秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   SANE著

2007年07月25日 | Weblog
同居人
一週間前から、同居人が出来た。娘には、まだ話してない。余計な心配をかけては、親として失格だから。とにかく、紛れもなく同じ空間で同じ時間を、共有している。彼か、彼女か、もしかしてその中間なのか?電球のペンダントに住み就いている。働き者なのか、忙しく傘の中をぐるぐる廻っている。少しずつ大きくなっている。蟻なのか、ゴキブリなのか、蝿なのか???確かめたいけど、テーブルの上に上がるのが、面倒くさい。何気なく植えてしまった、トマトの苗が、バンバン伸びていく。苗を縛ることさえ、面倒くさいのに、テーブルに右足から上がり、ましてや転ぶかも知れないという代償を払ってまで、そんな危険な事をしては、身体に悪い。とにかく、真下から動く黒い点を、ジーと見つめている。キンチョールひと吹きで、同居は解消されてしまう。退屈なので、そんな武器は使わないようにしょう。私の取り柄は美貌と優しさだ。他人に言われなくても、自然と自分で解るから。しかし、それだけでは生きて行けない現実に、直面してしまった。そう、美貌と知識と優しさだけでは、生きて行けない現実!水、電気、米、ケーブルテレビの基本料?そんな低いレベルの問題ではない礼服のファスナーに、手が届かない!息を止めて、この世の終わりのような形相をして、右手の人差し指を、必死で伸ばす。あとイッセンチ。綺麗にメークをしても、一気に汗が流れる。冬は、上からコートを着て友人宅に駆け込んだ。夏は、このまま外にでたら、唯の変人になってしまう。一人になって、あの無口な主人の存在の偉大さを、痛感してる。礼服の背中のファスナーを上げて貰う時と、背中が痒い時だけ、主人を頼っていた。立派に、依存していた。私は右手を鍛える訓練を、いますぐ始めよう。電球の中の同居人は、役に達ちそうにない。
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