カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

流行どころか、ひどく勘違いかも

2024-12-18 | ことば

 流行語大賞に「ふてほど」というのが選ばれて、かなり批判の声を聞いたわけだが、確かにそれもそのはずというか、僕はこの言葉を聞いたことが一度としてなかったし、活字としても一度として読んだことが無かった。別に特別な隠居生活をしているわけでもない訳で、流行語を選ぶ媒体として、この賞の意味は失われている。しかしながらこの略語のもとになっている「不適切にもほどがある」というドラマがあることは、知らないでは無かった。観たことは残念ながら無かったが、そういうのは、テレビドラマなのだから、そういう事があって当然である。しかしこのドラマに関する雑誌記事などは読んだことがあるので、社会現象になっていたかはともかく、それなりにヒットした作品であろうことくらいは認識している。しかし、そういうことを知っていてもなお、「ふてほど」の違和感は大きい。誰もこれを略して言ったり書いたりしている場面が、一度として無かったからだ。そういうことは、繰り返すが僕が特殊なことだったのではなくて、批判の大きさから考えても、多くの人に共有できる感覚であっただろう。
 観ていなくても、内容の一部をなんとなく知っているのは、これをもとに昭和に関する現代の違和感を語る人が居たり、やはり記事で読んだことがあるからだ。昭和の時代に生きた僕としても、昭和は遠くになりにけりであって、当然いろいろな感慨はある。生まれてから青春のほとんどを昭和で過ごした訳で、その時代が懐かしく無い訳がない。しかしながら現在と比較して、それが良かったとか悪かったとかいうのは、さて、もう合わないだけの事であって、どうなんだろうとは思う。今が何でもいいとは言えないが、しかしもう元に戻ることは無いのだから。
 昭和の人の煙草のマナーがひどかったというのは、確かにそうだったのだが、それが当たり前の時代にあっては、当然ながら特段酷かったわけではない。乗り合いバスなどでは吸う人は無かったが、長距離の列車や、なんと飛行機では、たばこを吸う人がいたようだ。映画館でもタバコの火がチラチラすることがあったし(考えてみるとどこもそうだったわけではなく、古いタイプの映画館に、そういうところが残っていた)、病院でも患者はともかく、診療中の医者が吸ったりする病院もあった。確かに今考えると異様な光景に思えもするが、皆が許容していたのも確かで、すでにたばこの害は言われてもいたが(なんとコーヒーも同じように体に悪いとされていた)、まあ、多少の遠慮があればいいし、周りの人間が目下のものであれば、気にする必要など無かったのである(それこそが昭和的だとはいえるが)。
 昭和のことが良かったと言っている多くの人は、そのようなおおらかさの様なものに対して、言っていることが多いと思う。最近の人は、とか、最近の風潮は、とかいうような物言いの中に、妙に気を使わなければならない現代社会への視線がある。当然のことのようになっているかもしれないけれど、サービス的に気遣う姿勢は消えていて、注意しても改めるそぶりもないし、逆にパワハラだの上から目線だの、奇妙な論理でもって非難されかねない。以前は改めるべくものは、そうするチャンスがあったし、一定の良識のようなものは、むしろ高いものがあったのではないか。そういうあやふやなところなので、きっちりを比較ができかねるのだが、少なくともそのような気分的な対立のようなものが、存在する。つまるところそういうものが、おそらく不適切的なほどの問題の根底なのではないかと想像する。
 だいぶ話は思わぬ方向に来てしまった訳だが、もう共通理解も無い訳だし、全体的に納得のできる流行語なんてものは、そもそも存在しにくくなってしまった訳である。
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暴力には暴力で解決を   犯罪都市THE ROUNDUP

2024-12-18 | 映画

犯罪都市THE ROUNDUP/イ・サンヨン監督

 人気シリーズ第二弾。ベトナムへ逃亡した容疑者を引き取りに二人の刑事が行くことになるが、現地のベトナムで奇妙な組織的な犯罪を察知し、独自捜査をするが、いわゆる抗争に巻き込まれ、事実上韓国に追い返されることになるのだが、その首謀的な犯人も、韓国に逃亡していることを知る。韓国に戻って犯人を追い詰めることにするが、ヤクザと凶悪犯も反目し合っており、ヤクザの組長は凶悪犯に誘拐され、身代金を要求されることになってしまうのだった。
 スジもそれなりに練られていて面白いが、基本的には主人公の刑事マ・ドンソクが暴れるのを楽しむ映画である。凶悪犯も鉈やナイフを使って残忍に人を殺しまくるし、何しろ強いので、あり得ない窮地に立たされても、逃げおうせてしまう。何度も刑事たちと対峙する場面がありながら、強引に突破してしまう。いわゆる悪知恵が素早く働き、それを活かせる能力が高いのだ。普通に考えて、警察からもヤクザからも追われているのに、手玉に取りながら、もっとしたたかに金を得ようとする。仲間にしている中国人マフィアとも、騙し合いの関係で、ちゃんと信用しているのかも怪しい。
 ともあれ、そういう状況になっても、次々に血の海がみられるアクションが続く。強靭刑事は、難しい状況になっても、その恐ろしい相手と対峙すること自体を楽しむように、活躍する。そうして気が付いてみると、ものすごく派手に周りの状況は無茶苦茶になっていて、困った状況になるのだった。結局力で何とかするよりないのだが……。
 ともかく派手に立ち回るが、相手は刃物で切り付けるので、ふつうなら痛くてたまらないはずである。他に負傷する人々も血だらけで苦しむ。強靭刑事も少しは痛がるが、まあ傷は仕方がないというような表情になって、さらに相手を痛めつけるファイトが湧いてくるようだ。まあ、漫画なんだけれど、これが痛快でたまらない訳である。もう思う存分に暴れてくれってな気分になって、盛り上がる訳である。
 アクション娯楽作の王道だけれど、この主人公のような人って、やっぱりどこか新しいのである。韓国でも大スターだろうけど、国際的にもウケているはずである。ただしどんな別の設定になっても、求められるのは、強靭なアクションな訳だが。まあ、面白いので、それでいいのだ。
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