秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(初冬とワタシと親の顔♪)

2012年11月24日 | Weblog
前略 その情報は、20時54分 テラオの兄さんからの、電話で知らされた。
早い話が、新聞で読んだらしい。(ワタシはケチなので、地元新聞もとっていない)

「来年の4月から、い〇しの経営者が、代わるんじゃと~補助金なしで、引き受けるんだよね~
誰が引き受けたと?思う?」
相変わらず、電話をとるといきなり本題に入る失礼な…奴。

「え~!!!そうなん~!~!もっしかして、外国人グループとか~!天下りチームとか~!」
※脳みそが、頂点に集中して、沸き上がるワタシっ!

「ちがうわ~貰える訳ないわの~〇和クリーンじゃと~」

「そうなん~!スゴイっ!やり手っ!エライっ!格好ええなあ~補助金無しでって!
で…?従業員はどうなるん?」

「多分、一回キチンと募集するんじゃないか~」

「まっマジで!なら、ワタシ働きたいっ!補助金無しなら、なんかワクワクする事
イッパイ出来そう~!」

……時刻は9時を軽ーく回り、プチ長電話を切り、ここからが
空想と妄想の花咲かオバサンなワタシ。

補助金無し
市から全く離れる
従業員のアイデア満載っ
増えるリピーター
待てよっ?その前に、面接。
今の職場は、一ヶ月病休をとって、足腰を治療して…傷病手当とボーナスを貰って
それから辞めて…
待てよっ?い〇しの温泉郷の敷地に建っている、古民家を活用させて頂いて、
「古民家カフェ」
つむじんこちゃまに、まいにちいろいろな、ケーキを焼いて貰って、ワタシはプチ食係とか?

待てよっ?それならイケイケギャルAちゃんも、一緒に働いて
ついでに丸亀バツイチ糖尿病予備軍女子にも、帰って頂いて…
めちゃくちゃ気配りの出来る仲居さん~!とか

待てよっ?それなら
「美しい記念撮影お任せ下さい」って、アイデアで、無理矢理偽カメラマンを家族と引き離し
帰らせて…一緒にお仕事~!
待てよっ?ダイジョウブ星人は、ボイラーマンの資格持ってるし、電気の資格持ってるし
いつでもどこにでも?対応出来るし?

イケるっ!!!
なんか、めちゃくちゃ、ヤレル感じっ!
ワタシ観光も!大好き~!

つむじんこちゃまに、電話をかけた
…出なかった

イケイケギャルに、電話をかけた
…出なかった
※眠っていたのでした
嬉し過ぎて 眠れなくなった…
空想と妄想が、ぐじゃぐじゃになって、明日は早出出勤だと言うのに、ワクワクで、全く眠れない…昔のHiROMi・GOのコンサート前の気分…超おひさ~

……
……
テキトーに朝になった
出勤しながら、情報を確認する為に、ある人に、電話をかけた
リアルに、丁寧に、お応え下さった

『従業員は、そのままと言う約束が、受け渡しの条件なんじゃわ~』

…『へっ?そうなん?』

ワタシは、いつも、冷静にビックリした時、何故か、必ず
『エ~!!!』
とは、言わない

『ヘっ?』
と言ってしまいます
いつからなんでしょうか…?

……昨夜の妄想と空想の世界は、朝、一気に崩壊し…
雪の無い路面を、新品のスタッドレスタイヤの擦り減りを、気にしながら…
チンタラと走り…職場に向かう

オメデタイ わたくし?

親の顔が 見てみたい?

