恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

11.美人局 3

2007年03月01日 | 美人局
 幸一は、金が有り余っていた。
 仕事が軌道に乗っていた。父が歯科医で私も歯科医になり患者も多かった。
 金は、腐るほどあるのだが、ただ一つ難点をあげれば彼女がいなかった。周りは歯科助手など美人が多いが、どうせ金目当てだと思うとやる気がおきなかった。
 そんなある時、BARで黒服の男と出会った。
 私が飲んでいると、足音も立てずに近寄ってきて、「お一人ですか?」と聞いてきた。私は女性の事で苛立っていたので、飲んだ勢いで「一人で悪いかよ。」と怒鳴ってしまった。
 「いい男が台無しですね。私どもがふさわしい女性を探してあげましょうか。」と言って、美人局の話しをしてきた。
 好みの女性とつき合わせてあげる代わりに、私どもに手数料として100万円もらうという事だった。
 酒の勢いで「やってやろうじゃないか。」と受けてしまった。彼女が出来るなら100万円なら安いものだと思って、ゲーム感覚で遊びのつもりでやる事にした。
 次の日、その女性は、よく行くデパートがあるらしく、そこで待っていたら、サインを出すので、ちゃんと見落とさず出来たら、成功するという事だった。
 待つ事10分くらいだが、女性は来そうになかった。
 その時私の携帯がなった。
 「売り場が違った。日用雑貨品のコーナーに変更だ。」と言って電話が切れた。 私は、仕方なく行って見ると、胸を出して足がスラッとした女性がキョロキョロと見渡していた。確かに私の好みの女性だった。
 私が近寄ると、女性は商品を取って下さいと言った。
 私は取ってあげると、シナリオ通りの下手な台詞を口にする。
 「美人の頼みなら断れませんね。」
 その後に、女性は「うれしい。」と呟いた。私もまんざらではないなと思った。
 こんな美人が私のものになるかと思うとかなりうれしかった。
 だけど、初対面でふっくらとした胸に私の腕を押しすぎじゃないかと思っていた。
 
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