秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷冬点描

2010年02月01日 | Weblog
碧梧桐忌 寒中の雨 しのびけり   2月1日 碧梧桐の忌日



わたしは湖面の彼方に屹立する三嶺を眺めていた
この風景は視覚的感覚で捉えられるようには想えないほど
キリっとした風貌はあくまでも高貴であり、透き通った孤高である。

三嶺の風景は視覚的な一瞬の時間的風景ではその膨大な懐深い自然を
理解出来ないのではないか。
自然の風景には長時間そこに留まり、持続的感覚で深みに潜りこみ
瞑想する音楽的な感性が適しているのではと想われてならない。

フランツ リストのピアノのように鋭く、鋭利な冷徹なロマンの音楽であり
完璧な精神を耳で考える事かもしれない。
息を潜めて聞き耳を立てるような厳粛な雰囲気や破壊的で熱狂的な雰囲気を
想像するチャンスがあるのではないか
そこには自然と芸術が一体性を齎し宗教的瞑想に安堵するように。



湖面は静かに音楽を奏でていた、眠るが如き、吐息のように
シャーベットの氷紋は軽やか音符となりショパンがピアノ曲を
ただ一人のために弾いているのを聴いていた。


放物線状にくっきりと区切られて、日本的な無の空間が拡がり
あたかも音の間の時間のようである。
氷紋のバラバラと砕け散る様は琴の音色のようにも想えた
冬枯れの小枝には小鳥の音楽があり、樹林のなかではサルの
甲高い声を聴き、わたしは奥祖谷の自然を耳で考えた。









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