私はあまり知らなかったが、トイカメラのブームというのがあったらしい。正当派の私?には、カメラとは質実剛健で、信頼性のおけるもの、という古い思想がある。
トイ→玩具→いい加減 という一般的構図が頭に浮かんで、敬遠してた部分があるのだが、作例を見る機会があり、ちょっと興味が沸いたので、使ってみることにした。
ロシア製、LOMO LC-A。これを選んだ。現在はLC-A+(中国製)として復活しているらしいが、私が購入したのはウィーンのデッドストックの分だ。
もう入手できないので、思い切って2台注文したが、驚いたことに紙に包まれて送られてきて、開けてみると塗装が剥がれて粉が吹いている。
そして2台を比べてみると、まずフィルムカウンターのパーツが違う、そしてファインダー内に、ひとつはブライトフレームと距離を示す針があるのに、もうひとつはフレームと針もなかっ
た。
販売店に電話で聞いてみたら、そういうものらしい。塗装も最初から剥げているし、皮も剥がれそうだし・・・妙に納得してしまった。
露出を外すと厳しいかなと思ったが、一応リバーサルを入れて撮影してみた。上がってきたポジをコンタックスT2のポジと同時に見たのが悪かったのかもしれないが、あまりにもコントラス
トが低い。
それに完全に露出が外れて写っていないのもあるし、これはちょっと使えないカメラだな、お蔵行きか・・・と思ったが、薄いながらも発色のあるポジをフィルムスキャナでPCに取り込んで
みた。
それが今回の一連の写真だ。いざ取り込んでみると、見方によってはたしかに、趣があるのかもしれない。
というわけで、お蔵入りにならずに、もう少し使ってみることにした。でも今度は普通のポジフィルムの方がよいかもしれないな。
撮影場所は、大阪ミナミ周辺、グランド花月の付近。
カメラ自体は小さいので、手のひらに入れて持って歩き、思いついたところでシャッターを押せばいい。あっそうそう、距離だけは合わせておかないと。でも街中スナップにはちょうどよい。