稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

恒例の餅つき(2018年12月30日)

2018年12月31日 | つれづれ
お袋(粕井睦子)の実家の流れで毎年12月30日は餅つきの日である。
粕井の風習では無い。粕井の風習や文化は我が家にはほとんど無い。
お袋の実家、奈良の扇田家の風習や文化を継承している。

扇田善次氏(お袋の弟)が亡くなった年から扇田家の餅つき道具一式を預かり、
それからは毎年我が家のガレージで餅つきをするのが恒例行事になった。
今年は6臼。9時から蒸し始め10時から餅つきスタート。
つくのは若手に任せて私は横でバーベキュー。
寒かったが風がほとんど無くて助かった。

毎年参加の長兄は外国でお正月だとかで、
酒飲みの数が少なく、珍しくお酒控えめな餅つきとなった。


(餅つきの朝、家の中の様子、猫3匹は2階に隔離してある)


(道路からの全景)


(餅つきの横でバーベキュー)


(餅つきは、この「潰し」から始まる)


(柔らかくなったら子供達にもつかせる)


(記念撮影)


(家の中の様子、今年は「餅丸め器が大活躍した)


(つき手以外は肉を食い酒を飲む)


(最後は恒例の集合写真)

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剣道の残心(肩残心、引き残心、乗り残心)について

2018年12月30日 | 剣道・剣術


有効打突の条件は下記の6項目である。
-------------------------
1)充実した気勢
2)適正な姿勢
3)竹刀の打突部で
4)打突部位を
5)刃筋正しく打突
6)残心あるもの
-------------------------
これらのうちの一つでも欠けていれば有効打突にならない。
つまり、打って当たっただけでは一本にはならず、
ゆえに審査で「何本も入ったのに受からない」という人は何かが欠けている。

残心が下手なばかりに審査で不合格になる者も多い。
特に三段~五段では、面を打った勢いのまま、
相手とすれ違い、相手を見ずに背を向けて去っていくことがある。
あるいは相手とぶつかり、鍔迫り合いになって時間の浪費をしてしまう。

振り返って、あるいは下がって構えるまでが残心である。
相手からは常に目を離さないのが正しい。

有効打突は、打って、気勢のあるまま、抜けて振り返って構えて完結する。
打ってから構えるまでが残心。気が抜けてしまっては試合も審査も駄目である。

木曜会(誠先生の剣道教室)では特に残心に気をつけている。
以下は、面打ちの場合の残心を(私個人の理解として)説明する。
---------------------------------
面を打ったあと、
肩残心:肩がすれ違う際に横目で相手を見ながらクルリと回って引き残心。
引き残心:相手とぶつかったあと、正対したまま後ろに下がって残心。
乗り残心:打った勢いのまま真っすぐ相手に乗っていく残心。(手を上げ胴で押す)
---------------------------------

初心者でありがちなのは、相手とすれ違う事を意識するあまりに、
面を打つ時に、右前に出ながら打ってしまうことが多いことだ。

この場合、打った時に、やや右に逸れているため、
右手を左方向に伸ばして相手の面を捉えようとしてしまい、
少し身体が捻じれてしまっていることが多い。
初心者は、相手にぶつかる事を恐れず、真っすぐに打ち込むように。

以下、詳細。

---肩残心---
打つ瞬間までは真っすぐ打ち込む。逸らして打たない。
打った瞬間に右方向に進路を逸らし相手の左肩とすれ違う。横目で相手をとらえている。
肩がすれ違った瞬間に、右足を軸にくるりと瞬時に回って、相手と正対しながら下がる。
遠間まで下がったら、左足荷重のまま、右足を引いて正しい構えを取り、
そこから半歩前に出て遠間、触刃の間となる。

---引き残心---
真っすぐ打ち込む。
相手とぶつかったら腕を引いての体当りはしない。
打ったそのままの姿勢でぶつかって行き(腕が上がるのでバンザイ姿勢)、
相手と触れた瞬間に相手と正対しながら下がる。
遠間まで下がったら、左足荷重のまま、右足を引いて正しい構えを取り、
そこから半歩前に出て遠間、触刃の間となる。

相手とぶつかる角度によって、右方向や左方向の引き残心になる場合もある。
(これは肩残心の変形で、相手とすれ違いが出来ない場合がこれになる)

---乗り残心---
真っすぐ打ち込む。
相手とぶつかったら腕を引いての体当りはしない。
打ったそのままの姿勢でぶつかって行き(腕が上がるのでバンザイ姿勢)、
相手の体格が小さい、あるいは精神的に萎縮していた場合、そのまま前に進み乗っていく。
乗りきったら気位を見せて静かに下がって間合いを取る。


(打ったあとは、そのままの勢いで乗ってしまう乗り残心)

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試合や審査は、普段の基本稽古と違って相手は避けてくれない。
このため、鍔迫り合いばかりしている試合や審査風景も珍しくは無い。
特に昇段審査での鍔迫り合いは時間の無駄である。何の評価も受けない。

普段の稽古の中で、上の者に懸かる稽古ばかりしていると、
たいていの場合は上の者はよけてくれるので、
なかなか、打ったあとの体捌きがうまくならないものである。

どの残心を取るかはその時の状況次第で、
こういう時はこうすると言葉では言えないものだ。
瞬時に判断、対応出来るように身体で覚えるほかは無い。

同段や、近い段同士の場合は、積極的に上記の残心を稽古して欲しい。
残心が上手くなれば、緊迫感のある良い稽古になるはずである。


以下余談
----------
初心者に真っすぐ打ちこませて、ぶつかると「ぶつからずに避けなさい」と指導する先生がいる。
初心者は避けることを意識すると、避けながら打突するようになってしまう。
指導者は、相手の技量を見て、相手が未熟であれば自分から避けるか引いてあげましょう。

また、真っすぐ打ち込ませて体当りばかりの稽古も技が小さくなり好ましくありません。
初心者には伸び伸びと真っすぐに打ち込ませるようにしたいものです。

体当りは剣道の大切な動作(技)の一つですが、
体当りそのものは残心にならないため、
また体当り自体も、そして体当りからの技も美しくもないため、
特に昇段審査では体当りはしないほうが良いと思います。
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(この項、追記、訂正する場合があります)
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詐欺メール「件名:Re:ご予約完了致しました。」

