◆奈良県平群町常念寺のきのこを描いた鬼瓦
種坂英次 日本きのこ学会Vol.13(2) 2005
(論文要旨からの抜粋)
奈良県北西部、矢田丘陵西麓に位置する平群町大字椿井小字峯堂に融通念仏宗、常念寺がある。
本堂に隣接して方形造りの地蔵堂があり、宝珠をのせた屋根中央からのびる4列の隅棟のうち、南東隅棟の鬼瓦には成熟過程の異なる3本のきのこが浮き彫りされている。
成熟子実体および若い子実体の傘は開いているが、傘中央はまんじゅう形にふくらみ、縁部はやや内方に巻いている。
柄は上下ほぼ同径で、下方に向かって細まることはない。
傘と柄の表面には、繊維状鱗片を思わせる細かい線刻が密に施されている。
以上の形態的特徴から、この鬼瓦は矢田丘陵西麓に点在する集落において古くから貴重な現金収入となっていたマツタケを描いたものと考えられる。
種坂英次 日本きのこ学会Vol.13(2) 2005
(論文要旨からの抜粋)
奈良県北西部、矢田丘陵西麓に位置する平群町大字椿井小字峯堂に融通念仏宗、常念寺がある。
本堂に隣接して方形造りの地蔵堂があり、宝珠をのせた屋根中央からのびる4列の隅棟のうち、南東隅棟の鬼瓦には成熟過程の異なる3本のきのこが浮き彫りされている。
成熟子実体および若い子実体の傘は開いているが、傘中央はまんじゅう形にふくらみ、縁部はやや内方に巻いている。
柄は上下ほぼ同径で、下方に向かって細まることはない。
傘と柄の表面には、繊維状鱗片を思わせる細かい線刻が密に施されている。
以上の形態的特徴から、この鬼瓦は矢田丘陵西麓に点在する集落において古くから貴重な現金収入となっていたマツタケを描いたものと考えられる。