紅葉の憂いを残した、祖谷街道
まだまだ ノーマルタイヤで 大丈夫~
※多分ね

みんな、今日もガンバロウ~
空想と妄想は、時として、脳みその活性化を、もたらすことがある…
人間は脳みそなんだ…
草 々




































































奥祖谷冬点描 暮らしの初冬

2012年11月19日 | Weblog
夜もふけて庵に吹きつるこがらしに微かに聞こゆ鹿の音かなし

うき身こそ祖谷の山べにしづめむと思へどうき世のしがらみ絶てづ

こがらしにうき身晒して野に立てば高きすすきの叱咤の鞭飛び

変らねばならぬわが身はさびしけれしぐるる今宵ようき事ながせ



森閑と木立冬めき廃家かな

冬耕の休めば山の白き見ゆ

集落の端に残りし冬紅葉

ひとり寝の落葉からりと夢枕

歩く山孤独の身にもしぐるるか


初冬の装いが濃くなり、初雪もちらほら聞こえてきた奥祖谷のある集落で

Tばあばの話を聞き入り、なるほどと頷いたものである。

「のう、あんたもよう写真を写しているがのう、写真というのは

ココロまでは写るものじゃあないのう」

「ばあちゃん、どうしてそう思うん」

「それがの、前にも蕎麦の花や芋の花なんかを時たま写しに来る下の人が

春先に来ての、わたしの写真を撮らせてくれと云うじゃわ、わたしゃ、嫌じゃと

云うたんじゃが、聞かんでのう、仕方無しに写すことになったんじゃがの

それが、ああじゃ、こうじゃ云うて注文が多いわ、うるさいやらで堪えた」

「あんがな人というのはわがままで、横着なひとなんじゃのう、

雪が残っとる寒い日じゃったが、外の石垣に出て鍬を持って立ってくれ云うて

そんで一枚撮って、終わりかと思うたら、隣のばあさんを呼んできて二人のを

撮りたいけん、呼んで来いと云うのじゃわ、そんで嫌がるばあさんを連れてきて

写したんじゃがの、その時のわたしのこころはの、煮えくり返るほど腹は立つし

ちょうど昼時でお腹は空いて堪らんかったけん、よけー腹立つわな」

「ばあさん、笑って、笑ってと云うがの、腹が立っている時に笑えんわいのう

そんがなで、がいに怒った顔をして写っとろことじゃろうと思っていたんじゃ

それが、こないだ写真を送ってくれたんじゃが、わたしゃ、おぶけた(びっくり)

写真には笑っているわたしが写っていたんじゃわ、まっことおぶけたでのう

写真はココロが写らんのじゃのうと思うた」

80歳のTばあばのニコニコ顔の写真を見せてもらいながら、この体験からの

結論にわれながら納得したわけである。






































































菜菜子の気ままにエッセイ(初雪とオッサン御一行様だよ~祖谷八景)

2012年11月16日 | Weblog
「歩く道徳」のような主様が、迎えて下さいました祖谷八景っ!
また…また…お世話になってしまったわたくし。

しかも、しかも、猪も鹿も、本日は初雪~初霰(あられ)が祖谷山に到来っ~
寒い…めちゃくちゃ寒い…こんな日にこんな1番寒い日に…紅葉狩りにきた
ジィスイズオッサン御一行様三名~!
と雑種犬?「ゆず」
吠える 甘える 吠える「ヤカマシイ!ヤカマシイ!吠えなっ!こらあ~!」
と叱っても、言うことを聞かないっ
しつけが なってないっ※Butっゴンも若い頃は、吠えていた。

…で、つむじんこちゃんご夫婦達(プラス・チビちゃん達)が、お料理を沢山作って持って来て
下さった。御姑さんの育てた野菜を使った野菜中心お料理。超ウマシ~!
アレンジもキレイにまとまってます。
美味しいから、食べ過ぎてしまいますが、低カロリーだから、有り難い。
ケーキも美味しいっ!こいつ、何でも作れる…なんで…だ?

本日のご馳走は、手作りバイキングです。

オッサンは、みんなが集まる前から、正確に言えば、午後3時5分…チビチビと呑んでおりました。
それから3時間…オッサンは、意識が失くなりかけてきたので、早く集まるように
みんなに電話をかけました。雪が降っても、ワタシって、いい人
それから、ガヤガヤと集合し、囲炉裏は、男子で陣取られました。
旦那様は、お焼酎を呑んでおられます…

妻は、ご馳走の側に座っているので、いつでも料理に、手が届きますが、旦那様は囲炉裏の前で
鎮座しておりますから、すぐには、食べられません。

「とと」が座りました。
つむじんこちゃんは、すぐにお皿に料理を山積みして、ととの前に置きました。
オッサンの嫁さんは、旦那様をず~~っと遠くから、見守っていました…?
正確に言うと、3時5分から、見守っていました。
妻がオッサンに、大きな声をかけた一瞬が、一度だけありました。
オッサンは、持参した処方された薬を、4時位に飲んでいたのに
再び、8時位に飲もうとした時です

