秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   SANE著

2007年08月18日 | Weblog
ワカラナイ
盆が終わり、娘達が町に帰って行った。私は大量に干してあるベランダのタオルとともに残された。残暑が厳しい。家の裏がすぐに祖谷川という我が家の必須条件は、湿った空気で洗濯物がなかなか乾かないという現実。それにしても、このタオルの量。日本人がみんな娘達のように、タオルを愛用したならば、タオルの会社は、絶対に倒産しないだろう。財布は適当にバックにいれたまま、無造作に置かれたままなのに、携帯電話は、一日中傍に置いてある。前に私が、着信音をイライラすると言ったものだから、バイブにしてくれている。有り難い。
娘達が誕生したのは、二十二年前の夏。小さな町の産科の病院の中は、朝から慌ただしかった。「双子が産まれるのよー」看護婦さんが、顔見知りの患者に汗をかきかき、話したと聞いた。私は分娩台の上で、微弱陣痛に腰の痛みと闘いながら、点滴を左手に刺されたまま、天井を見つめて歯を食いしばって耐えていた。看護婦さんが入ってきて、笑いながらカイコウ一番、私に言った「控室で旦那さん、大イビキかいて、眠っとるわー」
「はあ~」!!! 結婚してから一年しか経っていないのに、ドラマのワンシーンのように、もう少し何かの行動をとれないものなのか?今、まさにこの世でたった一人。じゃないたった二人しかいない我が子が誕生するという一瞬なのに!主人に期待しない症候群はこの日から妻にインプットされた。「半分の力を残して産むのよ!力を全部使うと、次の子が出てこられないでしょう!頑張って!半分、半分」婦長さんが、半分惑星から降りてきたつかいの人のようにひたすら、半分を叫ぶ。一人を産み、七分後に次女。「終わった~」看護婦さんがみんな喜んで、分娩室の中は、歓声に包まれていた。私が病室に帰ると、主人が起きたらしく、まだあくびをしていた。主人は、ベットでギブアップしてしていた妻に向けて声をカケタ。「おーー、産まれたか?セコかったか?子を産むのは、痛いし、セコいんじゃわ~」 「はあ~」!!! 妻は夫の正体を知った。この男は、ゴーイングマイウェイと、ノー天気のカタマリなのだという現実を。そういえば、タオルも少し拭くと、廊下にポイッと置いていた。嫌な遺伝子を感じるが、考えないことにしよう。今の私が真剣に考えなければならない事は、ただひとつ。台所の床で殺虫剤も使っていないのに、ゴキブリが仰向けで死んでいた事。「何故?」ワカラナイ。
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