露しげき初秋の野べに分け入りし風のけしきに浮き立つ祖谷山
思へただ今日の荒れゆく自然をば愚かなわれ等の為せるうきこと
吹く風はうき世の哀れ告げに来し草葉の露と消えるわが身かも
残暑とは肩身の狭き山の宿
秋蝉や吐息の如く鳴きやみし
蜩や鳴きて哀れを誘ひけり
庭に来し蜩なきて遠ざかる
鹿に何の落ち度も無いのだが、すべては人間の生活に貪欲な快適さを
求め続けたことに起因したものである
人間も含めた生物多様性の生態系の自然に於いて人間だけが勝手に快適さを
求める行為を取ったために自然の生態系を破壊してしまった結果がこの始末
なのだと理解することであろう
人間が犯した行為の結果は人間を苦しめて自分の首を絞めることになり
現在の我々と後世の世代の長きにわたって生活を脅かされ社会生活の歪みは
拡大化して苦しむことになろう,、自然現象のゲリラ化、異常化ですでに
散々な目に遭っている
祖谷の山々についても早晩、裸地化によっての山崩れが発生する可能性はある
現状でさえ、山麓の人たちは暮らしを脅かされ、山歩きの人たちは苦い思いを
味わっている
自然の生態系に組み込まれている我等人間が今の自然を破壊したと率直に認識して
次のステップに行動すること、我等の生活態度、生きてゆく態度を今の状態から
変えてゆくことである、このことによって生態系の破壊の拡大化を最小へと移行
させることで生態系のバランスの回復を願う以外にないのではないか
嘆いていても、黙っていても、無関心でも、何も変わらない、奇跡は起きない
ひとり一人が生きてゆく態度、生活態度を行動を持って変えてゆくことだ
NAGANO NIPPO ニュース
シカ食害による裸地化箇所で土砂流出 八ケ岳硫黄岳で確認
2012-8-12 6:01
ニホンジカが植物を食べて裸地化し、その後の大雨で土砂流出が起きた現場を、南信森林管理署(伊那市)が八ケ岳山麓で写真に収めた。「ニホンジカ被害が、これまでの食害から次のステップに進んだことを示す」と同署。県上伊那地方事務所林務課は「上伊那では同様の事例は確認されていない」としつつ、「食害が進めば管内でも起こりうる」と警戒を強めている。
同署によると、現場は茅野市の硫黄岳南側斜面の標高2400メートル付近。以前は花畑が広がっていたが、近年は鹿の群れが現れるようになり、食害が深刻化。「草が生えてくると食べられる。その繰り返し」で植生が薄まり、1年前の時点で斜面の一部は表土がむき出しになっていた。
大雨が降った後の今年7月18日、同署の関係者が現地に赴くと、裸地化した場所が土砂崩れを起こしていた。
高山帯の土砂流出の影響は登山者の安全や観光面だけに留まらない。同署は「土石流発生の可能性が高まり、被害も大きくなることから、里にも影響する」と指摘する。
これまで県内の鹿被害は高山植物や樹皮、農作物など1次的な食害が脚光を浴び、対策もそちらに集中。裸地化により、2次的な土砂流出の危険性が高まることは指摘されていたが、実際に被害が確認されるのは珍しく、対策が取られていないのが現状だ。
県によると、南アルプスの塩見岳でも鹿食害で裸地化が進んだ場所がある。「雨の降り方にもよるが、土砂流出が起こることも想定される」と同課。同署は「原因が特定できずに山肌が崩れている場所はまだある。実際はもっと深刻なのでは」と推測する。
対策も難しい面がある。例えば、治山工事で斜面を回復して緑化を施しても、鹿が食べ続ければ再び土砂流出の危険性は高まる。両機関は「鹿を捕って数を減らしていくしかない」と口をそろえる。
信毎WEB ニュース
ニホンジカ、北ア稜線に 山小屋関係者ら相次ぎ目撃 08月15日(水)
南アルプスなどで高山植物の食害が問題化しているニホンジカの高山帯進出が、北アルプスの稜線(りょうせん)にも及んだことが山小屋関係者らの話で分かった。後立山連峰・鳴沢岳(2641メートル)では7月、近くの山小屋スタッフが稜線直下の雪渓でシカ1頭を撮影。近年、北ア山麓や亜高山帯で目撃される例が目立ち始めており、「想像以上の早さで生息域を広げている」と関係者は懸念を強めている。