「お父さんっ!!!クスリは、さっき、飲んだだろ~!!!」
叫んだ嫁さん…

オッサンの妻は、オッサンが訳の解らないことを、グタグタと言い始めた時
「もう!お父さんっ!」
と眉間にシワを寄せます。
つむじんこちゃんは、ととのテンションが上がり過ぎて、困った時に、口をとがらせます。
「もうぉ~ととって~」
とワタシ達に、嬉しそうに口をとがらせます。
…この表情
…年配の嫁さんがやったら、周りから
「どしたん?差し歯?噛み合わせ悪いん?」
と言われます。多分?
オッサン夫婦
とと夫婦
夫婦の歴史の違いか?
夫婦の
「あくばったわぁ~」※注 あくばったとは、飽きたわ~の祖谷弁どす。
の違いか?

様々な夫婦。
永い月日。妻は夫を洗脳し、夫は永い月日、洗脳から目覚めないまま
妻亡き後も、泣き暮らし、妻は、夫に洗脳されてるように見せかけ
夫亡き後は、バンバン人生を、チェンジできる~
女って、嫁さんって、オソルベシ~!

見送って下さった
祖谷八景の主様。ありがとうございました。お陰で夜遅くなのに、なぜか?明るかったです。
賑やかに 集まりは終了し、あとには、やたらと元気な元管理人と
意識不明ギリギリの「赤いバンダナ」を巻いた、オッサンが残されました。

やっぱり ええなあ~
落ち着きます。この場所。
主様の奥様も 慎ましい~!
良妻賢母
わたくし 料菜暄母?

冬到来っ!
イザッ 雪の峠越えっ!
通勤がんばりますっ!みんなが、それぞれに持っている、
「チカラ」の素をぎゅうぎゅう詰めにして、がんばろうね。
祖谷出身者よ!君達は一人ぼっちでは ないっ!もんてこいよ!
だれぞは おるわ
多分… 草 々


















































































菜菜子の気ままにエッセイ(てらおの兄さんのてんご新聞・転写)

2012年11月09日 | Weblog
てんご新聞185号より
(秋に想ふこと)
早くも2012年もあと二ヶ月になりました。月日の経つのが早く感じます。
ようやくと言うべきか、早くもと言うべきか、十月で母が生きた年月を自分もいきてきて、
母より長生きをしています。

長いという感じがしません。いつの間にか、その時が来たという印象。
その時その時代を夢中で生きてきた結果、今日を迎えた印象が強いです。
ふる里祖谷に帰って18年目を終えようとしていますが、Uターンした時は、特別何かをする目標もなく、
暮らしはじめ田舎を楽しんでる内に、便利さを求めず不便を楽しむすべが、身につき
田舎、山暮らしの楽しさ、面白さに気がつきました。

母がまだ元気な時は、田、畑が多く残って娯楽よりも仕事の時代。父よりもよく働いていた印象が、強く残っている。
その田畑は、今杉林になってしまって、風景は様変わり。ということは、生態形も大きく変化しているけれど
声高に叫ぶ者もいません。そんな杉林中心の祖谷になっても面白い。田畑がなくなり、
苦労する農作業中心の生活をすることがないから、面白いなんて言う〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

※読めない原稿の端っこが、キレている

家の庭まで、鹿猿猪がやって来る様になって、農作物等の被害が多くて苦労はしますが
祖谷を去ろうなんては、考えもしません。
私が生きて来た年月、多くの事物や人を失くしてきました。
失くしたのは、父や母だけでなく、少なくない知人、友人とも別れてしまいました。

帰省して親しくなった皆さんの中でも、年上の人ばかりでなく、年下の人も失くしてきました。
父と母と同じように、私の胸の中だけでは、生きています。
田畑だけでなく、家々をはじめ、多くのものが失くなっています。
最大のものは、祖谷という山村に、人が住み初めてから、代々営々と築き上げてきた物。
ここ数十年で失くした物は、お金を払っても、取り戻すことが出来ません。
時代の流れとして、受け入れるしか、ありません。

過ぎ去ってしまった時代には、戻れないのだから、これから先、自分はどう生きるのか
どんな時代を生きるのか、考えても、どうすることも出来ず、今までの生き方のように、
生きるしかありませんので、やっぱり楽しく、面白くと思います。
多くのものを失っても幸福を感じています。