2018年12月29日 | 詐欺、迷惑、防犯、防災、危機管理
詐欺メールの紹介

一番下のリンク先は、フコクみずほ生命となっていて、
フコク生命(富国生命保険相互会社)系を装っている。

ともかく怪しいのでリンク先はクリックしないこと。
年末は多いです。詐欺メール、スパムメール。

まっとうなメールで署名(シグネチャー)の無いメールは無い。
少しでもおかしいと思ったら調べてみること。

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件名:Re:ご予約完了致しました。
差出人:ARC株式会社 遠藤育美

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ご予約内容(必ずご確認ください。)
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【予約番号:1589587】

ご予約が完了致しました。
下記よりご予約内容をご確認ください。

また、ご予約変更、キャンセル(当日除く)の場合も以下からご連.絡ください。

※尚、当日キャンセルの場合はキャンセル料(100%)をご負担頂きますのでご了承ください。

http://fukokumizuhoseimei.com/home?loginkey=e81155561cee179a3b5b6cdb4fc87fcca87c31d2a16d814fdfefafb2f8ce3dbc
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なんば養正会、稽古納め(2018年12月28日)

2018年12月28日 | 剣道・剣術
大阪、難波の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)。
なんば養正会。大人の稽古は19時~20時15分まで。
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なんば養正会のホームページ。(管理人は私です)
http://www.doujyo.net/youseikai/
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12月、私にとって3回目の稽古。
たった3回だが、古参から「最近良く来るね~」と言われた。
それほど足が遠ざかっていたと言うことである。
心斎橋勤務だった頃は月に7~10回ぐらいは来ていたものなあ。

年明けは1月7日(月曜日)から通常の稽古である。


(到着したら基本稽古の真っ最中だった)


(稽古終了、左端を写す)


(中央左側を写す)


(中央右側を写す)


(右端を写す)


(黙想)


【感想・反省点】

稽古は回り稽古から参加。
回り稽古で4人、自由稽古(地稽古)で12人と稽古した。
間隔無しの稽古だったので稽古中の撮影は出来なかった。

打たれても返されても構わず一歩入って面を打つ事を積極的に試してみた。
これは昔は無かったことだ。考え過ぎて面に飛べなくなるせいもあるが、
元々脚力が弱く、身長が高いわりには面を打つのが苦手だった事が大きい原因だ。

毎週水曜日の長正館での弟子(中学生)との稽古では、
弟子が遠間からの面をガンガン打ってくるので自然と相面の稽古になる。
で、いつの間にか「比較的遠間から思い切って面に飛び込む」ことが出来るようになった。
こんな年でも何でもやってみるものだ。ああ、ありがたい。

稽古後に、このブログを見ている人から「乗り残心ってどうするんですか?」と聞かれた。
これはまた別の機会に別枠で書いてみたいと思う。

養正会の稽古は地下道場なので寒さとは無縁である。
養正会だけ夏用の薄い稽古着と化繊の袴を着るのだが、それでも汗だくになる。

家に帰っていつもよりビールがかなり進んでしまった。
またまたカロリー過多である。
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長正館定例剣道稽古、稽古納め(2018年12月26日)

2018年12月27日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で19時半から。
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【長正館練習生募集中】
初心者、経験者を問わず練習生募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://www.doujyo.net/choseikan/
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3週続きで東大阪から東住吉まで1時間20分かかった。
仕事を片付けて、どう早く出ても17時50分にしか出発出来ない。
18時には到着したい。高速も慢性的に渋滞している。ストレスが溜まる。

稽古参加人数は14人。久々にS伯先生が来られた。
稽古中の写真は無し。稽古納めに相応しい熱の入った稽古が出来た。
初稽古は1月9日(水曜日)19時半から。


(19時からは自主的に剣道形稽古)


(F六段が遅れたため、K芦五段が号令で準備運動と素振り)


(K君が、道場連盟に出展する作品を持ってきた)


(集合礼のあとは基本稽古、号令はそのままK芦五段)


(稽古終了)


(指導陣)


(稽古納めの集合写真)


【感想・反省点】

TちゃんもT君も自分から私のところに並ぶようになった。
Tちゃん、基本稽古で相面をやらされ戸惑っていたのだが「相面のやり方がわかりません」
と聞いてきたので「相面はまだ早いので、普通に面を打つように」と指導した。
基本稽古の時は、レベルに応じて号令者が指示しないと初心者は混乱する。
次回からは気をつけようと思う。

若手先鋭のS田五段との稽古では身構え気構えが崩れないことのみ意識した。
打とう守ろうのほうに意識がいくとどうしても姿勢が崩れる。
打たれても良い。崩れないこと。最近の稽古はこれ中心。

最後に集合写真。
昔は長正館の年越し稽古の後は集合写真を撮ったものだ。
やっぱり道場があった頃は良かったなあ。と思う。

帰りは食事だけだが有志4人で忘年会。
ビックリドンキーで大きなハンバーグを食べて帰った。

※以下余談
ビックリドンキーは今でこそ全国展開の大きな店だが、
発祥の最初の店は、岩手県盛岡市のカウベルという小さな店だった。
昭和53年の東亜特殊電機(株)盛岡営業所勤務時代に先輩に連れられ、
何度かカウベルに通って「うまいハンバーグだなあ」と感激したものだ。
基本的に店の雰囲気もハンバーグの味も昔のままである。何だか嬉しい。


(北上川の川岸から見る盛岡市と岩手山、ウィキペディア(Wikipedia)より拝借)
(記憶が正しければ、盛岡駅の南東、明治橋から撮った写真かと思う)
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ねずさんのひとりごと「民族という名の危険な思想」

2018年12月26日 | 政治や歴史など
ある本を読んでいて、エスニックとネイションの意味が混乱してきて、
ネットで違いを調べていたら「ねずさんのひとりごと」にたどり着いた。

ねずさんのひとりごと「民族という名の危険な思想」
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2903.html



Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長?倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表?日本史検定講座講師&教務。
(著書)
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』?
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱?序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
最新刊
『ねずさんと語る古事記・弐?天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』



ねずさんのひとりごと「民族という名の危険な思想」

先に、今日のお話を要約しておきます。
1 日本語の「民族」という言葉には、ネイションとエスニックの両方の意味がある。
2 ネイション(Nation)は、国家である。
3 エスニック(Ethnic)は、同一の文化集団である。
4 ネイションは国家だから「国民」の特定ができるが、エスニックはその特定ができない。

