚れもすっかり落ちた。形も崩れてはいない。

色は、少し落ちた? いや落ちてないやん・・・という程度。

練習用の安価な面ならこれで充分である。
(練習用と言いながら、これで七段審査を受けてしまったのは内緒)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

面の臭いはブルーチーズ(なんば養正会、2018年7月23日)

2018年07月24日 | 剣道・剣術
なんば養正会での稽古は5月28日以来(のはず)だ。

府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)の剣道場は、
冷房が効いていて夏の稽古にはありがたいのだが、
冷房設備が古いせいか、湿度までは取ってくれないのが難点である。

一度ならずの恐ろしいカビ面に懲りて、
毎年6月~8月は面と甲手は持ち帰るのだが、
今年はうっかりして防具ロッカーに置いてきてしまった。

案の定、面を取り出すと、少なからずカビが生えている。
稽古後にアルコールで拭いておくのだが、それでもカビは生えてくる。

アルコールと乾いた手拭いで拭きとるがカビ臭い。
面をかぶるとまさに「ブルーチーズ」の香りだ。
ただし食欲はそそらない。

稽古は回り稽古から参加。最初は動かずワザと打たせてみた。
打たせる(打たれてみる)と見えてくるものもある。
なるほどなるほど。。

気温は低いのだが湿度が高いのでけっこう汗だくになってしまった。

四段を目指す女性剣士二人と稽古して、打ちに行くと受けてばかりいる。
聞いてみたら応じ技はほとんど稽古していないと言う。
出小手、相小手面、摺り上げ小手を一応簡単に教えた。
少し念入りに稽古したほうが良い。

あと、打ってからの抜け方と残心の取り方も。

審査にはコツがある。
方向を定めず数だけ稽古しても四段は受からない。
四段で頭を打つ剣士はけっこう多い。(私は五段で悩んだ)


(あまりに暑いせいか、人数は25名ほどだった)

カビ臭い面は持ち帰ることにする。

藍きれいで丁寧に洗うか、
いっそ洗濯機に入れてしまうか考えてみよう。
安い面なので気は楽だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

No.12(昭和60年2月18日)前半

2018年07月23日 | 長井長正範士の遺文


さて前述の如く「誠は天の道なり、これを誠にするは人の道なり」
と結びましたが、ここでもう少し誠を詳述しておかなければなりません。

あの「大漢和辞典」全十三巻を刊行された漢学者、
諸橋轍次先生の誠のお話の要旨を次に転載させて頂き剣道も亦、
誠の表現に他ならない点、ご賢察頂きたい。

〇誠は天の道。大自然の現象は何ひとつ考えても一つも間違いがない。
それが「誠は天の道」である。故にこの大自然のずべてが我々の教訓になる。
日本の言葉の「マコト」とは「真事」であり、本当の事がらで、いつわりの事がらではない。
「真事」というものである限り、本ものでなければならない。

即ち「まこと」の一つの要素は「ほんもの」ということ。
又、「まこと」である限り、今日、明日と変わってはいけない。万古不変でなければならない。
この「ほんもの」が、いつも変わらない万古不変ということが「誠」の要素であると思う。
(剣道も亦、本物でなければならない)

〇これを誠にするは人の道。
誠は又、「真言」本当の言葉という意味も含み、うそを言わないのが「誠」の第一歩である。
中国の古い言葉に「忠」と「信」とがある。これも「誠」である。

「忠」は中の心であり、人間の本当の中の心である。
我々は中の心でないことも、心ならずいうことがある。
そうではない、本当の中の心であれば、それは本物。

又「忠」という字は、口と心、それを堅の棒「|」で貫いたものであるという説明もある。
口でいうのと心とが一貫したもの、即ち、言行一致が「忠」である。
「信」というのは、人間の言葉である。

元来、人間の言葉は正しくあるべきものだということになっている。
この二つの「忠」と「信」から考えてみても、誠に入るためには、先ずうそを言わない、
人を欺かないということが、だんだん深く入ってくると、
今度は人を欺かぬ、のではない、己を欺かないというところに進んでくる。

ここまで行かなければ本物でない。
人は弁舌や手だてをもって、何とか欺くことは出来ても、己れを欺くことは出来ないのである。
(己れが稽古中の心とわざをよく反省しなければならない。自分の剣道が本物であるかどうかを)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑いので稽古はサボってしまった!(7月22日)

