カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

やっぱり一夜の恋は必要だ   ロイヤル・ナイト 英国王女秘密の外出

2018-05-18 | 映画

ロイヤル・ナイト 英国王女秘密の外出/ジュリアン・ジャロルド監督

 1945年の5月9日は、ヨーロッパでは、ドイツが降伏したことを受けての戦勝記念日になっているらしい。まさにその当日勝利に沸き立つ市民の中に、英国王室の娘であるエリザベスとマーガレットは外出を許されることになった。そのような史実をもとに膨らませたロマンチック・コメディーである。
 まず当然思い出されるのは「ローマの休日」だろう。一国の王女が内密に外出するとどうなるか。どこの国もセキュリティの関係もあるので仕方無いことなのかもしれないが、若い人が閉じ込められて暮らしているところというのでは同じようなものらしい。豪華な暮らしながら、事実上軟禁されているような生活に、若い女性である二人は耐えられない思いを抱いていたのに違いない。それだからこのような物語が想像される訳で、ロマンチックなだけでなく、確かに痛快な感じがある。儚い命の躍動があり、決して本当には知らされることのないロマンスやミステリがあるのかもしれない。しかしながら本人の一人はまだ生きておられる訳で、こういうのを観て楽しむことが出来るんだろうか? 感想を聞いてみたいものである。
 実際によくできた物語で、お話は楽しくもどんどん破壊的な方向へ進んでいく。何かこう少し踏み外すようなことになると、とてもコメディでは済まされないギリギリのところで危機脱出するようなスリリングさがある。さりげなく英国皇室や戦争そのものの批判も取り混ぜてあったりする。水戸黄門のような大権力で人々をひれ伏せさせたりもするが、日本のそれとは違って、ちゃんと権力のやり過ぎについては控えるところも忘れていない。ローマの休日は名作過ぎて神格化していると感じるが、より現代的で破天荒で爽やかなロマンスとして、もっと評価されていい作品ではないだろうか。星をつけるなら、迷わず満点の娯楽作である。
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