いきなり、硬い話でごめんなさい。
けれど、実はこのことが、沖縄問題をはじめ、世界中の様々な混乱や紛争を引き起こしているのです。

「民族」を辞書で引くと、「人種的・地域的起源が同一または同一であると信じ、言語・宗教などの文化的伝統と、歴史的な運命を共有する人間の集団」と書かれています。
ところが実はこの「民族」という思想こそが、きわめて危険な思想です。
なぜなら「民族」は、どの人なのか特定も線引もできないからです。

血族なら、誰が親なのか証明が可能です。
昔はこれを「姓」と言ったわけで、「姓」というのは女性から生まれたという字です。
同じひとりの特定の女性から生まれた血縁集団が「姓」です。

氏族も、同じ素性を持った人たちですから、これまた証明が可能です。
甲斐の武田家の家臣団であれば、誰と誰と特定ができます。

ところが民族になると、早い話が先般、沖縄の翁長知事が国連までわざわざ出かけて行って、「琉球民族は日本民族とは異なる」などと発言してきましたが、では、その琉球民族とは誰のことなのか、この特定ができません。
沖縄県出身者という意味で言っているなら、東京にも大阪にも札幌にも福岡にも、沖縄県出身者はいます。

いま沖縄に住んでいる人という意味なら、本土から移り住んだ人や、選挙工作やデモのためにアルバイトで入り込んでいる左翼の工作員たちも琉球民族です。
もちろん先祖代々の沖縄出身の方もおいででしょうけれど、ではそういう方が本土の人と結婚したら、生まれた子供は琉球民族なのでしょうか、それとも大和民族なのでしょうか。

昔、朝鮮半島が日本の領土だった頃、朝鮮半島は支那大陸と陸続きですから、当時多くの朝鮮人が支那にいました。
彼らは華夷秩序思想によって、日頃支那人から馬鹿にされ続けていたのですが、その支那の王朝である清が日本との戦争で負け、朝鮮半島が日本に併合され、朝鮮人が日本人になると、俄然、彼らは自分たちは「日本人」であるからと、支那人たちに横柄な態度をとるようになり、一方で、支那人たちの家を襲ったり、女性を強姦したりしはじめました。

怒った支那人たちは、集団で朝鮮人狩りを始めるのですが、そうすると彼らは日本軍や日本人のもとに逃げ込む。
結果、日本人まで支那人たちから恨まれる・・・とこれが実は支那事変の引き金になっています。

一部の朝鮮人たちは、民族自決・朝鮮独立と称して、日本国内でテロ活動をしていましたが、その多くはただのやくざ者であり、欲望のままに日本国内で窃盗や強盗、強姦をする行為を「民族自決のための運動だ」と自己正当化していただけの連中です。
他の多くの朝鮮人は、日本の教育を受け、むしろ立派な日本人になろうと努力をしていたというのが実情ですし、日本人と結婚し、日本人として生まれた子供も、当時もたくさんいたわけです。

要するに「民族」と言い始めると、これは支那朝鮮や沖縄問題やアイヌ問題に限らず、これは世界の、たとえばウクライナ問題、シリア難民問題、ヨーロッパの火薬庫と呼ばれるバルカン半島問題、アフリカにおける各地の民族問題等々、実はその意味するところがきわめて曖昧であるがゆえに、結果として、血を見る激しい戦いや紛争を生んでいるのです。

さらに言いますと、「民族」という概念が、国家そのものを崩壊させたという過去の実績もあります。
米国の第28代大統領のウッドロウ・ウィルソンは、第一次世界大戦の末期の1918年に米議会で「十四か条の平和原則」を発表し、この中で「民族自決」を唱えました。

このときのウイルソンの「民族自決」は、敵対する国家(ドイツ帝国・オーストリア・ハンガリー帝国・オスマン帝国)等の領土解体を目論む発言だったのですが、このときの「民族自決」の語だけが拡大解釈され、朝鮮独立派や、満州国成立への反対派にいいように利用され、朝鮮人があちこちで反日工作を行ったり、日本国内でテロを仕掛ける温床となっています。

ちなみにウイルソン大統領の発言の5年後の関東大震災では、そうした朝鮮人民族自決派が、震災を契機として首都圏のあちこちで火付け盗賊をはたらき、結果として震災後の火災によって約10万5千人の死者をもたらしています。
この関東大震災については、以前にもお話しましたが、震災による一次被害による死者は1万人程度です。
それが10万人に拡大したのは、震災後の火災が原因ですが、震災そのものによる火災は、震災直後に大方鎮火しているのです。
それが、人々が避難所に非難したあとに、なぜかあちこちから出火しています。

いまの在日の「朝鮮民族派」の方々は、関東大震災によって朝鮮人6000人が殺されたと主張してはばかりませんが、自分たちの中の独立派が、日本人10万人を殺害しているのです。しかも殺されたという6000人の具体的根拠はありません。
日本は緻密な国なので、大規模震災等においても、死者の数は何人という一桁の単位まで正確に把握されています。
残念ながら、6000人の朝鮮人の名前の特定はできません。
できないということは、「なかった」といことです。
つまり、6000人殺害事件は、まるでお話にならないファンタジーでしかないということです。

さて、ウイルソンの「十四か条の平和原則」は、まったくウイルソンの予期しないところで、多くの命を奪ったわけですけれど、実はそれだけにとどまらず、いまでも世界各地のいわゆる「民族紛争」なるものは、ことごとくこの「民族自決」という思想が元です。

ちなみにこのときに、ウイルソンが述べた「民族自決」の意味するところは、ドイツ帝国やオーストリア・ハンガリー帝国・オスマン帝国など、複数の「ネイション(Nation・国家)」を併合した巨大帝国は、それぞれの国に分割せよという意味です。
実はここが非常にやっかいなことなのですが、日本語の「民族」という語の意味するものと、西欧における「Nation)」では、語彙が全然異なります。

もともと西洋社会はたいへんに暴力がさかんで、常に上か下かの競争と殺し合いが日常的、恒常的に発生し、一般の民衆が常に身の危険に晒されていたという歴史があります。
このため中世ヨーロッパでは、平均寿命も24〜5歳だったりしています。

こうした厳しい環境の中にあって、自分たちの身を守るために、すすんで王の庇護下にはいる。
王は民衆を守る義務があり、民衆はその見返りとして税を払う。
これが、王の主権のはじまりです。

