秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷初秋点描  初秋の山里はひそかな風景に

2015年08月28日 | Weblog

祖谷はもっとも美しい風景の山里になってきた、祖谷らしいひそかな風景というのだろうか
古くから沁みこんでいる落ちびとの風景であり、かくれ里の風景が秋の淡い色彩とマッチする
美しくもはかない風景に魅せられるのはこれからの季節だね


過去のことを考えるとき、遠くに見える山のように遠い風景としてしか
見ることが出来ないようだ、それはもうちょっと近い過去のことでも同様だね
そして、はるかに遠い感じがするので、定かでない山の同定と似たような感覚だよね

山頂から何回も眺めているのだが、霞んで、ぼーとしか見えなかったり、一部分が
雲に隠れていたりすると、忽ち自信がなくなり、そうだろうと思うけど間違いかもなあと
あやふやになってしまうよね

ましてや、細部にわたって点検するとなるとあのあたりの山襞はどうなっていたかな?
木々の種類は何だったかなとか、季節ごとの色合いはどうなんだろうと全く手探り状態と
なり、あの山とこの山の区別さえ、定かにならず、お手上げになってしまうよね

目の前にある現在のものごとは割りとリアルに考えることも出来るし、想像することも
できるよな、まあ、あまりにも近すぎると現在でさえ見えないこともあるけどね
遠い過去もかっては現在だったのだけどなあ

遠い過去のつらいものごとなどをリアルに想像できるとやりきれないし、耐え難いけど
霞んでみえたり、ぼーとしか想像出来ないとそれはそれでほっとした感じになるよね

離れて見える雪山の稜線のように冷たく過酷ではあるが美しいよなあ、あの稜線は
辛かったように思うがほんとはどうだったんだろうと微かな想像だけだよね

遠い過去のことはどうしても、温度や触感や匂いが無くなっていて思い出せないのかも
知れない、まるで、絵のようになってしまうからだろうか
日記などを書いていても、文字としては、ああそうだよなとおぼろげに判るとしても
それを鮮明に想像することはなかなか難しいよね
生きていくのに都合がいいように、リアルに想像して過去に囚われないように
脳のしくみが出来ているのかもしれないよね

このようなことは、未来についても云えることと思うし、人と人の関係にも云えるよなあ
とくにひととひとの関係には微妙な距離感が大事になってくるように思うよね
微妙な距離感によっていい関係になったり、ぎくしゃくしたりするよなあ
近くにいると、判るいいこともあるけど、離れて想像すると、ああ、いいよなあと
思うこともあるよね

ものごとをリアルに考えたり想像するよりは、遠近感の能力によってあまりリアルに
ならず、ぼやーと考えたり、想像するほうがものごとがスムーズに運ぶのかも
しれないよなあ、そのほうがひとには適しているのだろうかなあ










山雨過ぐ盃を傾け蓼の花





旅の世を沈みしづみて酔芙蓉
































































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奥祖谷初秋点描  爽やかな風に吹かれて

2015年08月21日 | Weblog

お盆を過ぎると朝晩は急に涼しくなってきたよね、肌寒い朝などあったりする
一雨ごとに、秋の気配も感じて、風などが爽やかな日はうれしいよな

山々の風情や木々の佇まいや草花の息吹なども秋だよなあと思わせる
夕暮れ時になると秋蟲の鳴き声も聞き分けられない鳴き声もあったりする
じっと耳を欹てながら、何の虫だったかなと考えるのも楽しいものだよね

最近頓に思うことがあり気になりだした、ぼくの悪い癖を直したいと思うようになった
長く生きてきたものだから、ものごとをむつかしく考えたり、書いたり、話したり
してきた悪い癖が、いい加減に面倒になり嫌気が差してきたよなあ

気になりだすと限りなく気になる、ものごとを捏ねくりまわしているとだんだんとむつかしく
考えるようになり終止がつかない、挙句の果てはむつかしい言葉で締めくくるんだよなあ

しかし、良く考えてみれば、ものごとを難しく考えたり、難しい言葉を使わなくても
少しも不便を感じたり、不都合なこともないよね
普通に生きていくのに、難しく考えたりする必要もなければ、むしろ邪魔になるくらいだ
ものごとをシンプルに考え、言葉にする方がよっぽどいいし楽しいよなあ

じぶんのなかに持っているものごとを難しく考える回路を少しづつ処分して
頭とこころを柔軟にしてシンプルに出来たらいいよなあ
すぐには出来ないかもしれないが、心がけしだい、そういう姿勢でやろうかな

ゆうぐれどきの涼感とひぐらしの鳴き声に待っていたように出番の秋蟲の微かな声
FMラジオから流れるかすかな音楽、とばりに包まれる前はほっとする
しずかな時間がいいんだよなあ







