『SAKURA』 written by Kewpie
序幕
旧制高等学校の校庭
遠藤&澄江:わあ~~~~~~!!!!
上手より澄江に手を引っ張られた遠藤が舞台を駆け回って一緒に下手に下がる。
遠藤は学生服。手には卒業証書の入った筒。
澄江は袴姿。
間を置いて、下手よりまた、
遠藤&澄江:わあ~~~~~~!!!!
と二人が舞台を駆け回る。
やがて舞台中央で息をハアハアとつく二人。
澄江:ほら、桜です!!
客席後方を指さす澄江。
澄江の指す方を見る遠藤。
遠藤:はあ?
澄江:遠藤小吉級長!いえ、将来の陸軍大将!
桜の木でございます。
遠藤:はあ?なこと分かるよ。
お前、頭イカれてるんじゃないか?
桜の花なんかどこにも咲いてないじゃないか。
3月だぞ、今。
澄江:花ではなく木です。
木をしかと見ればおのずと花も見えてきます!
今、矢崎二等女学生のの目には満開の桜が見えております!
遠藤:澄江、お前、前からおかしいと思っていたが…。
とうとう脳に来たか。
で、花なんか想像してどーすんだよ。
澄江:遠藤小吉未来の陸軍大将!
私の桜の木になってください!
遠藤:意味わかんねーし。
澄江:私は女学校卒業後、芸者になります。
遠藤:おう、妾の子。
お前の父親は有力な政治家なんだろう?
それで女学校にも行かせてもらえたんだろう?
なら、父親のコネでどこでも好きなとこに就職できんじゃねーか。
澄江:現実はそんなに甘くありません。
これは母が決めたことです。
一流の芸者になれ、と言われて育ちました。
それに父は昨日、失脚してしまいました。
軍部に楯突いたとかで、詳しいことは聞かされていませんが…。
もう父を頼ることはできないそうです。
遠藤:そうか、失脚かあ。
俺、密かに尊敬していたのになあ。
澄江:父をご存知なのですか?
遠藤:知るも知らぬも、有名じゃんか、お前んち。
郷土が生んだ偉大な政治家、
の妾腹。
で、何だい?用事は。
桜だけじゃないんだろう?
澄江:はい。
ごくりと息を呑み込む澄江。
遠藤:何だい?
澄江:私の操をもらってください!
お願いします。
遠藤:そうか、みさおくんがどーかしたのかな?
み、みさおっ!?
迂闊なこと口にするもんじゃないよ!
こんなとこ憲兵にでも見られたらどーすんだよ。
男女が二人きりでいるだけでもヤバイのに、
操のやり取りをしていたなんて知れたら、半殺しもんだぞ!
澄江:お願いしますう。
遠藤にすがりつく澄江。
澄江:お願いします。
母は私を売ったお金を当て込んで、昨日から賭場通いを始めました。
好きな男に抱かれる喜びを知らぬまま、
どこぞの男の慰みものになるのは嫌でございます。
遠藤:ええい、くっつくな!
なら、芸者になるのをやめればいい。
澄江:それは母が決めたこと。
あの鬼のような母には逆らえません。
遠藤:だめなものはだめだ!
遠藤、澄江を突き飛ばす。
澄江:この草食系!!!
握りしめた右の拳を開く澄江。
澄江:あ、ボタンが取れてしまいました。
未来の陸軍大将の第二ボタンが…。
遠藤:え?
遠藤、学生服の下から探って、
遠藤:第一、第二、あるぞ。
澄江:ボタンは上から数えるもの。
遠藤:第一、第二、あ、ない。
ん~なものくれてやる。
だから、今日は何もなかったことにしてくれ。
ウウウウウウウウウウウとサイレンが鳴る。
遠藤:空襲警報だっ!防空壕へ!!
澄江:しめた、チャンスだ。誰もいない私の家で!
遠藤:いいから、防空壕へ。
澄江:お情けを~~。
遠藤:防空壕へ!
澄江:お情けを~~。
暗転
序幕
旧制高等学校の校庭
遠藤&澄江:わあ~~~~~~!!!!
