祖谷のさとみ雪つもりて埋もれし老の雪かき苦しかりけり
風雪に祖谷の高嶺は真白にぞ雪煙ふきて孤独に堪へり
降りやみてみ雪かき分け里びとの行き交ふ声は弾みてうれし
阿佐の里わら打つ音や途絶へしか
幼木に慈しみつつ雪囲
庵に居し四方道なり隙間風
山を歩き 自然のままに 里を歩き 自然のままに
街を歩き 自然のままに 何処にも 自然のいのち
何処にも 自分のいのち 命ふたつ 大事ないのち
命ふたつ 慈しむいのち 山に里に 街にもいのち
命ふたつ 祈りのいのち 命ふたつ 土に還えろう
日常の暮し土に還えろう 山に自然を求めるよりも
日常の暮しに自然、人を 求め街の暮しに自然、人を
求め感性を信じ磨くことが一番大事なことであろうか
菜菜子の気ままにエッセイ〈祖谷を愛する全ての方々へ〉
何処に住んでいても、誰と住んでいても、大晦日は必ず、やってくる。
嬉しい人にも、どん底の人にも、大晦日は必ず、やってくる。
……
『さあー帰ろうかのうや~!』
『雪ん中にいんでみようかのうや~!』
『ズンズン降りよるかのうや~!』
「母ちゃん、何言うがあぁ~?帰れるわけないだろ~!」
『いねるわの~!』
「寒いがでぇ!高知みたいに、ぬくいことないがでぇ~!祖谷の家は、寒いがでぇ~!」
『さむかったら、ストーブ点けるわの~灯油はあるわの~』
「母ちゃん、母ちゃんが祖谷に帰っておったら、わたしは仕事も、落ち着いてできんがぁ~!
心配で心配で、たまらんようになる~!」
……
……
認知症を自覚出来ない、ヴヴヴ星人と
それを見守る 娘の、何十回と繰り返される、師走の会話。
『マーコよ、歳寄ったら、なんちゃあ~ええことないわ~なんちゃあ、楽しみないわ~
食うて寝るだけじゃわ~すんだもんよ~』
「そんな事ないよっ!暖かい場所で、毎日上げ膳据え膳で、幸せだろ~」
『なにや…?祖谷は雪か…?』
「高知とは違うよ、寒いよ!倒れるよっ!」
『祖谷、雪ふりよるか?まことや~?フ…ウン?』
……
……
やっぱり、会話は蒸発した。
無駄に声のエネルギーを、使ってしまった…
正直、叔母さんの希望通り、在宅を続けさせてあげられたとしたら…?
全ての負担は、私にふりかかってくる。
まして、今の仕事先から帰って、更に20分かけて車で駆け付け、叔母さんの世話をするのは
ちと…ハード。
4月のコテージ突然解雇騒動以来、本当に正直、私自身の様々な生活が、ガラリと変わってしまった。
三好市と言う 見えない幽霊のようなものと、一人で喧嘩をして、陰でパワハラに合い
気持ちの良い、人間観察が出来た。
その点は、感謝してます。ありがとう。
色々あったけど、
『幸福な一年』
でした。
『ココロは満タン』
の一年でした。
……
……
お金があっても
宝石に包まれていても、
御殿に住んでいても
最期は
段ボール一箱の
人生の終焉が 待っている。
タオル数枚 パジャマ二枚 上着一枚。
そして誰もの
最期の時間を
優しくしてくれるのは
〈人〉
どんなに壊れていっても
必ず 伝わるのは
〈手の温もり〉
無償なそれは… どれも
お金では 買えない。
故郷は あなたが想えば
あなたの傍に在る。
それを 忘れないでね。
故郷には いつも いつでも
剣の山の風が
渡って います。
もんたつかえ~!
もんたぞよ~!
また もんてこいよ~!
