キューピーヘアーのたらたら日記

ガンバレ日本!!!TB&コメント大歓迎♪

『SAKURA』 第一幕-1

2011-04-09 19:46:16 | 私が作者です
第一幕-1


警察庁内ICPO日本支部事務所

うす暗い部屋の中でアメリカ人の刑事が一人PCに向い仕事をしている。

そこへ若いこれまたアメリカ人の刑事がバタバタと入ってくる。


ボブ:ボス、ボス。大変です。

ボス:何だバタバタと。少しは落ち着け、ボブ。

   日本人に馬鹿にされるぞ。

ボブ:たった今、FBIから情報が入りました。

   ウィキリークス社のジュリアン・アサンジュ氏がShoukichiとコンタクトを

   取りたがっているそうです。

ボス:ふん、そんなことは想定内だ。

ボブ:何をそんなに落ち着いていられるんです。

   我々がShoukichiを逮捕する前にウィキリークスとShoukichiが手を組めば

   世界は大変なことに!

ボス:まあ、落ち着け。

   今から24年前、CIAのメインコンピュータに何者かが侵入。

   機密文書の「レーガン大統領」と記載されているところを「Shoukichi大統領」

   と書き換えて去っていった。

   以来、毎年のように各国政府の機密文書の国家元首の名を

   Shoukichiと書き換え続けたハッカーの世界では伝説の人物。

   証拠を何も残さない鮮やかな手口はまさに神ワザ。

   我々も手をこまねいておとなしくしているしかなかった。

   それがだ、遂にボロを出しやがった。

   先月、日本外務省のコンピュータに誰かが侵入。

   「鳩山首相」と記載されている所を「遠藤首相」と書き換えて出て行った。

   我々は手口が同じであることからShoukichiと同一犯と断定、

   世界中のインターネットユーザーを「Shoukichi Endou」で検索をかけたところ、

   日本に同姓同名の者が18名。

   そこから先は早かったな。

   しかし、84才の老人とは…。

ボブ:84才とは言っても侮れませんよ~。

   何しろ1976年発売のマイコンキット時代からのマニアですからねえ。

ボス:外務省不正アクセス事件はまだ外部には漏らしてはいない。

   だが時間の問題だ。外務省もいつまでも内密にしてはいられない。

   今のうちだ。遠藤小吉を別件で逮捕しろっ。

   何を落ち着いてやがる!


ボス、足でデスクを蹴る。


ボブ:は、はいっ!

ボス:さっさと捜査しろっ!叩け!とにかく叩くんだ!

   叩けば必ず埃が出てくる!急げ!

ボブ:はいっ!


ボブがブツブツ言いながら部屋を出ていく。
   

ボブ:まったく、落ち着けと言ったかと思うと落ち着くなだ。

ボス:なんか言ったか?

   ……

   今頃ボロをだすなんて、

   Shoukichiは逮捕されたがっているのか?


暗転

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『SAKURA』 序幕 | トップ | 『SAKURA』 第一幕-2 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

私が作者です」カテゴリの最新記事