2018年07月22日 | 旅行や街角メモリー
早朝からある場所に出稽古に行く予定だったが、
昨夜の深夜作業による寝不足でぼーとしていて、
降りるべきインターを通り過ぎて和歌山の海まで出てしまった。

こうなると稽古に行く気も完全に無くなり、
お詫びの連絡を入れて思いっきりサボってしまった。

久々の海を満喫した。
泳ぎはしないが膝まで海水に浸かる。
海辺の食堂で食べたのはウニパスタ。
お土産は大福と友が島の岩海苔だ。
久しぶりに海に出て、日焼けして満腹して元気を取り戻した。

今夜も仕事である。がんばろう。


(和歌山は加太のうにパスタ、とてつもない量だったが何とか平らげた)


(お土産は本店で)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

剣道の昇段審査(初段~五段)の感想雑記

2018年07月21日 | 剣道・剣術
7月16日の東大阪アリーナで行われた昇段審査会での感想。
全部を見てるわけでは無いのでご容赦ください。


(二段の審査会場)

●初段の部
気剣体の一致が難しいのはわかるがあまりにバラバラなのは目立つ。
切返しはリズムが大事。両足を同時に飛んでいる切り返しは良くない。
お互いに懸かり稽古のようになってしまうのは致し方無いが、
打とうとして上げた竹刀を、打つのか受けるのか中途半端なままで、
そのまま相手の面に持って行って当てている者が多いと感じた。
当たらなくても仕方が無いが打ち切らねばならない。

●二段の部
攻め合いが無いのは仕方が無いが、懸かり稽古のようなのは見栄えがしない。
せっかく当たったのに姿勢が崩れる者が多い。

●三段、四段の部
打ち切ることが重要。打ってその場に止まっていてはいけない。
前に抜ける。横に体捌きする。後ろ残心など稽古すべき。
鍔迫り合いが多い。中には審査時間の半分を鍔迫り合いしていた組もある。
審査員は鍔迫り合いなど何の評価もしないことに気付くべきである。

●五段の部
多少崩れても相手に打ち勝つ者は合格するのだとわかった。
触刃、交刃の間での攻め合いが感じられる組は見ていて気持ちが良い。
単調子に出小手ばかり打つ者、返し胴ばかりの者は明らかに駄目である。

●形審査
一本目の仕太刀の、間合いに入った時の右足の引き付け、上段残心から右足から下がるところ、
六本目の仕太刀の、上段残心から右足から下がるところなど、
足の引き付け、初動の足の動きがそもそも間違っている、あるいは不十分な者が多い。
全体的に形稽古の習熟が足りないと思われた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

素振りで始まり素振りで終わる(木曜会、2018年7月19日)

2018年07月20日 | 木曜会(誠先生の剣道教室)
木曜会稽古。四條畷の市民活動センター。
今年25回目。人数は20名ぐらい。

昨日(18日)が「今年いちばん暑い」と思ったが昨日の比では無い。
体育館の中は40度は確実に超えていると思う。
防具袋から稽古着と防具を取り出し着用する。

事務所から持ち出した防具も稽古着も、
最初はひんやりと冷たく感じていたが稽古が始まると熱くなっていた。
触って熱いということは体温より高いということだ。

再来年にはこの時期にオリンピックをするという。
これは狂気の沙汰だ。競技では無く耐暑大会になってしまう。
選手や観客に死人が出るかも知れない。

師匠が来て、きょうは剣道をやる環境では無いと言われた。
同感である。素振りをすると言われ少しホッとした。

--------------------------

●右手ずらしの大素振り。
歩幅大きく手は伸ばす。鞭がしなるような感じで。

●右手ずらしの水平正面打ち。
一本一本を決めるつもりで。

●拳の間隔を空けて普通の正面打ち。
竹刀の先が走るように。

●左右面。
左拳の位置が中心線上に。刃筋正しく。

●足を入れ替えての左右面。
右手の小指薬指が開かないように。

●摺りかぶり。
あごを引いて胸を出して左足に体重をかけて。
(右足)出して(左足引き付けて)打つ・・という意識で。

●高速摺りかぶり。
左足踵が浮いていること。体軸がぶれないように。

●組になって高速摺りかぶり。
相手の竹刀を折るぐらいに強く打つ。

●組になって、足を開いて左右返し胴。
リズムよく腰を上下するのがコツ。

●同じく組で左右返し胴。懸かり手は目をつぶって。
(うちの組はレベル的に危険なので目は開けて行った)