王の庇護下にある領土領民を守るために、王は進んで主権者として他国と交戦するし、領土を広げ、あるいは植民地をなし、他国から金品を奪って自国の繁栄を図ります。
いいとか悪いとかではなくて、そうせざるを得なかった事情が、西欧社会の歴史にはあったのです。

こういう次第ですから、強い王の下には、いろいろな言語を話し、様々な血縁共同体があり、またときには宗教さえも、同じキリスト教徒とはいっても、カトリックとプロテスタントでは、まるっきり教義が異なるのですけれど、そうした宗教の壁さえも越えて、自分たちの安全をはかるために、様々な地域の様々な人たちがひとつの王のもとに集いました。

たとえばフランスの場合であれば、もともとフランス語を話したのはフランス北部に発生したフランク族だけです。
英語で「フランク(Frank)」といえば、率直といった意味いなりますが、映画『指輪物語』に出てくるエルフ族のように、王が髪の毛をロングヘアに伸ばし、他の者は後ろ髪を刈り上げるといった特徴のある格好をした一族がフランク族です。
このフランク族は民族ではなくて、複数の血族が集まった戦闘集団で、これが次第に勢力を伸ばし、オック語やピカルディ語、ブレイス語、アルザス語、フラマン語など、77種類もの異なる言語を話す人々の住むエリアを次々併合し、ブルボン王朝のルイ14世の時代に最大版図となったエリアが、いまのフランスです。
要するにフランスは「国家(Nation)」です。

これに対して、フランス国内にもともとあった77種類もの異なる言語を話す人々は「エスニック(Ethnic)」として区別されます。
ただし、エスニックは、きわめて曖昧なもので、早い話が日本人でフランスに住み、フランス語を流暢に話す人は、日本エスニックなのか、それともフランス・エスニックなのか。
逆に、深く日本を愛し、日本語を日本人以上に流暢に話し、日本文化への造詣が深く、日本国籍を持っているフランス人は、日本エスニックなのか、それともフランス・エスニックなのか。

要するにフランスに住んで、フランス国籍を持っていれば、フランス語を話せなくてもフランス人だというのは、ネイション(Nation)の考え方です。
フランスに住んでいて、フランス語を話しても、日本人は日本人だというのなら、それはエスニック(Ethnic)の考え方です。

しかし、そのエスニックたちが、当該国の内外で、独立運動や自決運動を始めたら、これはもう収拾がつきません。
国家(Nation)が解体してしまいます。


かつて満州国では「五族共和」が国家的スローガンになりました。これは「5つのエスニック(Ethnic)」がともに暮らす「国家(Nation)」という意味です。
「民族自決」ではなく、異なるエスニックが、一体となって平和に暮らせる国家(ネイション)を営もうとする意思と思想が、この言葉に込められています。

ところが日本語の「民族」という言葉は、このあたりの定義が非常に曖昧です。
満州国人(ネイション)という意味でも「民族」という語が使われるし、満洲国民であるモンゴル人(エスニック)という場合でも「民族」の語が使われます。
日本語における「民族」という語は、同族意識を持ち、同種の文化・伝統・慣習を有する人間集団として用いられる用語ですから、概念としてはきわめて曖昧なのです。

問題は、「エスニック(ethnic)」が、「民族自決」を言い出したときに生まれます。
たとえば冒頭のように沖縄の翁長知事が、わざわざ国連にまで出かけて行って、
「沖縄エスニックは、大和エスニックによって、意思に反して無理やり併呑されたのだ」
などと述べます。

日本語で聞くと、さももっともらしい言説に聞こえますが、これを英語圏などの西欧諸国の人が聞くと「?」マークが点滅しますし、本来の意味合いからすれば、意味不明です。
沖縄の人たちが「国家(Nation)」というのなら、彼らは、まごうことなき日本人であり、今現在日本の一部として政治的に一体となっています。

沖縄の人たちが「ethnic」というのなら、その「ethnic」ごとに国家が独立しなければならないのなら、フランスなどは、それこそ77カ国に分割しなければならないことになります。
アメリカ合州国のように、そもそも多民族共同体としてスタートした国家も解体せざるをえません。

日本にしても、会津人、鹿児島人、上州人、関西人、関東人など、それぞれに微妙に異なる文化・伝統・慣習を持っていますが、それらを異なる「エスニック」と考えるなら、それぞれが民族自決のための独立運動の対象となります。

もっといえば、武家と農家、商家では、文化・伝統・慣習が異なります。
さらに言うなら、お隣のお宅と、自分の家では、文化・伝統・慣習が異なるし、親子兄弟姉妹においても、それぞれに個性があって違いがあります。
要するに「ethnic」を言い出したら、きりがないのです。

きりがないということは、「琉球 ethnic」が、国家として独立主権や排他性を持とうとするということは、そもそも、どっからどこまでが「琉球 ethnic」を示すのかという定義さえも曖昧なわけですから、こうなると、もはや殺し合いと暴力によって、上下と支配を打ち立てるしかなくなってしまうのです。
定義ができないのです。

ですから、誰か「これが琉球 ethnic だ」と言い出す人がいて、その人が認める者が「琉球 ethnic」であり、そうでない者を排他するなら、血で血を洗う決着しか出来得なくなってしまうのです。
つまり、翁長知事のいう「琉球民族自決」というのは、実は、たいへんに暴力的で危険な思想であるということなのです。

「民族」というものが、血族を示す言葉であれば、「何親等までを血族とする」という線引も可能です。
あるいは氏族であれば、「◯◯家の人々」として特定できます。
けれど「ethnic」は、文化・伝統・慣習を同一にする人々という意味であって、特定ができないのです。

コリアンも同じです。
コリアンは、かなり血の密度が濃い人々であって、血族性の高い人たちであると言われますが、では、どこからどこまでがコリアン・エスニックなのかというと、これまた曖昧です。

もともとコリアンというのは、単一民族でもなんでもなくて、語族そのものが6種に別れ、民族的にも扶余系、濊族系、高句麗系、百済系、新羅系、済洲系と、まるでエスニックが異なる人々でした。
これを、ひとつの語族、ひとつの文化、慣習にまとめあげたのは、実は日本で、日本統治時代に、朝鮮における標準語を確立し、ハングルを日本が復活させ、服飾文化や住居文化、あるいは食文化なども、日本がひとつにまとめあげました。

