秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

樹林のなかを彷徨えば秋の花々にこころ和みて

2018年09月28日 | Weblog

雨上がりの樹林帯の登山道はしっとりとした雰囲気に包まれて、心地よい
微かな秋風を身体に受けながら、ゆっくりと歩けばアケボノソウがきれいに咲いてうれしくなる

ツルニンジンには今年は駄目かなと思っていたが、何とか間に合って見る事が出来た
ちょうどそこで、登って来られた知り合いに逢って挨拶代わりに、その方が、おお!ジイソブが咲いていますね
と云われて、ええ!、それ何?と戸惑ってしまった

その方が云われるには、花の斑点がじいさんのソバカスに似ているので、そう呼ぶこともありますよ
少し小さめのツルニンジンをバアソブと云います、とのことであった
ソブとはソバカスのことで長野県の木曽地方の方言が、別名になったようである

ほかの花では、キバナアキギリ、アキチョウジ、オオバショウマ、サラシナショウマ、シコクブシ、など
季節が来れば咲きそろうことは、自然界も気候に左右されながらも、我慢づよく次世代に繋ごうとする

自然のほんの少しだけ、指先の先っちょぐらいしか知らないわけで、計り知れない自然の諸々に
仰天しながら、謙虚に生きることが望まれているのであろう

動植物の連鎖は普段に、いま、ここに、生きるだけのことに集中している、すばらしいことだ
ほんとは、ぼくらも、いま、ここに、しか生きてないのだけれど、つとめて、意識することだよね












アケボノソウ













ツルニンジン(別名 ジイソブ)



























キバナアキギリ














アキチョウジ













オオバショウマ












ナナカマドの実


林道歩きに四季折節の風景、山中の風景は尽きることなし

2018年09月23日 | Weblog


2004年秋に久保集落の借家に居ついて丸4年を過ごし、2008年秋に孫の守を仰せつかって
久保を引き払って、生活道具をいまの「わとうち」に移して、松山に帰って、孫の守の合間に
「わとうち」に通い、祖谷の風景、花木をたのしむようになって、10年が経った、感慨深いものがあるよなあ

わとうちの庭の草木もずいぶん大きく育ってきた、お気に入りはムラサキシキブの深紫の小さな実は
何時眺めてもこころ落ち着くし、マユミの赤い実もすばらしい、いろいろな花も咲き乱れて
いつもこころを豊かにしてくれるかけがえの無い自然の友だけにうれしくもあり、たのしい時間を持たせてくれるのである


祖谷の林道歩きはいろいろな風景や花木を見つけては、はてな?と思うことがよくある
そのひとつに、はて?こんな奇妙な花は何だろう、白い花弁が大きく飛び出し、曲がってそり返ってその先端は2つに分かれ
くねくねした感じでなんだか異国の踊りを踊っているみたいだし、大きな青い実がデンと付いている、

これが妙に気になっていた、調べてみようと、花の名は、ナンバンハコベ(南蛮繫縷)であった
花のかたちが異国風なので、南蛮と付けられたそうだが、れっきとした日本の在来種だそうだ
ナデシコ科の多年草、山野に生え、茎は細長く、蔓性、大きな青い実は晩秋には黒く熟して中にある種を落とすということである

自然の豊かな祖谷ならではのいろんな事柄に出会うことは心身ともにすばらしいことである













わとうち庵の居間

















ムラサキシキブの実















マユミの実
















ナンバンハコベ















そばの花















ススキと百合

菜菜子の超気ままにエッセイ( 或る小銭物語)

2018年09月20日 | Weblog


ある日の朝。セルフのガソリンスタンドで、カード会員値引きの画面操作の早押しを高速でやり過ぎて
値引きが出来ていないまま精算をし、損をしてしまった。損をした金額は、30円と少々。

1日の始まりに30円を落とした気分になって、テンションは下がり、いつものコンビニに寄る。
スパゲッティの30円の値引き券を持っていた事を思いだし、さっきの30円を取り戻す為に、背に腹は変えられない。
断腸の思いでスパゲッティを颯爽とレジに持って行った。