八月や山の庵にジョン.レノン








星流れキレンゲショウマ果てにけり









旅気まま帳にたたむ花木槿



















































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奥祖谷初秋点描 山を歩き頂きをめざして

2015年08月14日 | Weblog

立秋を過ぎて八月も半ばになろうとしている、雨模様になると涼しくなる
それでも、まだまだ残暑は厳しく日なかにいると熱中症になりそうだよね

そんな日であったが、気になる山を歩いてみようと思い立った
朝早くに大枝のわが家をひとりぶらりと出て登山口に7時ころ着いて
したく万端整えてザックを背負ってほんの20mほど歩いて何か忘れ物がありそうなと
ザックを下ろして中を調べて、あれ!弁当がない!確かに車に入れた筈だよな

取って返して車を開けてみると、助手席に鎮座していた、やれやれ、家でなくて良かったよ
朝早くから梅干、佃煮をなかに入れたおむすび3個と情けない弁当だが腹ペコでは堪らんよね

ひんやりとした涼しい秋風に気持ちよく、露をたっぷり含んだ笹に登山靴やズボンを濡らして
小鳥の囀りに耳を傾けて、、木々の色合いを確かめ、のんびりと歩き気ままと何時ものことだ

そのうちに、日射しも多少なりとも強くなって、汗を拭きながら、木陰で一休みが多くなる
だだっ広い草原模様を眺めていいよなあ、樹林帯に入って涼しい風に身を任せていいよなあ
といった具合だから、山頂にたどり着けるのかなあ、まあ歩けるところまででいいやな、と
暢気なものだな

芋水車がごとりごとりと動いている間に何時の間にやら芋の皮が取れているようなもので
小3時間ほどで手の届くように、山頂に至る登山道までたどり着いた

小さな木の木陰で最後の一休みだよ、座り込んで来し方を振り返れば、遥かに若いころ
「悪の華」を耽読し、「酔いどれ船」に泥酔して頽廃に溺れたり、マラルメ、ヴァレリーの
知性に歯が立たず、放り投げたのも、若気の至りというものよな

来年八十路となるいまでは、すべては為るように為るものよと暢気に肯定して受け容れるように
しているとはいうものの、そう簡単には事は運ばないのもひとの世だよね


自己肯定という、どんどんどんどん余分なものをそぎ落として裸になること、無力で
貧弱な自分本体をさらけ出しても平気でいられるのが一番いいことだよね
憧れるけど難しいよね
年を取っていくうちにだんだんと近づいていけるかもしれない気もするけどね
肯定しきれないまま、劣等感や虚栄心や欲望に苛まれながら日々を過ごしていくのも
生きる面白味があるのかもしれないよね

それではぼつぼつ腰をあげて最後のひと歩きしようか、もうそこに山頂があるよ
この山にまた来れる日があるのだろうかなあ













頂をめざし八十路に秋の風







旅の世を気ままにすぎぬ冷し酒







ヴィオロンの弦震へあり一葉かな















































































































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奥祖谷晩夏点描 日盛りに行水、早朝に秋の気配を感じて 

2015年08月07日 | Weblog

標高の高いわが家でも日中の日盛りはたいへんなものである、今年は異常に暑い
じっとして居ても汗が噴出してくる

こんな調子なら、日中ならば少し寒いぐらい大丈夫だろうと表で行水しようと思いついた
幸いにも、林道から少し入ったところにある我が家であるし、杉林に囲まれて見えにくい
誰も尋ねてくるひとも居ないよなあ

えい!とばかりに素っ裸になり表の蛇口からホースを引っ張って頭から浴びた
山の中から引いた冷たい引き水だから、最初は飛び上がった、身を切るようなものだったが
そのうち慣れてきた

シャンプー、ボデイソープで汗を流してさっぱりした気分になって、これもいいよなあ
これに味をしめて、夕方4時前にもう一回あびたが、そんなに寒いとは感じなかった
猛暑の日はこれに限る、思いがけず行水に子供のころに帰った心地であった

一息ついてさっぱりした気分で、もうそろそろ暑さも和らぐ時間だろうと庭に出て
さあて面白い花でも咲いてないかなときょろきょろしていたところに単車に跨って
格好良い若者がやってきた、迷い込んできたのかなと訝しく見ていると
下りてきた若者は、大阪からきた知り合いの若い衆でK君であった、突然の来訪に
久しぶりの再会に話が弾み、薄暗くなるころに宿屋に帰って行った


暦の上では明日は立秋であるが、まだまだ暑い日が続いている
しかし、この頃になると秋の足音聞いたとふと思うことがあるよね

早朝などにふと庭に出てみると、吹く風はひんやりと気持ちが良い
草木の佇まいにも盛夏のころの勢いは和らぎ、秋の気配を感じるよなあ








行水の音軽やかに児にかへり



向日葵にデフォルメさせて旅気まま



燃ゆる日に供華となりけり夾竹桃

(原爆投下後、焦土と化した広島にいち早く咲いた夾竹桃に市民は復興の希望を感じたという)










































