それまで、朝鮮半島には李氏朝鮮王朝がありましたが、その李氏朝鮮王朝は、朝鮮半島内にある異なるエスニックの頂点に立って、エスニック相互の交流を分断することで、政権の安定を保っていたわけです。
これを日本は、彼らに朝鮮人としての誇りをもてるように、朝鮮半島の歴史が始まって以来、はじめて、朝鮮人という文化意識を彼らに植えつけたわけで、こうして生まれたのが、実は「朝鮮人」という民族です。

これを「民族」という用語で語ると、たいへんにわかりにくいですが、ネイションとエスニックに分けて考えると、たいへんにわかりやすくなります。
もともと朝鮮半島では、李氏というひとつのエスニックが、朝鮮半島内にある他の5つのエスニックを束ねて王朝(ネイション)を築いていました。

ところが朝鮮半島を併合した日本は、李氏朝鮮王朝を正統なネイションとして扱い、朝鮮半島にある異なるエスニックもまとめて、ひとつのエスニックとして統合しようとしました。
朝鮮半島がネイションではなく、日本ネイションの一部となったわけですから、日本はそのようにしたわけです。
こうして日本統治によってはじめて生まれたのが朝鮮エスニックです。

つまり、日本がやってくるまでは、朝鮮には、朝鮮エスニックは存在していないのです。
それまでの朝鮮半島は、さきほども述べましたように6つのエスニックが、ひとつのネイションに統合されたところだったのです。

その意味では、これは私の個人的見解ですけれど、日本の朝鮮統治は失敗したと思っています。
むしろ朝鮮は、ひとつのエスニックに統合するのではなく、半島を6つの県に分解して、それぞれのエスニックの文化を蘇生、復活させ、それぞれのエスニック毎に郷土愛を育むべきであったのではないかと思っています。

多くの日本人は、いまでも、このエスニックとネイションの区別がついていません。
「民族」という便利な用語で、エスニックとネイションの両方をひとまとめにしてしまっていることに安住し、エスニックの独立という言葉の持つ恐ろしさに気付いていません。

それどころか、「国家(Nation)は民族(ethnic)ごとに独立しなければならない」などと、まったく意味不明の論理のパラドックスの中に入り込んでいます。
この理屈は、戦前の朝鮮独立派の不逞朝鮮人のバカ者どもとまったく同じ発想にすぎません。

同じ会社で働くA君とB君が、それぞれエスニックを言い出したら会社組織は成立しません。
「お前とは生まれや出身や信仰や生活習慣が違うから、一緒に仕事ができない」などという、そんな主張を真に受けていたら、まともな経済活動など成立しません。
同様に、同じひとつのネイション(国家)の中にあって、互いにエスニックが異なるから一緒にやっていくことはできないなどと言い出したら、これまた国家など成立しえません。

日本語の「民族」には、ネイションという意味と、エスニックという意味の両方が内包されています。
このことを明確にしないで、ただ「民族」を言い出すのは、国家解体を唱えているのと同じことなのです。


※今日のお話は、新しい歴史教科書をつくる会主催「日本史検定講座」における、宮脇淳子先生、倉山満先生の講義をもとに、私なりに考えをまとめたものです。

2016/01/29(金)
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[緊急の通知] Amazoneプライムのお支払いにご指定のクレジットカード有効期限が切れています!

2018年12月25日 | 詐欺、迷惑、防犯、防災、危機管理
またもや詐欺メール。

差出人:Amazon.co <a00000022@b22.coreserver.jp>
件名:[緊急の通知] Amazoneプライムのお支払いにご指定のクレジットカード有効期限が切れています!

「あれ?期限切れてたっけ?」と思ったが、おかしいと思ったので良く見てみた。
Amazon(アマゾン)ではなく、Amazone(アマゾネ)となっている。
差出人も、a00000022@b22.coreserver.jpという妙なメールアドレスだ。

明らかに誘導詐欺メールである。

文面は下記の通り、こちらは一部、Amazon(アマゾン)になっている。
--------------------------------------
Amazonプライムをご利用頂きありがとうございます。お客様のAmazonプライム会員資格は、[2018-12-20]に更新を迎えます。お調べしたところ、会費のお支払いに使用できる有効なクレジットカードがアカウントに登録されていません。クレジットカード情報の更新、新しいクレジットカードの追加については以下の手順をご確認ください。

アカウントサービスからAmazoneプライム会員情報を管理するにアクセスします。
Amazonプライムに登録したAmazon.co.jpのアカウントを使用してサインインします。
左側に表示されている「現在の支払方法」の下にある「支払方法を変更する」のリンクをクリックします。
有効期限の更新または新しいクレジットカード情報を入力してください。

Amazonプライムを継続してご利用いただくために、会費のお支払いにご指定いただいたクレジットカードが使用できない場合は、アカウントに登録されている別のクレジットカードに会費を請求させて頂きます。会費の請求が出来ない場合は、お客様のAmazonプライム会員資格は失効し、特典をご利用できなくなります。

Amazon.co.jpカスタマーサービス

(この下に、別サイトへの誘導ボタンがある。リンク先は、aomszon.comという名前)
--------------------------------------
↓は実際の画面


(上は実際の画面、左上の画像はリンク切れしていた)

少しでもおかしいと感じたらリンク先をクリックしないこと。
クレジットが切れても買い物が出来なくなるだけで、それからの対処でも遅くは無い。
ともかく慌てないこと。信じないこと。反射的にクリックしないこと。

年末はこういうのも多いと思う。
気をつけてください!
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第37回東大阪市招待少年剣道大会(2018年12月23日)

2018年12月24日 | 剣道・剣術
弟子が出場するというので見に行った。
場所は東大阪市立東体育館。
新石切駅から旧170号線を南下、瓢箪山駅の手前である。
車は不便なのでバイク(スズキバンバン200)で行く。
厚着していったら暑かった。

お昼前に到着したら、小学生の部の準決勝をやっていた。
審判の眼で試合を見る。これは良い勉強になる。

中学生は午後1時15分から。女子は団体3人制。

残念ながら弟子のチームは中堅が体調不良でお休み。
それでも勝ち進み第3位になった。
試合慣れした相手に正剣で挑み勝ち進んだのは立派である。







小学生のレベルの高さには驚いた。
決勝のチームなど、いま自分が取り組んでいる攻め足探り足を当たり前のごとく行い、
そこから相手を引き出して打つ、あるいは返すという子も少なからずいる。
不用意に相手が打ってきても平然と構えられる度胸もすごい。
当たったとか当たらなかったを越えるレベルの剣風を小学生に見た。
いったいどういう指導をしているのだろうか?
子供の素質もあるが、その素質を引き出す指導があってのことだと思う。