上手より澄江に手を引っ張られた遠藤が舞台を駆け回って一緒に下手に下がる。
遠藤は学生服。手には卒業証書の入った筒。
澄江は袴姿。
間を置いて、下手よりまた、
遠藤&澄江:わあ~~~~~~!!!!
と二人が舞台を駆け回る。
やがて舞台中央で息をハアハアとつく二人。
澄江:ほら、桜です!!
客席後方を指さす澄江。
澄江の指す方を見る遠藤。
遠藤:はあ?
澄江:遠藤小吉級長!いえ、将来の陸軍大将!
桜の木でございます。
遠藤:はあ?なこと分かるよ。
お前、頭イカれてるんじゃないか?
桜の花なんかどこにも咲いてないじゃないか。
3月だぞ、今。
澄江:花ではなく木です。
木をしかと見ればおのずと花も見えてきます!
今、矢崎二等女学生のの目には満開の桜が見えております!
遠藤:澄江、お前、前からおかしいと思っていたが…。
とうとう脳に来たか。
で、花なんか想像してどーすんだよ。
澄江:遠藤小吉未来の陸軍大将!
私の桜の木になってください!
遠藤:意味わかんねーし。
澄江:私は女学校卒業後、芸者になります。
遠藤:おう、妾の子。
お前の父親は有力な政治家なんだろう?
それで女学校にも行かせてもらえたんだろう?
なら、父親のコネでどこでも好きなとこに就職できんじゃねーか。
澄江:現実はそんなに甘くありません。
これは母が決めたことです。
一流の芸者になれ、と言われて育ちました。
それに父は昨日、失脚してしまいました。
軍部に楯突いたとかで、詳しいことは聞かされていませんが…。
もう父を頼ることはできないそうです。
遠藤:そうか、失脚かあ。
俺、密かに尊敬していたのになあ。
澄江:父をご存知なのですか?
遠藤:知るも知らぬも、有名じゃんか、お前んち。
郷土が生んだ偉大な政治家、
の妾腹。
で、何だい?用事は。
桜だけじゃないんだろう?
澄江:はい。
ごくりと息を呑み込む澄江。
遠藤:何だい?
澄江:私の操をもらってください!
お願いします。
遠藤:そうか、みさおくんがどーかしたのかな?
み、みさおっ!?
迂闊なこと口にするもんじゃないよ!
こんなとこ憲兵にでも見られたらどーすんだよ。
男女が二人きりでいるだけでもヤバイのに、
操のやり取りをしていたなんて知れたら、半殺しもんだぞ!
澄江:お願いしますう。
遠藤にすがりつく澄江。
澄江:お願いします。
母は私を売ったお金を当て込んで、昨日から賭場通いを始めました。
好きな男に抱かれる喜びを知らぬまま、
どこぞの男の慰みものになるのは嫌でございます。
遠藤:ええい、くっつくな!
なら、芸者になるのをやめればいい。
澄江:それは母が決めたこと。
あの鬼のような母には逆らえません。
遠藤:だめなものはだめだ!
遠藤、澄江を突き飛ばす。
澄江:この草食系!!!
握りしめた右の拳を開く澄江。
澄江:あ、ボタンが取れてしまいました。
未来の陸軍大将の第二ボタンが…。
遠藤:え?
遠藤、学生服の下から探って、
遠藤:第一、第二、あるぞ。
澄江:ボタンは上から数えるもの。
遠藤:第一、第二、あ、ない。
ん~なものくれてやる。
だから、今日は何もなかったことにしてくれ。
ウウウウウウウウウウウとサイレンが鳴る。
遠藤:空襲警報だっ!防空壕へ!!
澄江:しめた、チャンスだ。誰もいない私の家で!
遠藤:いいから、防空壕へ。
澄江:お情けを~~。
遠藤:防空壕へ!
澄江:お情けを~~。
暗転
これを女性ばかりで演じるわけ?
「操」→「バージン」でいいかもしれないけど、これを放送大学で発表するわけ?
oh-oh! ちっとばかり蛮勇が必要じゃ?
きゃっ