人生悪くないなあ!
一人暮らしでも、孤独感は感じません。欲しいものも、特別ありません。
いつの間にか、足ることを知りました。

ただ冬になりはじめると、活動が鈍くなって来て、冬眠をはじめるだけです。
元気なら、また楽しい春を、迎えれます。ちょっと気になるのは、保険証の色が変わったり
介護保険証が送られて来て、まわりから「老人」あつかいをしてくるので、少しずつ気持ちの変化が
出てくるのではという事です。秋も深まり、風向きが変わると、こんな事を 想う日々です。

以上
以下、菜菜子の想う事
※手書きの文字読みにくい
※携帯に打ち直していたら、夜中を過ぎた。シンデレラになった。眠たい。お腹空いた。
※いっつもいよるのに、新聞端っこ、用紙がはみ出して、なんて書いとるのか 読めん
※欲しいものないんなら、私が代わりに、使ってあげます。任せなさい~~♪
草 々






















































奥祖谷晩秋点描 暮らしの晩秋 

2012年11月06日 | Weblog
奥祖谷は秋の末なりもみじ葉の散りてわびしき庵の庭かな

ひとりねの庵に洩れ来る月あかり行く秋惜しみ窓に佇み

行く秋を星ふるさとに佇みて末のもみじ葉ふたひらみひら

暮れ果つる秋の奥祖谷やまのべにこがらし吹きて侘びかりけり

流れつつ祖谷の谷水くみをけど木枯らし吹きて果つる秋かな



鹿鳴きの夜空も焦がす渦を見し

行く秋や節くれ多し老婦の手

行く秋や刻々迫り旅立ちぬ

流れつつ澄みし心の暮れの秋

奥祖谷や二つ三つ夜の秋惜み





































































菜菜子の気ままにエッセイ(紅葉と祖谷八景と財布カラカラッ)

2012年11月04日 | Weblog

このまま台風が来なければ、今年の紅葉は最高に綺麗~!
と確か言った覚えはありまするが、イマイチハッキリしません。
下った先の町の紅葉の方が、いい感じに染まっております。

猛暑から、そのまま冬の気候になったような山間部。いつもの、テキトーな想像ですが
葉っぱが季節を自覚出来ないまま、染まるのが、トンチンカン?になっているんだと、思います。

まだ、紅葉は途中ですよ。バラバラで染まっております。揃わない打楽器みたいな?そんな感じです。
淡い黄色が、全体的に多いです。

…で、紅葉情報等、伝えられなくて、ゴメンなさいね。
前回のエッセイでお察しの通り、ワタシ、めちゃくちゃ忙しかったのでした。
法要は、自宅で行いまして、食事はお墓のあるヴヴヴ星人の自宅をかり
早い話、空き家の敷地周り、家の中、墓掃除、
そして、我が家のお掃除。そして、お料理の数々。夢遊病者のごとく、一人で働きました。

主人のお姉様夫婦、甥カップル甥家族、合計8人には、祖谷八景に泊まって頂きました。
古民家の予約をしていることしか、伝えていなかったから、岡山を出る前に
ネットで甥のお嫁さまが、調べたらしい。

そして、あのイングリッシュ超ゴージャスな古民家の宿泊を
ワタシがプレゼントしたのだと、にわかに思い込み…
『お・おばちゃん…もしかして…スゴイ高いところ、予約してる…
え~?めちゃくちゃ、宿泊料金~高い~!』と恐縮しながら、祖谷に向かったそうです。
※ケッケッケッ

…で 私の案内のもと祖谷八景到着。
玄関の戸を開けた途端、みんなが、歓喜の声をあげた。
『うわあ~!スゴイ~!キレイ!』
ワタシは、まるで自分が建てたかのように、玄関先で、オーナーと立ちつくし
満悦の笑みを浮かべておりました。

オーナーの説明の前に、屋敷の説明をしたくて、たまらないわたくしは、
足がねずみ捕りの粘着シートの上で、小刻みに足踏みしているような?
へんてこな動作を、していました。

…で、やっぱり止められない~!
しゃべりたい~!
説明した~い!説明させてくれ~!
口と足が同時に、反応する。
『入って入って』
『築300年よ~スゴイだろう~!』
『寝室も二部屋あるんよ~!』
『トイレは水洗、お風呂もキレイよ~』
『いろりの炭も全部、準備してくれとるし、暖房付き~!』

まるで、自分の別荘のように、説明してしまう…仕切りたがる悪い癖…
ゴメンなさいね~オーナー様!

