キューピーヘアーのたらたら日記

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ドンファン (その8)

2008-06-12 15:31:54 | 私が作者です
翌日の職員会議で、良子は自分の心情をみんなの前でぶちまけた。

自分は巻き込まれている。

スーパーヴァイズされる必要がある。

今の自己不一致な自分では、他人の心のケアにあたれない。

プロとして客観的にそう判断したからだ。


一ヶ月前に周君から告白されたこと。

自分の中で周君に対する愛情が芽生えたこと。

周君と優子が付き合い始めたこと。

それに対して心の動揺を抑えることが出来ないこと。

夜、眠れなくなり、胸が痛く張り裂けそうで苦しいこと。

それらを全部さらけだした。

話しながら、ここでもまた涙した。


所長は良子に、しばらく電話対応の業務にまわって、

メンバーさんたちとはあまり交わらないように、

そして、周には自分からキツくお灸をすえる、と言った。

良子は「自分が説教してやりますっ。」と言い張ったが

「だめだ!」と一蹴されてしまった。

それもそうだ。単なる痴話喧嘩になってしまう。


次に所長が取った策は、周君の再就職だった。

本人の希望はWEBデザイナーだったが、

所長が紹介した就職先は木工所の工員だった。

「最低賃金がもらえるだけ感謝しろっ。」

と所長が周君に言い含めているのを

良子は遠くで聞いていた。

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