弟子の試合のあと、体育館から5キロ離れた事務所で仕事。
暗くなって外に出てみたら小雨が降っていたので慌てて帰った。
12月の雨のバイクは風邪をひく。

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稽古納め(小野派一刀流長正館・2018年12月22日)

2018年12月23日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区中野中学校格技場にて、
長正館の小野派一刀流の定例稽古。
17時から19時まで。

16時過ぎに鍵を開け、T先生(居合道八段)と大太刀を稽古する。
17時から前半のみ打方(剣道形で言う打太刀)を務める。
途中で疲れが出たのか頭が空白になる。
形は身体で覚えているので、稽古不足や疲れで間違える。
こうなると考えても出てこない。痴呆の始まりでないことを望む。

以下、稽古の写真。
最後に稽古納めなので集合写真を撮る。


















【感想・反省点】

最近、一刀流の稽古量が減っていたので技量の低下を感じた。
気が緩むと構えそのものが崩れているのに気がつく。
基本となるべき体力と気力が継続しないのだ。



帰りに剣友を誘って3人で近くの焼肉店に行く。
しばし歓談。幕末の剣豪の話に花が咲く。
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なんば養正会で稽古(2018年12月21日)

2018年12月22日 | 剣道・剣術
場所は大阪は難波の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)。
なんば養正会。大人の稽古は19時~20時15分まで。
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なんば養正会のホームページ。(管理人は私です)
http://www.doujyo.net/youseikai/
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12月の2回目の稽古。これで月2回の自主目標は達成。
11月が1回不足しているので25日の稽古に出席したら辻褄は合う。
自主目標を作るのは自分の意思が弱いから。
なりゆきで過ごすとダラダラと無意味に過ごしてしまうから。

しかし事務所から1時間もかかってしまった。
難波までは早ければ30分である。事故渋滞と自然渋滞のせいである。
回り稽古から参加したかったが遅れてしまった。
参加者は30名に足りず。やや少なめ。


(着いたら基本稽古、回り稽古の終盤だった)


(稽古終了後、左側を写す)


(稽古終了後、中央を写す)


(稽古終了後、右側を写す)


(黙想)


【感想・反省点】

自由稽古(地稽古)で、9人と稽古。
昨夜(木曜会)からの課題「静かにゆっくり入る」を試してみる。
入ると必ず相手は何らかの反応をする。反応を待ってからでは遅い。
反応を待たずに打とうとすると自分勝手になってしまう。
入る速度を変えたり、距離を変えてみたり色々試すがよくわからない。

色を出さずに入って、自分が相手より先にいつでも打てる体勢となり、
そこから攻め始めて、相手の心が動くところを打つ・・という理屈はわかる。

わかるが、その加減がわからない。
私のやり方は、強引に入って、相手が反応したところを打つという方法。
この方法は低次元で、相手が上手(うわて)だと出頭を打たれたり返されたりする。

昨夜、師匠は、笑いながら「簡単やろ?」と言ってたがトンでも無い。

結局、途中でわからなくなってドタバタしてしまったが、
もう少し慎重にやってみようと思ったのが本日の稽古の反省である。
方向は間違っていないと思う。
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稽古納め(木曜会、2018年12月20日)

2018年12月21日 | 木曜会(誠先生の剣道教室)
四條畷市立四條畷西中学校の体育館。
20時から21時20分まで。今年43回目。
本日で今年の稽古納め。30名近く。

素振りから始まり、相面と返し胴の基本稽古に終る。
以下、なるほど!と思った部分を書き記す。
-------------------

--挨拶にて--
木曜会は基本の基本の基本を稽古する場。
高段者でも基本が出来ていない者は多い。

--素振り--
必ずしも竹刀の角度45度に振りかぶる必要は無い。
左拳を頭上まで上げると竹刀は水平以上まで行くものである。
それを左拳を頭上まで上げ、かつ45度に止めようとすると肘が曲がってしまう。
腕の角度は肘を途中で曲げないで構えたままの形で振り上げ振り下ろすこと。
45度にこだわるなら左拳は自分の額まで上げるに留める。
小指を緩めない(=小指を噛ます)こと。親指が伸びると小指が噛みやすい。

--切返し--
切返しの手と足が反対になる方を見かけるが「出して打つ」ように。
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前進時は、(右足)出して(振りかぶり)、(左足引きつけて)打つ。
後ろへは、(左足)出して(振りかぶり)、(右足引きつけて)打つ。
----------------------------------------
速く打つ時でも、頭が上下しないように。

--正面打ち--
体幹を意識して、近間から、大きく、ゆーーーくっりぃーと打つ。
速く打つのは誤魔化し易いので誰でも出来る。
体幹が出来ると遠くからでも打てるし打ちが外れることも無くなる。
右足は低空飛行で床を滑らし、最後の最後に上がる。

左足で送り出す。蹴っては駄目。蹴るのはスポーツ。
武道は送り出す。(参考=なんば歩き)

--足捌き(123の足さばき)--
123の3で右足に体重がかかっては駄目。
3で右足は自由に動かせる(遊ばせる)ように。
左足の位置が相手との距離である。打てる距離は左足でわかる。
ヒカガミを伸ばし左足で押す出すように。上半身は前かがみにならない。

12を強引に入ると相手に瞬時に悟られる。12は静かにゆったりと入る。
車で言う「空走距離(=反応までの時間)」をかせぐ。
壁のように静かに入ると相手は入ってきたことがわからず反応が遅れる。
攻めを効かそうとか、相手より速く入ろうとか思うと相手に悟られる。

--相面稽古--
いきなり交刃の間にならない。
切先が交わる間合をもっと意識すること。
右から入る者が多いが、少しでも右から入ると攻めは効かない。
相手の面金の中心を狙って真っすぐ入ると攻めが効く。
真っすぐ入ると自然と中心が取れる。右にずれると中心を取れない。

--返し胴--
123の、1で入り、2で捌き、3で打つ。
女性は2の足を大きくすると良い。
返すと言うより、鎬(しのぎ)を使って擦り上げるように。


(最初の素振りの稽古)