時々見かける知り合いと、軽く挨拶をして、会計を済ませてコンビニを出た。
何か忘れた気がして、車に乗り、思い出した。
肝心の30円の値引き券をお財布から出す事を忘れていた。

朝から合計60円を落とした気分になって、60円をどこで取り返そうか、暫し考えてみた。
小銭に妙に執着するこのヤヤコシイ性分は、幼少期に培われたものだ。

昔、昔。我が家に時々やって来た、変なオジサン。
変なオジサンは、いつも同じヨレヨレの、着物のような服を着ていた。
オジサンが入って来ると、家の中は臭くなった。何の臭いだったかは忘れてしまったけど、兎に角、臭かった。
そんな変なオジサンと、時々道で会う事があった。

オジサンが向こうから近付いて来るのが判ったら、わたしは必ず立ち止まった。
変なオジサンは、フラフラと酔拳みたいに歩いていた。
わたしを見つけると、必ず立ち止まり、顔をクシャクシャにして、何故か嬉しそうだった。

そして必ず こう言った。
「お~~ラーメンの子かぁ、10円いるか~10円やるぞ~」
わたしは必ず1歩下がり、言い返した。
「10円や、いらんわ!!」
「10円やるわっ!ホリャア~」

と変なオジサンは、手品みたいに10円玉を取り出して、目の前で見せびらかし、わたしが取りに行かないと
必ず10円を道路に軽く転がした。そして、再び酔拳の様に、立ち去った。

「お金放ったら、バチ当たるんじゃわ~!!」
と変なオジサンの背中に思い切り叫びながら、
わたしは道路に転がった10円玉を、必死で探した。オカッパ頭が地を這う。
そして必ず拾っていた。

あの頃の小銭の感触が、以後の私の人生に影響を及ぼした。
「小銭を笑う奴は、小銭に泣く」
お金は小銭から始まり、
小銭で終わる?

セコい独り言を書いていると、メディアが月旅行を発信していた。久々のおっとろっしゃあ!
同じ1日なのに、
みんな時間の使い方が違う。
時間の使い方は違うけど
同じ時代に生まれて来た。
昭和に生まれて 良かった。
進化と共に
人は何を失って
何を得ているのだろう…

時代や人に左右されないで
私はわたしを
その日までチマチマと生きて行く。


変なオジサンは
「つとさん」
と呼ばれていた。
つとさん~
カムバッ~ク~!

草 々

























林道歩きはたのしくも山中の景色に尽きることなし

2018年09月18日 | Weblog

方丈記31 「また麓にひとつの柴の庵あり、」に
「夜静かなれば、窓の月に故人を忍び、猿の声に袖をうるほす、、、、、、世に遠ざかる程を知る、、、、、、、、、
あるはまた、山中の景色、折につけて尽くることなし。いはんや、深く思ひ、深く知らん人のためには、云々、、、、、、」

柴の庵で一番のたのしみは朝食を済ませてからの林道歩きである、標高800前後の林道は
滅多に人や車の通ることは無いのでしずかであるから、たっぷり、2時間あまりを費やして
花木を愛で、霧が渦巻く山々の風景を愛で、ときには人家のひとが畑に居れば立ち話を楽しみ
それは、正に山中の景色、尽きることなし、である

標高がそこそこあり、四季折節の花を見つけて喜びに浸るもよしだ、今年はツルリンドウを見出し
時期的にどうかな?と思っていた、高嶺半鐘蔓(タカネハンショウズル)の蕾がたくさんあり
咲いているのが2,3輪、また、ヤマジノホトトギスも咲いていた
コスモスが空に向かって歌い、ススキの穂が棚引く様はこころ和むひと時でもあった

