そして、オーナーが動き出した。こいつも、説明したくて、ウズウズしてる…?
「布団は、足らなかったらここにありますから、コーヒーも自由に飲んで下さい。
米も使って下さい。みかんも食べてよっ」

甥のお嫁ちゃまが、小さな声で囁いた。
「ここから、ネットに出ていた、料金の高い古民家が、見えるんですね」
『そうなんよ~ワタシは、あそこを予約する、甲斐性はないよ~!この家には、祖谷の匂いがするよ~ええところだろ~』※注…満悦のどや顔…化粧崩れかけ

子供達は囲炉裏ではしゃぎ、女性陣は、台所ではしゃぎ、めちゃくちゃ喜んでおりました。
喜んで貰えて、よかったです。
ありがとう。祖谷八景のオーナー様。
あなたが修復した隠居で、全く他人の私達は、こんなにも、ワクワク出来ます。

12月は水道水が凍るので、お休みするみたいです。予約してみて下さい。丁寧に断って下さいます。

星がスッキリと、輝いております。
月も、大気を一杯に吸いながら、静かに鎮座しております。

今夜の気温 5度。
一気に冬ですよ。
今日遭難された方々が、おります。明日の捜索になりそうです。無事でありますように。
祈っております。

紅葉しなくても、ぐちゃぐちゃな色の山々でも、そんなのどうでもいい…
爺やんや、両親の想い出の詰まった、この山々は私の宝物なのです。
冬を前に…冬かも?
やっぱり 幸せに包まれている わたくしで在りました。
感謝 ありがとう

追伸…法事で財布が
枯木になりました。
枯れ葉は、枝に返らないから、死ぬまで働きます。
草 々









うっすら霧氷












冬枯れの山





































































菜菜子の気ままにエッセイ(七回忌に寄せて…時々懺悔)

2012年11月01日 | Weblog
六年前の朝。
娘達のアパートの炬燵で、ほんの少しうたた寝をして、朝の光に目を醒ました。
キッチンカウンターの上に置いた、白い骨壺を見て、夢なのか現実なのか、把握出来なかった。
娘達は、それぞれに、炬燵布団を被りながら、まだ眠っていた。

病室…お通夜の葬儀場…お葬式…火葬場…そのままアパートで朝を迎えた。
数日間の出来事が、現実として、受け止められないまま、その白い骨壺が、視界に入り込み
ココロが瞬きさえ遮るように、スーと落ちて行くのを、感じた。
「父さん…いないんだ…いなくなったんだね…」

現実味を帯ながら、それでも、この光景を、もう一人の自分が眺めていて
言葉にならない、深い深い喪失感が、身体中を包んでいった。

あの朝から、
六年が過ぎ去った。

様々な出来事が、あった。
様々な葛藤が、あった。

全て、逃げないで、乗り越える事が、出来た。
あの朝の喪失感に比べたら、何とでも、向かい合える、あれ以上の、哀しみ等、存在しない。
六年…を越え、私は強くなった。

自然の中で、三人の仏様と暮らしながら、日々の営みを積んでいる内に、下手な哲学に、行き着いた。

「人は必ず死ぬ…何故…神は、この世界に人間を、造ったのだろうか…」
「殺害によって断たれた生命、災害や、事故によって断たれた生命、冤罪により断たれた生命…
戦争によって断たれた生命…理不尽なことが、この世には蔓延り過ぎている…」

お経で魂が、浄化されるのなら、この世の修業など、必要ない。

そんな下手な哲学を考えながら、七回忌。

お父さん ゴメンなさい。
貴男が大切にしていた、骨董品を風呂敷に包み、骨董品屋さんに、お見立てをして貰いました。
が…価値が無いと断られ、そのまま、持って帰りました。

お父さん ゴメンなさい。
貴男が大切にしていた、18金の腕時計。
ジュエ〇カフェに持って行って、査定して頂きました。
とりあえず、保留にしていますが、時間の問題です。

お父さん ゴメンなさい。
まだ、貴金属は眠ってないか、貴男の持ち物を、片っ端から、家捜ししました。
散らかったまま、とりあえず、箱の蓋は被せてます。

そして…
主人の親戚に泊まって頂いた祖谷八景。メインの法要よりも、昨夜の宿に感激した親戚は
主人を偲ぶ事を忘れて 次の予約の事ばかり 相談していた

合 掌
草 々