前略。
秋の気配を感じつつ、真夏のような日差しを浴びる日々。皆さま、ご機嫌如何お過ごしですか。
古本が入荷したと、テラオの兄さんにチラッと聞き、物色する為に久々のヤマガラ文庫。
いつも開いているドアの前には、消毒用のアルコールを置いている筈もなく、
素手でドアノブを触る勇気もなく(なんちゃって潔癖症)何か手袋の代わりはないか、
草むらを見ると、一枚のフキの葉。そう、蕗。
おおー、有難い。フキをちぎり、手袋代わりにドアノブに巻き、ドアオープン。
なんか、子供時代。みんなで山で遊んでいた時、便意を催した時に、随分フキの葉には助けられた。
フキの葉っぱは身体に優しい。皮膚に優しい。
全てを拭き切ることは出来なかったが、8割は清潔を保て、夕方まで遊ぶことに熱中できた。フキのお陰だった。
話は脱線致しましたが、まるで古本の墓場!みたいに増えておりました。
何故か、不用品?も、増えておりました。
読みたい本に行き着く迄に、何時間かかるんだ!くらいに、本が大量過ぎて、探すのに一苦労。
そうです。ワタシは、なんちゃって潔癖症。素手の指先に埃がついた時点で、イラっとします。
使い捨て手袋をはいていたら、無敵なんですが、素手はどうにもならない。
腫れ物を触る感じで、段ボールの箱を開けます。ピアノを弾く時の指のたて方みたいな(※わたしはピアノも弾けません)
箱の中には、大量の辞書。誰が使っていたの?
こんなに大量の辞書を活用しながら、どんな人生を過ごしていたの?
持っていた人を、勝手に想像してみる。想像しながら、指先についたままの、埃も気になる。
昼間の幽霊の1人か2人、居るんではないかな?みたいな静けさ。
時折、風が吹き抜けて、軽く木の軋む音。
祖谷分校の校舎って、こんなに静かな場所だったんだ。
あの頃は校舎が爆発するのじゃないかみたいな、賑やかさだったのに。
校舎の端から端まで声と足音と、様々な物音に囲まれて、毎日がお祭りみたいだった。
青春時代のビックリ箱に居たみたいな、絵の具のチューブが全部弾けたみたいな、愉快な毎日だった。
ピグミ、セベくん、チュークロ、ショータレ、アダチ、パケラッタ、その他もろもろ。
※教員にみんなでつけたあだ名。
みんな、元気ですか……私は、わたしは、ワタシは、今あの頃の校舎の未来に立ち、
祖谷分校改め、ヤマガラ文庫の廊下で、指先の埃と闘っています!
そして、コロナに疲弊し、故郷を探している祖谷出身者の心に寄り添う為に、
パシッパシッと、静寂の廊下に立ち、写真を撮っております。ハエもおりません。
伝わったかな?この雰囲気。
この静けさ。この匂い。この匂いは、ホコリの匂い。多分……。
で、探していた本を見つけられないまま、再びドアノブをフキで巻いて、
丁寧に閉めて帰った私でございました。
歩いた方向に向かって
足音は 響いてくる
引き返した方向に向かって
足音は 返ってくる
重なりあう音の余韻は 響き
その隙間の響きの狭間に
自分の人生が交差する
響きは 故郷の音
故郷は 終わらない
草草
秋の気配を感じつつ、真夏のような日差しを浴びる日々。皆さま、ご機嫌如何お過ごしですか。
古本が入荷したと、テラオの兄さんにチラッと聞き、物色する為に久々のヤマガラ文庫。
いつも開いているドアの前には、消毒用のアルコールを置いている筈もなく、
素手でドアノブを触る勇気もなく(なんちゃって潔癖症)何か手袋の代わりはないか、
草むらを見ると、一枚のフキの葉。そう、蕗。
おおー、有難い。フキをちぎり、手袋代わりにドアノブに巻き、ドアオープン。
なんか、子供時代。みんなで山で遊んでいた時、便意を催した時に、随分フキの葉には助けられた。
フキの葉っぱは身体に優しい。皮膚に優しい。
全てを拭き切ることは出来なかったが、8割は清潔を保て、夕方まで遊ぶことに熱中できた。フキのお陰だった。
話は脱線致しましたが、まるで古本の墓場!みたいに増えておりました。
何故か、不用品?も、増えておりました。
読みたい本に行き着く迄に、何時間かかるんだ!くらいに、本が大量過ぎて、探すのに一苦労。
そうです。ワタシは、なんちゃって潔癖症。素手の指先に埃がついた時点で、イラっとします。
使い捨て手袋をはいていたら、無敵なんですが、素手はどうにもならない。
腫れ物を触る感じで、段ボールの箱を開けます。ピアノを弾く時の指のたて方みたいな(※わたしはピアノも弾けません)
箱の中には、大量の辞書。誰が使っていたの?
こんなに大量の辞書を活用しながら、どんな人生を過ごしていたの?
持っていた人を、勝手に想像してみる。想像しながら、指先についたままの、埃も気になる。
昼間の幽霊の1人か2人、居るんではないかな?みたいな静けさ。
時折、風が吹き抜けて、軽く木の軋む音。
祖谷分校の校舎って、こんなに静かな場所だったんだ。
あの頃は校舎が爆発するのじゃないかみたいな、賑やかさだったのに。
校舎の端から端まで声と足音と、様々な物音に囲まれて、毎日がお祭りみたいだった。
青春時代のビックリ箱に居たみたいな、絵の具のチューブが全部弾けたみたいな、愉快な毎日だった。
ピグミ、セベくん、チュークロ、ショータレ、アダチ、パケラッタ、その他もろもろ。
※教員にみんなでつけたあだ名。
みんな、元気ですか……私は、わたしは、ワタシは、今あの頃の校舎の未来に立ち、
祖谷分校改め、ヤマガラ文庫の廊下で、指先の埃と闘っています!
そして、コロナに疲弊し、故郷を探している祖谷出身者の心に寄り添う為に、
パシッパシッと、静寂の廊下に立ち、写真を撮っております。ハエもおりません。
伝わったかな?この雰囲気。
この静けさ。この匂い。この匂いは、ホコリの匂い。多分……。
で、探していた本を見つけられないまま、再びドアノブをフキで巻いて、
丁寧に閉めて帰った私でございました。
歩いた方向に向かって
足音は 響いてくる
引き返した方向に向かって
足音は 返ってくる
重なりあう音の余韻は 響き
その隙間の響きの狭間に
自分の人生が交差する
響きは 故郷の音
故郷は 終わらない
草草