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世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

10.美人局 2

2007年02月12日 | 美人局
 男を騙すには相応しくない格好だと言われて、黒服の男から服を買ってもらった。
 胸を強調している白のワンピースだった。黒の下着が透けていて、恥ずかしかったが、男を騙すには恥ずかしがってはいい仕事は出来ないと感じた。
 ただ、騙す男が妖艶でしかも純な人が好きだという難しい情報が入ってきた。だから私は純で妖艶な服装を心がけないといけないのだ。
 純のわりに胸を出すのはどうかと思った。
 紺色のジーンズにそのワンピースを着て男を待った。
 前日にシナリオを渡されてこの通りにすれば何でもうまくいくという事だった。
 シナリオは、まず私が騙す男がよく行くデパートで待っていて、男を見つけて、高い所にある商品を取ってもらい、お礼にご飯を奢るという内容だった。
 そんなに簡単にうまくいくのだろうかと疑心暗鬼だった。
 黒服の男は、「大丈夫だ。騙す男は女たらしだからうまくいく。」と呟いた。
 女たらしなら他にも道があるのではないだろうかと疑問がよぎった。
 待つ事約20分、時間通りではないが、シナリオ通りにデパートへ男が来た。写真で見るより背が高くモデルの様にいい男だった。
 ケンジとはるくらいホストになって稼げるような顔つきだった。
 男が近づいて来た。私は、高い所にある商品を指差した。
 「すいません。取ってもらえませんか?」指先にあったものはトイレットペーパーだった。
 「これですか。もちろん。美人の頼みは断れませんね。」笑顔で白い歯が輝いていた。何なのこれは。こんなにいい男を私が相手に出来る筈がなかった。
 黒服の男は言った「シナリオ通りにすればうまくいく」。
 そうだ。シナリオ通りにすれば私は借金を返せるのだ。次は何だったかなと考えていると、男が商品を取ってくれた。
 「ありがとう。お礼にご飯でも食べない?」下手な台詞を妖艶に思わせぶりな態度で、私なりに演じてみたが、うまくいっただろうか。
 「美人の頼みとあれば断れませんね。」ヤッター。うまくいった。こんなに簡単に行くとは夢にも思わなかった。
 こんなにいい男を相手にして借金を返せるなんて、私が払ってもいいくらいだった。それじゃ意味がないと思うと、初心にかえって、上目使いで見て、猫の様にクネクネと体をくねらせて私は彼の腕をFカップの胸に挟んで掴んだ。
 「うれしい。」男は苦笑いをしていた。別に何をしてもいい。抱かれてもいいと秘かに思っていた。
 
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