MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

「太秦ライムライト」

2019-05-02 13:15:41 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)




CSで鑑賞
この映画は劇場で見たかった

時代と共に衰退する時代劇と消えつつある切られ役の役者達の姿を新進女優とベテラン切られ役に照らし合わさて描かれる秀作
どことなくチャップリンのライムライトと被さる設定なんですが、消えて行くものと新たなに脚光を浴びるもののコントラストが切ないのが共通しています

今の時代劇の立ち位置がよくわかりますね
たまに時代劇作られたら生意気なアイドル主演で時代考証もズタズタでチョンマゲの代わりに連獅子見たいな風貌になってる
しかも刀は刃が無く柄のみで刃は後でCGで足すと言うへっぽこ殺陣
昔気質の役者が顔しかめるのもわかりますね
新進女優演じる山本千尋と福本清三が殺陣の稽古をするシーンが何度か出るがルークとオビワン見たいに見えてきた(笑)

時代劇映画やドラマが無くなり、残された古株の切られ役者は映画村のチャンバラショーに駆り出されるって凄いリアリティがあって時代の変化を痛切に感じます

それで主演の福本清三の無骨な中の優しさがあり、この人の人柄が出てるかも知れないですね
この役自体が素で出来てるような感じ…いい味だしてます
大御所の松方弘樹との立ち回りの撮影シーンでカメラ回る前に大御所を挑発する場面は自ら奮い立たす事もあるだろうが、立ち回りと言う名の真剣勝負の凄みが感じられ、自らのラストファイトに気合いを入れてる可能性ようです
そして見事な切られっぷりがこの作品の光と陰を体現されてるかのようで、美しくも神々しくて切ない…見事な幕切れです
まさに時代劇役者の今を描いた京都の映画人達の心意気が感じらる映画でした