(右端は出稽古の方々)


【感想・反省点】

本日も、出来ていない部分、忘れていた部分を再認識できた。
来年もこの木曜会で基本に立ち戻り確認する稽古を続けようと思う。

---------------

稽古の開始前に構えの写真を撮ってみた。
構えは大事だが、夢中になるとつい崩れてしまう。
正しい構えをいつも意識して、出来るだけ崩れないようにしたいものだ。


(K芦先輩の構え、正面)


(K芦先輩の構え、左側面)


(K芦先輩の構え、右側面)


(私の構え、正面)


(私の構え、左側面)


(私の構え、右側面)

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長正館定例剣道稽古(2018年12月19日)

2018年12月20日 | 剣道・剣術
大阪市東住吉区の矢田中学校の体育館で19時半から。
----------------------------------------


【長正館練習生募集中】
初心者、経験者を問わず練習生募集中。
レベルに応じて個別指導を行います。
詳しくは長正館ホームページまで。
http://www.doujyo.net/choseikan/
----------------------------------------

先週と同じで早めの17時50分に出発したが、先週と同じく到着は18時10分。
東大阪から東住吉まで1時間20分もかかるのは異常である。
事務所近くの交差点では通過まで5回待ちの大渋滞だった。事故では無い。
景気が回復している兆候であれば良いことだが。。。

T君が久しぶりに来てくれた。
彼には「木刀による剣道基本技稽古法」を間違って教えてしまっていたので、
さっそく詫びて訂正した。ああスッキリした。指導者も間違えることがある。

K君はお休み。足を捻挫したらしい。
彼は1年に何回捻挫するのだろう。5回や6回ではない。
捻挫ばかりするのは足の運用を間違えているせいである。
剣道でしっかりと足の運用を学んで欲しいものだ。

参加人数は最初は10人、途中で2人参加で計12人。
初心者も熟練者も良い稽古が出来た。


(19時~19時半は自主的に剣道形稽古)


(いつも通り、F六段の号令で準備運動)


(素振りも手を抜かない)


(基本稽古はレベルに応じて指導のポイントを変える)


(井上館長に懸かるS田五段)


(井上館長に懸かるF六段)


(K川五段とC六段)


(後ろのほうでは初心者指導など)


(稽古終了)


(面越しの撮影)


(体育館の外に出ると流れの速い雲と月)


【感想・反省点】

TちゃんもT君も筋が良い。素直な子は伸びる。

K芦五段は稽古の合間に一生懸命素振りをやっているが、
右肩に故障があり、どうしても「右拳が額の上」という素振りになる。
故障した肩を承知して正しい剣道を行うにはどうしたら良いか。
これは本人と私の課題でもある。

若手のS田五段の面は速い。中途半端に攻め打ちして2本の面を打たれた。
引き出して胴に返すことは出来るが何とか面を打ってみたいものだ。
虚の部分では打てるが、実と実の勝負では打てない。

S口二段の面も速くなってきた。
相面では打ち負けることもある。数年前とは大違いである。

H尾二段は試合剣風だ。勝負勘もある。実力的には四段だと思う。
しかし崩し打ち、防ぎ打ちが多い。正剣を目指せば格段に強くなると思う。

自分的には、稽古の途中で構えの崩れを何度も感じて修正した。
心の乱れは構えの乱れ。打たれても、打ち損じても崩れてはならない。
そういう意味で反省の多い稽古だった。
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No.36(昭和61年11月14日)続き(まとめ)

2018年12月19日 | 長井長正範士の遺文


このように師弟一如の精神でなければならない。

昔からよく言われている。「玉は石で磨け」と言う言葉がある。
これは玉(指導者)は石(弟子)を指導する心掛けを言ったものである。
事実、砥石で宝石など磨いて一段と美しい輝きを放なすように、
師範も弟子を己の鑑として正しく真心を以って指導する時にこそ
始めて己れ自身も磨く事が出来るのである。
ここに師弟共々人間形成の道があるのである。

又、少年指導には「能面の作」と言うことを心掛けておくこと。
即ち能面を作る時、始めは荒けずりから始め、段々と細かく彫刻していく。
それを始めから細かく指導してゆくと少年は細かいことの諸作にとらわれ、
迷ってしまい、遂にいやになり折角剣道をやろうと思っている初心に傷つき止めてしまう。

又、止めなくても大成はしない。故に剣道は面白いものだ楽しいものだ、
大人になるまでずーっとやってやろうと言う気持を起こさせるよう導いてゆかなくてはならない。
之が為に少年を上手に指導する人を見ると、必ず先ずほめる。
そしてほめられた少年が心やわらいだ時、あとで一つか二つの欠点を矯正するのである。
然しこの場合、三つ以上の矯正はいけない。

あれもこれもと矯正されると迷い、いやになるからである。
こんな指導はやらない事。下手な指導者はほめるどころか真っ先に怒鳴っている。
そして余り怒ったので、あとでなぐさめに一寸ほめる人がある。
この指導者は落第である。

○少年剣道については特に足の踏み方を重視すること。
足の踏み方が手の動きの基本であることを忘れてはならない。
即ち手と足とが、いつも一致していること。剣道は一足一刀だから手で打つより、
足の動き方、足の踏み方をしっかり教えること。

○今の剣道はやりっ放し、打ちっ放しである。
即ち残心のない槍(やり)っ放しと言って、これはいけない。
槍でもただ突くだけでなく、突き、くり込むのである。
このように打突の後の残心が大切である。

○心身の鍛錬については№6に述べたが尚補足しておきたい。
相手を打った時には、手の内をしめ、血液が瞬間に止まる。そしてサッと流れる。
これが身体のたんれんにつながるのである。
ぐっと手を握りしめて、パッと開くと手の内が白くなる。
これは血が止まっている。ここが大切である。
今度は手を開いてぐっと力を入れると赤く充血する。
これが手の内のよく出来た人と言える。
(手の内の打った時の項は№23にあり重複するが大切也)

○柔よく剛を制す。と言うことについて。
今はもう昔話になるが曽て(かって)二十代の横綱大鵬が
麒麟児を手の力を抜いて軽くあしらっているのをテレビで観たが、
あの柔らかい手の内で強引にくる相手を軽くあしらっている。

