秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   SANE著

2007年10月13日 | Weblog
二等辺三角形
今日は、晴天。欅の葉っぱのカーテンも少し透明になってきた。対岸の祖谷川が、かなり大画面にて、鑑賞できる。川音もライブで伝わってくる。なんという、贅沢な環境!
久しぶりに、主人の置き土産の、金魚の水槽を掃除することにした。水槽と言っても、庭に出してある大きな浴槽!
一度言い出したら聞かないあの男は、夫婦で造った石積みの水槽を却下して、オンボロな浴槽を拾ってきて、その中に金魚を移し替えた。
「石は金魚には、いかんのじゃ!病気になるんじゃー、妙な斑点、すぐに付くんじゃー」
ここで、解説しときます。これは、炊飯ジャーの話ではありません。ドラマ的標準語に訳すと、
「君と一緒に水槽を造ったけど、金魚が病気になってきたから、可哀相だから、別の浴槽に移してあげよう」
ワイフは、答える。
「そうね、あなたが言うならそれでいいわ」
しかし、現実はこんな感じだった。必死で私が川に行って、盗んでじゃない、拾い集めた石、支出のモルタル代、全てが数カ月でちゃら?財務省の妻は、怒り爆発!
「ええかげんにせえよ!石が金魚にワルインなら、日本中の池の鯉、全滅シトルわ、何をぬかしとんじゃ!」
と心の中で叫び、賢い妻は、黙って一時間位、主人と口をきかなかった。私の武器は、「無言」になること。この武器は、陰湿でオソロシイ!その武器に、主人はずっと耐えたのか?取りあえず、ごめんなさい。でも、あなたも悪いでしょう。
水槽の掃除をしていると、近所の独身のおばちゃん二人が、野暮用で私を手招きした。久しぶりのイドバタ会議参戦!
おばちゃんの家の玄関の前に、小さな花壇がある。そこに私の好きなかわいらしい草花が、植えられていた。私は母親に似て、草花の健気さが好き!だから私も健気なのか?
「この花かわいいねー何ていう名前だったかなー」私が尋ねた。
「この花かわいらしいだろー、〇〇さんが好きだった花なんよー、それで植えとんでよ」
おばちゃんの言う〇〇さんとは、五年前に亡くなった最愛のご主人の名前。
私は、イドバタ会議が苦手だ。友達となら適当に参戦出来るが、相手が年上になると、妙な気を遣ってしまう。鋭い勘は、的中した。まずは、おばちゃん二人のやり取りは、こんな感じー。
「今年は、花がどっこも綺麗なけど、春に咲かないかんのが、今頃咲いとるんでよー」
「ワタシんくの婆ちゃんが前に植えとった花、芽がデトンでよー」
「親戚の叔母さん、〇〇煎じて呑んで、キレイに腫れがひいとったわー」
「その芽見て、〇〇のおっちゃんがあれは何の花なーって言うんでよ!」
説明しときますが、私は二等辺三角形の先っぽの場所で、二人の会話を聞いて、頷いていただけなのです。二人の会話は、衛星中継のように、完全にダブるのです。ダブル、ダブル!誰も止められない!京都のガイドブックを見せられて、途中で沖縄に差し替えられてるような、空中をさ迷う会話!私は話の切れ間を、息をコロシて待ってました。こんな時(ワメイ)さんの妻なら、
「ハイ!ハイ!この話はオシマイな!」と上手に句読点を打つのだろう。
句読点を打たれた後の、わめいさんの〈ニタリ〉とした怒られた後の子供のような笑った顔が、ふと、ヨミガエッてきた。
本日も、無事に終了。私のエッセイに無断で登場させられる皆さん、ごめんなさい。そして、有り難う!
合掌
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2 コメント

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Unknown (菜菜子)
2007-10-15 05:47:31
バーチャルさん
同罪、有り難うございます。活彩祖谷村民は、みんな親戚同然!
紅葉の頃に、遊びに来て下さい。 菜菜子
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御免なさい (バーチャル)
2007-10-14 21:54:48
菜菜子さんの言葉じゃないけれど、祖谷の皆さんの
名前が出てくる度に、皆さんと親戚のような気持ちになります。
日常のことなのに、ウフフと笑ってしまいます。
題材なった人達に、私からも御免なさい。  
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