M・フリーマンの静かな語りから始まるこの映画
劇場のスピーカーの音が少し小さいかな?と思うほど静かに淡々と語るその口調はこれから始まる劇的なドラマを静かに観客に語りかけるかのよう・・・
前半は女ボクサーのマギーがどんどん勝ち進み、頭角を現し貧困な生活から抜け出しやがて世界王者に挑戦というサクセスストーリーが描かれるが、そのさなかフランキーとマギーとの関係が師弟から父と娘のような関係へと描写が変わっていく。
フランキーには疎遠になった娘が居り、またマギーにも故郷に家族がいるが愛情の温度差を感じている・・・そんな二人がボクシングを通じて親子のような情愛を無意識に感じていく描き方を淡々と描いていくところはさすがにうまいね
また、単にサクセスストーリーの話でないところがこの作品の非凡な所と言うか、奥深いところであります。
むしろ後半の展開こそ二人の親子のような関係が色濃く描かれ、この作品の大きなポイントとなるとこです(ま、これ以上言えませんが・・・)
また押さえたイーストウッドと淡々としたフリーマンの芝居は名優と知りつつも改めてこの二人はやはり上手い!と感じさす。
イーストウッドとフリーマンの二人のやりとりのシーンは熟練の役者の年輪を感じさせるような空気が何とも味わい深く画面を漂わせている
ヒラリー・スワンクも心に影がありそれを内に秘めた女ボクサー マギーを体当たりで(試合のシーンはスタントなしだって)演じており、やはりこの人もうまいね(オスカー受賞の「ボーイズドントクライ」以降あまり大きな役なかったけど ちなみに元「ベストキッド4」の姉ちゃんです)
アカデミー賞主要4部門受賞そのすべてが納得の心に染みる良い映画です
★★★★★ 2005.6.2 千日前国際劇場