環境省松本自然環境事務所によると、北アではこれまでに南部の乗鞍岳や、北部の栂池高原、八方尾根の亜高山帯で目撃例があるが、稜線進出の報告は初めてという。
撮影したのは、大町市と富山県境の稜線上にある新越(しんこし)山荘支配人、小田木正邦さん(30)。7月2日午後4時ごろ、登山道に注意看板を立て終えた帰り、鳴沢岳山頂から同市側に数十メートル下がった雪渓を上る動物を見つけた。
付近は斜度が45度を超える急な岩場で、一瞬、カモシカかと思ったが、「毛色が灰色がかったカモシカと全く異なり、お尻もシカ特有の白い毛だった」ため、100メートルほど離れた位置からズームで撮影。シカはそのまま低木帯に消えたという。
「いつ来てもおかしくないとは思っていたが…」。新越山荘を含め、鳴沢岳から鹿島槍ケ岳(2889メートル)にかけての稜線上で三つの山小屋を経営する柏原一正さん(56)=大町市=は厳しい表情だ。
柏原さんによると、既に3年前の秋、爺ケ岳(2669メートル)北の稜線上2500メートル付近で、近くの冷池(つめたいけ)山荘支配人がシカとみられる動物1頭を目撃。体形や跳びはね方から一見してカモシカと異なり、黒部峡谷側に駆け降りていったという。昨年秋からは柏原さん自身、鹿島槍ケ岳に向かう赤岩尾根上や登り口の大谷原で何度かシカを確認。10頭近い群れも見たという。
同事務所自然保護官の有山義昭さんによると、麓の鹿島集落や小熊山では既に越冬個体や冬場に群れの足跡が確認されており、「北ア山麓に定着し始めているのは疑いない」。今のところ周辺の高山帯で明らかな食害は見られないというが、さらに北の白馬岳(2932メートル)一帯には、タカネキンポウゲやウルップソウなどの希少な高山植物群落もある。
「ここ2、3年のスピードを考えると、話に聞く南アのお花畑の惨状がひとごととは思えない」と柏原さん。環境省、県などは白馬岳、上高地―乗鞍岳を重点対象地として移動経路などの調査を始めており、有山さんは「まずは越冬地や生息域を把握し、山麓で高山帯への進出を抑える対策を進めたい」としている。
NAGANO NIPPO ニュース
霧ケ峰のシカ発見数前年の2.1倍 春夏出現調査まとめ :2012-8-15 6:01
県環境保全研究所と県霧ケ峰自然保護センターは、諏訪、茅野、下諏訪の3市町にまたがる霧ケ峰で、5~7月に3回実施したニホンジカの出現状況調査(ライトセンサス)の結果をまとめた。1回当たりの発見数は120頭で、55.6頭だった前年調査の2.1倍に増加。大きな群れも確認し、「一段と生息密度が高まったとの印象を受けた」としている。
ただ、主要調査地点でもある国天然記念物・八島ケ原湿原(下諏訪町、諏訪市)では7月中旬から、猟友会員12人で編成する諏訪地域広域捕獲隊が、防護柵の外側などでくくりわなを用いた捕獲対策を開始。今後、鹿の行動や発見数にどのような変化が出るのか注目される。
調査は2004年から毎年春夏と秋にそれぞれ実施。ボランティアの協力を得て、夜間に草原や森林帯にライトを照らし、光る鹿の目から頭数把握している。ビーナスラインなどの道路沿いで続けてきたが、春夏調査に関しては昨年から登山道沿い(計3ルート)に切り替えた。
5月8日に行った初回は、168頭だったことが分かっている。センターによると、同14日の2回目は106頭、7月19日の3回目は86頭。ルート別では沢渡―八島が239頭と最も多く、車山湿原―外輪山の91頭、車山肩―ゴマ石山の30頭と続いた。
初回は、八島湿原東側の柵外に広がる牧草地で大きな群れを確認したが、3回目調査では車山湿原―外輪山が最多の59頭に上り、八島のルートは16頭にとどまった。「春は八島湿原周辺が餌場として好まれていたが、夏になって外輪山周辺の採食環境が良くなったことが考えられる」と分析している。
調査に当たる同研究所(長野市)の岸元良輔・自然環境部長は「秋の調査も右肩上がりを続けている。密度がさらに高まると心配だ」。広域捕獲隊は、わなの設置で鹿に警戒心を与え、湿原周辺への出没個体を減らすことも狙っている。