剣道もああなければならないと二十代の大鵬に教えられた。
そして又一刀流の「上段之霞」(高霞)で、
打方が剛でくるところを仕方は柔の心を切先に含めこれを引張る心で後へ受け入れ、
打方の技の尽きて弱まった所を遂に剛に出て勝つ。
これが竹刀剣道で大切であることを自覚した。
(この上段之霞)は「一刀流極意」書の141頁~143頁にわたり詳細に解説されてます。)
◎相手が力を入れて来た時の扱い方が大切である。
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剣道の素振りについての雑感あれこれ。

2018年12月18日 | 剣道・剣術
先日、剣道稽古の帰りに弟子から質問を受けた。
「先生、家で素振りをするんですが、竹刀を2本握ってする素振りと、
重りを竹刀に付けてする素振りとどちらが良いですか?」という内容。

実は両方ともあまり経験した事が無いので自信のある回答は出来なかった。

2本の竹刀を一緒に振るのは太過ぎて手の内が変わると思う。
先だけ重いものを振るのは振る時のバランスが狂うと思う。
思うが実際はどうかわからない。
「素振りは振り負けない程度のものを振ると良い」とだけ答えた。

実は自宅には素振り用の木刀が3種類ある。
八角型、櫂型、太くて長いもの(小次郎型?)。
強くなりたいと毎晩庭に出て振っていた頃もあったが長続きしない。
いつも使う竹刀とかけ離れているので違和感もある。

重い物を振ったほうが良いという意見と、
軽い物をブレないように速く振ったほうが良いという意見がある。
どちらも正しいと思う。

剣道は腕力で行うわけでは無いので腕力だけ鍛えても意味は無い。
腕力を付けるとスピードが遅くなるということも良く聞く話だ。

仕事柄、時折り素振り用の木刀を頼まれて作ることもある。
特注品で、5キロ前後の六角型の依頼が多かったが、
一番重いものは10キロの角型木刀で重さは10キロをはるかに越えていた。
170センチもあり、これはさすがに柄を握って持ち上げ構えることが出来ない。


(とんぼ堂で製作した素振り用の特大木刀のメモ)


(同じ時期に製作した六角形タイプのメモ)


(上の実物写真)

しかしながら道具に凝っても仕方が無いと思う。
何万円もする異常な重さの素振り用木刀を作るなら、
ホームセンターで売っている角材や鋼材を振れば良いのだ。

弟子に言った「振り負けない」は大事なことだと思う。
振り負ける重さのものを振るとどこかに無理が生じてしまう。
私も二刀をやっていた時に、暇があれば片手で重い小太刀を振り続け、
いわゆる「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」になって1年近く苦しんだことがある。
無理をして良いことは何も無い。

経験上、ほんの少し負荷をかけるのが良いと思う。
物は、いつも使っている竹刀に近い形状が一番良いのでは無いだろうか?

11月29日の木曜会(誠先生の剣道教室)で面白いものを見せてもらった。
トレーニング関係の仕事をしているらしいK川さんが持ってきたもので、竹刀の先に、
適当に切り取ったホワイトボードをタイラップ(結束バンド)で縛り付けてあるだけ。


(三角形のボードを取り付けたもの)


(少し大きな四角形のボードを取り付けたもの)


(風の抵抗で刃筋が狂うと真っすぐに振れない)

予想外の抵抗があって、連続して素振りするとけっこう疲れる。
そして少しでも刃筋が狂うと真っすぐに振れないので手の内の修正にもなる。

さっそく、余っている竹刀に、廃材のダンボールを付けてみた。
廃材利用で少し小さめだが立派に抵抗になっている。
ボードの位置や大きさ、形を変えてみると素振りの効果も変わると思う。


(37の竹刀に硬めのダンボールをタイラップで止めてみた)


(タイラップは、竹刀側で止めると固定しやすい)


(裏側はこんな感じ)

素振りについては随分ながい間、いい加減にしてきたし、
いまも一生懸命やっているわけでは無いので偉そうなことは言えない。

紹介すると、自分がやっている素振りは、家の中で振れる短い木刀
(全長65センチ、重さ560グラム、一刀流木刀の折れた物を再利用)を使って、
足幅大きく、体幹や体軸がブレないように、大きく振り上げ振り下ろす前進後退の素振りである。
摺りかぶりの素振りとともに回数は多くない。思い出したように時々するだけ。しない時もある。

師匠からは「八段目指すなら毎日200本」とは言われている。
まったく出来ていないのは、自分の心の弱さなのである。

だから素振りについては雑感に留めておく。
何かの参考になれば幸いである。
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長正館、月例稽古(2018年12月16日)

2018年12月17日 | 剣道・剣術
長正館の月2回の日曜稽古。通称「月例稽古」。
出稽古大歓迎の自由な稽古の日である。
東住吉区湯里小学校の体育館で17時から一刀流。
18時半から剣道稽古。

18時~18時半に初稽古に来る5才の男の子、風邪気味らしくお休み。
お母さんに「暖かくなってから、ぼちぼちはじめたらいいですよ」
とメールしておいた。寒い時に剣道を始めてイヤになっても仕方が無い。


(5才児が、いつ来ても良いように小さい竹刀を作った)
(長さは82センチ)

17時から一刀流の稽古。
月例稽古の一刀流の稽古は大太刀以外をすることにする。
いつも刃引なので、今回は、払捨刀と高上極意五点。
いずれは小太刀と相小太刀、その他を加えたいと考えている。
もちろん場所は空いているので剣道の人は剣道形をしても差し支えは無い。

18時半から剣道稽古。月例稽古では基本稽古はしない。
19時半で一度様子を見て、19時50分までの自由稽古とした。

剣道稽古は全部で12名。
長正館8名と出稽古4名だった。








(92才にかかる14才)


(60代、五段同士の死闘)


(若干剣先が高い)


(そこから一歩入るが、上半身に力が入り半身に成り過ぎる)






(毎回来てくれるI井親子、そっくりなのがビックリ!)


【感想・反省点】

最後にF本六段と稽古をしたが、お互いに有効打突が出ない。
一足一刀の間から一歩踏み出しながら打ち込むが、
試合巧者のF本六段は避けながら下がるのである。

打ちこまれて下がるのは審査ではマイナスだが試合では有効である。
下がる相手に師匠なら変化をつけての連続技で仕留めるが、
私の連続技は単調な面しか無いので簡単に避けられてしまう。

崩そうとすると崩れてしまう。
ああ難しい。
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