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菜菜子の気ままにエッセイ( 奉仕作業とドクターヘリにキンチョール♪)

2015年08月03日 | Weblog

読者の皆様、ご無沙汰しております。
ついでに 暑中お見舞い申し上げます。
で 本日は高齢者の恒例の村で一斉に取り組まれた、道路の奉仕作業で、ありんした。

読者の皆様は
「あ~あれか~毎年やっている道つくりの作業か、パン一個とお茶一本で、ガンガンの太陽を浴びながら
ヘトヘトになりながら、働かされる、あの奉仕作業か~」
と察しがついておりますでしょうが
今年は 道つくりで 死者がでる!!!
と言う 一歩手前で、ございました。

ドラ○モンに似た??去年までの区長さん。
朝8時前、 全身を紫外線避けに包んで外にでた ワタシの視界に そのドラ○モンが 歩いてきた。

『ヤられたわ、朝一番で蜂に刺されたわ』
「あー、多分黄色い小さな蜂だろ~」
『葉っぱを握ったら、手をさされて、今、N石の奥さんにホウセンカの付けてもらった』

早い話が 自然療法の応急処置。
「あー、あれはよく効くわ。大丈夫じゃよ♪ほんなら、ワタシとF本のおばちゃんは
いつもの場所を、やりよるけんな~ほんならね~~~」

いつもの農道を 若い男子2名と ワタシと
80才近いのに 元気なおばちゃんと、セッセコセッセコ 作業しておりました。
スコップとホウキと熊手の華麗なる コラボレーションっ!

暫く したら 救急車の音。ドラ○モンが 救急車で搬送される情報が 入る

四人の会話
至って明るい 会話

『めったに草刈りせんきん、蜂の巣 わからんかったんじゃの』
『めったにって、初めてじゃないん』
「去年まで区長さんの段取りばっかりだったけん、作業はあんまり、してないわなー」
※区長さんの段取りとは、散らばって奉仕作業中の集落の方々に、パンとお茶を配布する。
「前に電気の草刈り機で、草と遊びよったよ」
※電気屋さんだから

しばらくして、
四人の上空を ドクターヘリが 飛んだ。

「まさか、このヘリで?いくんかえ?」
『もしかして、蜂アレルギーだったとか?』

一瞬 四人の作業が止まる。
…が 再び 作業開始。
とにかく 毎年 毎年、確実に集落から 人が減るから、その分 作業はキツくなる。
こちらは こちらで、
毎年 毎年 歳を とっていくから、
作業が キツイっ!
今日の陽射しもキツく、女子であることを 忘れる位動きは オッサン化している。

おばちゃんが
しゃべる。
『蜂も巣作ったら、わがの家とおんなじじゃけん、偉ろうなるんじゃわ。
人間とおんなじじゃわ~ほんなきん、巣に近づいたら、怒るわのー』

おばちゃんが
しゃべる。
『ワタシの弟やこし、小学校四年の時に、34ヶ所刺されて、親に布団で寝よったら治るって言われて
まっこと寝よったら、何日かして、治ったんぞよ~』
※数えたんだね。

おばちゃんが
しゃべる。
『昔、戦争終わってから、アメリカの飛行機から、いっぱいなにもかも、まいて落としてくれたんぞよ。
エンピツやら、子供らが喜ぶもんよの、銀紙に包んで空から、イッパイ落ちてきたけど
それ拾うたら爆発したら恐ろしいきん、誰っちゃあ、取りにいかなんだわ~』

で ヘトヘト 賑やかに 奉仕作業は 終わり、なぜか今年は お昼にお弁当が、配られた。
ごちそうさまでした。

ワタシは 深く 反省をした。
ドラ○モンが、蜂アレルギー、アナフィラキシーショックになるなんて
全く全く予想していなかったから、
もし、あのまま 逝ってしまっていたら
最期に交わした言葉が
「ほんならね~」
本当に ほんならね~になるところだった。
救急車を呼ぶ時に ワタシに電話をかけていたのに、ごめんよ~ごめんよ~
ワタシの携帯は 我が家のキッチンで 休憩してました。

長い1日が 終わった。
ドラ○モンは 点滴治療を受け 今夜 帰宅する。
お昼に現場に残されていた、キンチョール2本。
軍手を そっと片付けながら、助かってよかったと、つくづく 思った わたくしで ありました。
村に一件しかない、電気やさん。
まだまだ 死なないで~!しもの電気やより、ちょっぴり高いけど、君がいなくなったら、村人が 困る。
そして、二度と 草刈りの真似をしたら なりませんっ〆 アーメン

































































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