ツルリンドウ













タカネハンショウズル













タカネハンショウズルの開花













ヤマジノホトトギス














コスモス












ススキ


山の秋色はそれぞれ工夫を凝らせた実のりに感嘆します

2018年09月12日 | Weblog


山の秋色は植物たち、それぞれの、工夫を凝らした次世代への命を繋げる実のりですね、
カエデは羽をつけた翼果をいっぱい実らせています、葉が落ちるころ、枯れた翼果を
風に乗せて遠くへ旅立ちをしますが、面白いものですね、

ガマズミの実はまだ青いですが、真っ赤になると甘酸っぱく美味しい果実になり小鳥たちの餌にいいですし
果実酒にしても美味しいですね、ナルコユリか、ホウチャクソウか、判断しかねますが、黒い実をつけていました
秋色の景色を演出してうれしい秋の山でした















イロハモミジの翼果


















ガマズミの実

















ナルコユリ?ホウチャクソウ?の黒い実















イヌザンショウ?

秋雨の恵みに色づく秋の風景はこころに沁みて

2018年09月08日 | Weblog


雨がポロポロ降っている、かなり涼しい空気に包まれて心地よく、しっとりとした冷気が
肌に刺すように熱気を奪って、少し肌寒さを覚える

シコクブシの咲き具合を見て来ようと、ぽつり、ぽつり、と降る雨の登山道をゆっくりと歩いて
秋の匂いをかぎながら、シコクブシの花を探してみるが、小さな蕾が無数に出ているものの
咲いているのは、一株、二株、だけであった、まだ、この山は7日~10日ほど向こうのようである

サラシナショウマもたくさん細い花芽をつけた茎は伸びているが、シコクブシと同じぐらいかかるだろうな、
ナナカマドの実が赤く色づき出しているし、ヤマジノホトトギスはいまが、盛りであった

シギンカラマツの小さな白糸の花がひっそりと足元に咲いて、わたしを見てちょうだい、と訴えている
林道には赤い彼岸花が咲き始めて、コスモスの花も色を添えた、山の秋を先取りした秋雨のひと時をたのしんだ















トリカブト(シコクブシ)
















ナナカマドの赤い実















ヤマジノホトトギス















シギンカラマツの白糸の花
















彼岸花














コスモス


秋の果実に豊かな自然を感じて命を想う

2018年09月06日 | Weblog


残り風がヒューヒュー涼しげに吹いて心地よい、歩き、に秋を感じ、あちらこちらに
咲き乱れるセンニンソウの白い花に秋を告げられてうれしくなる、

先の日に咲きかけのカエデドコロが、もう、盛りになってきれいな黄色花が誇らしげに咲かせている
つい、先だって、夕闇に、怪しげに長い髭をいっぱいに拡げて咲いていたカラスウリの花が、

もう、卵型の青い実をぶら下げていたし、所々にあるアケビの木に青い実が固まって生っていた、
涼しく纏わり付く風に戯れ、秋の風景を感じながらたのしく歩けた










センニンソウ




























カエデドコロ













カラスウリの青い実













アケビの実

普段の、歩き、で気づかないことがちょっとした、気づき、でよろこびに

2018年09月03日 | Weblog


ガガイモの花がひっそりと咲いている、ガガイモは神代の頃からある植物らしい、
その果実は舟のような形をしており真っ二つに割れて中から、種をくっ付けた綿毛が
羽根のように風に乗って遠くに行き、命を繋げるようだ、

また、この前に耳のような突起を付けた奇妙な、果実か、花か、判らないものがあって面白いな、と感じた
それがきょうは二つに割れて黒い実が出ている、やっと、果実だと判ってうれしかったが
何の木の果実なのかネット検索してみると、ゴンズイの木?のようだ

普段に何も無いときには目もくれないというか、気づかずに通り過ぎるだけだが
面白い形の果実に目が釘付けになった、そのちょっとした、気づき、が感性を揺り動かして
自然の豊かさを教えてくれる、きっかけになったことはたのしいことだ














ガガイモの花
















4,5、日前に面白い果実か、花か、判らなかった写真















この日に正体が果実だと判った