もんてこいよ…
村が 生きて いる間に…ね。
今年一年も
多くの無口な読者の皆様。
拙い祖谷暮らしの宿借りエッセイと、お付き合い、ありがとうございました。
良い お年を
愛に溢れた、一年でありますように。
菜菜子
テラオ兄さん 大凧上げる
山に行こうよ 雪山の
吹雪とどろく 雪道を
真白き天狗の 頂に
君と一緒に 登ろうよ
彷徨い歩いて たどり着く
モルゲンロード輝きて (奥祖谷恋歌の一節)
2008.1.4 三嶺山頂より天狗塚を遠望
風雪に祖谷の高嶺は真白にぞ雪煙ふきて孤独に堪へり
降りやみてみ雪かき分け里びとの行き交ふ声は弾みてうれし
阿佐の里わら打つ音や途絶へしか
幼木に慈しみつつ雪囲
庵に居し四方道なり隙間風
山を歩き 自然のままに 里を歩き 自然のままに
街を歩き 自然のままに 何処にも 自然のいのち
何処にも 自分のいのち 命ふたつ 大事ないのち
命ふたつ 慈しむいのち 山に里に 街にもいのち
命ふたつ 祈りのいのち 命ふたつ 土に還えろう
日常の暮し土に還えろう 山に自然を求めるよりも
日常の暮しに自然、人を 求め街の暮しに自然、人を
求め感性を信じ磨くことが一番大事なことであろうか
菜菜子の気ままにエッセイ〈祖谷を愛する全ての方々へ〉
何処に住んでいても、誰と住んでいても、大晦日は必ず、やってくる。
嬉しい人にも、どん底の人にも、大晦日は必ず、やってくる。
……
『さあー帰ろうかのうや~!』
『雪ん中にいんでみようかのうや~!』
『ズンズン降りよるかのうや~!』
「母ちゃん、何言うがあぁ~?帰れるわけないだろ~!」
『いねるわの~!』
「寒いがでぇ!高知みたいに、ぬくいことないがでぇ~!祖谷の家は、寒いがでぇ~!」
『さむかったら、ストーブ点けるわの~灯油はあるわの~』
「母ちゃん、母ちゃんが祖谷に帰っておったら、わたしは仕事も、落ち着いてできんがぁ~!
心配で心配で、たまらんようになる~!」
……
……
認知症を自覚出来ない、ヴヴヴ星人と
それを見守る 娘の、何十回と繰り返される、師走の会話。
『マーコよ、歳寄ったら、なんちゃあ~ええことないわ~なんちゃあ、楽しみないわ~
食うて寝るだけじゃわ~すんだもんよ~』
「そんな事ないよっ!暖かい場所で、毎日上げ膳据え膳で、幸せだろ~」
『なにや…?祖谷は雪か…?』
「高知とは違うよ、寒いよ!倒れるよっ!」
『祖谷、雪ふりよるか?まことや~?フ…ウン?』
……
……
やっぱり、会話は蒸発した。
無駄に声のエネルギーを、使ってしまった…
正直、叔母さんの希望通り、在宅を続けさせてあげられたとしたら…?
全ての負担は、私にふりかかってくる。
まして、今の仕事先から帰って、更に20分かけて車で駆け付け、叔母さんの世話をするのは
ちと…ハード。
4月のコテージ突然解雇騒動以来、本当に正直、私自身の様々な生活が、ガラリと変わってしまった。
三好市と言う 見えない幽霊のようなものと、一人で喧嘩をして、陰でパワハラに合い
気持ちの良い、人間観察が出来た。
その点は、感謝してます。ありがとう。
色々あったけど、
『幸福な一年』
でした。
『ココロは満タン』
の一年でした。
……
……
お金があっても
宝石に包まれていても、
御殿に住んでいても
最期は
段ボール一箱の
人生の終焉が 待っている。
タオル数枚 パジャマ二枚 上着一枚。
そして誰もの
最期の時間を
優しくしてくれるのは
〈人〉
どんなに壊れていっても
必ず 伝わるのは
〈手の温もり〉
無償なそれは… どれも
お金では 買えない。
故郷は あなたが想えば
あなたの傍に在る。
それを 忘れないでね。
故郷には いつも いつでも
剣の山の風が
渡って います。
もんたつかえ~!
もんたぞよ~!
また もんてこいよ~!
もんてこいよ…
村が 生きて いる間に…ね。
今年一年も
多くの無口な読者の皆様。
拙い祖谷暮らしの宿借りエッセイと、お付き合い、ありがとうございました。
良い お年を
愛に溢れた、一年でありますように。
菜菜子
テラオ兄さん 大凧上げる
山に行こうよ 雪山の
吹雪とどろく 雪道を
真白き天狗の 頂に
君と一緒に 登ろうよ
彷徨い歩いて たどり着く
モルゲンロード輝きて (奥祖谷恋歌の一節)
2008.1.4 三嶺山頂より天狗塚を遠望