  コツは、打ったすぐに竹刀を上げて受け、受けたらすぐ打つこと。
  見ないで打つクセを身につけると身体が勝手に動くようになる。

●組になって足を大きく開き(両拳をくっつけて竹刀を握っての)左右水平受け返し正面打ち。
(面返し面、見たことはあるが自分でやるのは初めてである)

  左右に受けるので足を大きく開いて身体ごと左右に傾けること。
  慣れたら大きく強く打つように心掛ける。

●早素振り。

●足を踏み替えての早素振り。

●組になって早素振り打ち。

●組になって長息での早素振り打ち。

●組になって一息での早素振り打ち。

--------------------------

途中の説明から・・

心気力の一致した気剣体の一致の技が出なければならない。
特に八段審査では咄嗟に技に変わる気剣体の一致の技が出なければ駄目。
右手の巧緻性は大事。玄妙な技は手首の柔らかさから生まれる。
どんな技でも打てる。でも打たない。・・という相抜けの精神。


(最初は礼法から始まった)


【感想・反省点】

素振りだということで安心していたが、
それぞれ10本から20本(早素振りは30本)を何回もやったので、
全部を足すとかなりの本数を素振り&打突したことになる。
面を着けないだけマシだが全身汗だくとなってしまった。
「いつもの稽古のほうが楽や~」という声も上がったほど。

しかし途中で休憩も入ったし、
今までやったことの無い基本稽古も(形だけ)覚えたので、
ぜひ長正館の稽古でもやってみたいと思った。良い稽古だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長正館定例剣道稽古(矢田中学校、7月18日)

2018年07月19日 | 剣道・剣術
東住吉は矢田中学校体育館。
毎週水曜日、19時半から。

新しく入館者1名。小学校6年生の女の子。
長正館では今年から子供の初心者の受け入れも再開した。
基本を大切に育てていきたい。

今年いちばん暑いのでは無いだろうか?
こういう時は無理はしない。それぞれ自己管理で休憩をする旨を話す。
最終、子供を入れて13名だった。暑いが最終21時を少しまわった。


(入館初心者も一緒に体操から始める)


(基本稽古は大きく伸びやかに)


(小学生は暑いので面を外して素振りの復習)


(F六段と井上館長)


(C六段とK川四段)


(F六段とS二段)


(K芦五段とI初段、I初段は格闘技&剣術出身なので左足が前に出るクセが出る)


(同じく、I初段とK芦五段)


(K川四段とC六段)


(稽古終了後)


【感想・反省点】

剣道で高段を目指すなら左足前で打ち込むクセは直したほうが良い。
しかしI初段のように格闘技出身で剣術をやってきた者は、
普通の剣道愛好家とは違う剣風であっても良いのでは無いか?という疑問がある。
正しい剣道はこれだとばかりに画一化された剣道を押し付けることがはたして良いのか?
とは言うものの、一般の剣道の稽古の中で一人だけ違うことをするのも変である。
剣術家の剣道(剣術家の防具稽古)というものはまたじっくり考えてみたい。

S二段とは相面の稽古を多くする。
振り返った時に相手よりいち早く準備完了しておくことが大事。

ともかく暑いので一番早くバテてしまった。
この年で熱中症で倒れたら世間の笑われ者である。だから無理はしない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【考察】傘の切先について

2018年07月18日 | 剣道・剣術
先日の一刀流自主稽古は刃引の形稽古だった。
というより当分の間は刃引の形を行う予定である。

ある人の構えがどうも気にかかる。
彼は正眼に構えているのだが剣先が相手から外れているのだ。
つまり、剣先の延長線上は私の中心から外れている。

構えは基本中の基本なのだが本当に難しい。
「正しい構え」を意識し過ぎても、我が師匠の言う
「構えに構えさせられている」ことになってしまってぎこちない。

しかし剣先が相手から外れる構えは「正しい構え」からはほど遠い。

彼には、正眼に構えた時、剣先は相手の左目を指すよう指導した。
高さは変わっても「常に相手の中心から外れないように」と説明した。

正眼の構えをどうも勘違いする者が多い。
剣先を左目に付けようという目的と思いはわかるのだが、
妙に平正眼となって剣先が中心から外れてしまう。

刃先は基本は下に向ける。意識して左下に向けるのでは無い。
やや半身に構えるので「自然と左下になる」程度の「左下」である。

そして顔の中心と左目は1寸(3cm)しか離れていないことに留意したい。
(自分自身で確認して欲しい)
(左目とは左の目尻なのだということも聞く、目尻なら半分になる)

