先日から探していた「今どき儲かる商店街」(金子哲雄著・プレジデント社・1000円)をようやく購入することができた。ハードカバーの必要がよく分からないのだが、おそらくソフトカバーにしたらあまりにも薄くなってしまって本棚で発見されない可能性があるからなのではないか?ページ数は112ページしかない。アフォーダビリティー的にどうなの、という感じはする。さてキイワードは「うっとうしい」。「うっとうしい”接客力”は果たして必要か?」という爽快な出だしである。これを書名にしたほうがよいのではと思えるくらいだ。
”買い物に行って「久しぶり。お母さん元気?」というプライベートな挨拶など、うっとうしい以外のなにものでもないのだ”(11ページ)
”地方出身の友人が「地元ではブランド品は買えない」といっていた。なぜなら、「あそこの娘はこんな高い物を買った」と、財布の中をのぞかれてしまうというのだ。”(12ページ)
接客、昔ながらのコミュニティー等々に疑問を投げかけることで紙幅の約半分、これは思った以上に痛快である。商店主と顔馴染みになると、何か買わなくてはというプレッシャーがかかるというのは本当だと思う。
残り半分が、成功している商店街の紹介や著者の提案などだが、さまざまな事例が著者が実際に経験したり取材したものだということが良く伝わってきて読んでいて楽しい。自分の仕事や物の見方にすぐに活かせるかどうかは別として楽しい本である。