一足一刀の間では相手との身体と身体の距離は2mほどである。
ということは剣先の開きは1寸の半分の半寸(15mm)しか無いことになる。
これは遠間で1cm、より遠い9歩の間合いだと数mm程度でしか無い。

それを遠間で1cmどころか1寸離して構えるから、
相手の中心から大きく外れた妙な構えとなってしまうのである。
これでは正眼の構えになっていない。
相手から見たら「何それ?」という感じなのだ。

剣先を左目に付けても中心を取ることに変わりは無い。
左目に付けるから中心を外れるというのは間合いと開きの加減がわかっていないからだ。
(切先の高さについては遠間ではさほど厳密になる必要は無い)

開く意識は剣先では無く柄頭のほうである。
左手の親指付け根の第1関節が臍の前。身体から拳2つ離す。(竹刀では拳1つ離す)
拳2つと言っても体格の違いによる個人差は許容範囲としたい。
そして剣先は相手の中心から離してはならないのが原則である。

中心を取るから圧力になる。つまり攻めになる。
攻めになるから「剣先を外す動き」も活きてくる。
最初から外していたら意味は無い。
つまり外す動きが誘いにすることが可能になるわけだ。

しっかりした構えは攻めでもあり守りでもある。
中心をしっかり取った構えは、そのままでは絶対に打たれない。
よく剣道で、中段に構えたところを鍔の上から小手を打つ者がいるが、
あれは打てたように誤解するだけで実際は鍔しか叩いていない。
竹刀はしなるから小手を打てるだけで木刀ならまず打てない。

竹刀のしなる特性で打てたと勘違いするところが剣道の難点である。
竹刀のしなる特性で剣術の技が剣道で通用しないのも剣道の難点である。

笹森順三著「一刀流極意」の592頁に「傘の切先」という記述がある。
日曜の稽古に参加した別の剣友が後日教えてくれたのだ。
----------------------------------
傘の切先とは、わが切先を少しばかり開いて敵に向かってさしたようにする。
敵の移動する体と心をわが切先にて自由に制する法である。
剣中体の極意はこの傘の切先の教から生まれてくる。(要約)
----------------------------------



傘の切先は構え全体で傘の切先とするのであって、
ただ単に剣先のみ傘のように開くことでは無いと思うのだ。
そうなると山岡鉄舟の「三角矩の構え」こそ「傘の切先」では無かろうか。

「わが切先を少しばかり開く」とは、剣先を相手からそらすのでは無い。
わずかに半身に構えるからこそ「わずかに開いた傘」になる。
その上で相手の中心を捉えることが大切だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪、剣道夏季審査会(7月16日)

2018年07月17日 | 剣道・剣術
初段から五段までの審査である。場所は東大阪アリーナ。
午前9時 開館、午前9時30分 点呼、午前10時 審査開始。
審査会場は8つ。初段が1と2、二段が3と4で男女別。
三段が5と6、四段が7で五段が8番目。すごい人である。
奈良なら1会場だけで初段から五段までやってしまう。

それにしても朝から異常な暑さである。
近くの駐車場を予約して折り畳みの自転車で会場に向かう。
会場に着くまでに汗だくになってしまった。
幸いに審査会場は空調が効いており暑いが猛暑では無い。

長正館からは初段1名、二段1名、五段1名の計3名が受審した。
結果は初段と二段が合格。五段の壁は厚い。


(エアコンを最大にしても炎天下に置いた車はなかなか冷えない)


(第3会場は二段の審査)


(第2会場での剣道形審査)


(第1と第2の初段審査会場での筆記試験)


【感想・反省点】

なんば養正会からも数名が受審していた。
そこそこ良い剣道をする四段審査を見ていたが、
打つ時に勢いが無い。打ちに冴えが無い。
あとは鍔迫り合いをしてしまっている。
鍔迫り合いは審査ではしてはならない。絶対にプラスにはならない。
審査にはコツがある。また指導しようと思う。

養正会の五段受審者も落ちた。
五段は指導者としての器も必要だ。
有効打突も必要だが、あるレベル以上の品位や風格も必要である。

それにしても初段と二段合格は嬉しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする