よこたへし真紅の茎はみだれたりそばかり鎌に秋かぜ吹きし
秋かぜになみうちみだるる薄かな明日をも知らで孤高に天突く
訪ふさとの老婦はひとり畑しごと匂ひし木犀ひと枝添へし
わが庵にまゆみの紅き実はたわわ鹿なき声に秋雲わびし
秋風がここちよく、たなびく雲を見上げて、久保集落を何時ものように
ゆっくりとした足取りで立ち止まっては写真を撮り、蕎麦畑は実をつけた
そばの茎が紅く染まって、間もなく刈り取りの日を待っている
畑にしゃがみこんで何やらもぞもぞしているじいさん、ばあさんから
挨拶のやり取りをしていると、知っているお年よりは「もんたかえ」と
云ってもらえるのが、一番嬉しいものである
久保では一番長く暮していたものだから、僕に「下から帰ったかえ」と
集落の住人のように扱ってくれるので、何時も胸が暑くなる
例によって、あちこちと寄り道しながら林道の最上のT老婦の家まで訊ねる
ちょうど前の畑でさつまいもを掘っている最中であったが、最後の一畝を
掘り終えると、「袋に芋を入れて持って還れ」といっぱい入れて土産に
してくれた、去年も貰ったが、山のさつまいもはとびきり美味い
縁側で祖谷番茶を馳走に、長話をして帰り際に、庭でいまを盛りの金木犀の
一枝を折ってきて運転席の前にでも飾って、良い匂いを楽しんだらと
差し出してくれた、優しい、老婦である
老の庵から見上げる三嶺、天狗塚、牛の背のやまなみは見事な眺めである
毎日夜、朝日に、夕日に、星降る夜に、新月から満月に、四季折々の風景は
いくら、眺めても飽きることが無い
わが庵、わとうちの庭にはまゆみの実が赤くゆれていた、陽は傾いて静かに
秋風はひんやりと肌寒くなってきた
いつの間にか、とばりが降りて秋風に乗って鹿鳴きの哀しげな声があたりを
包んで、夜はふけてゆく
地デジになってから、テレビは見えないから、僕にはちょうど良い夜である
しずかに、本を読んだり、下手な詩歌を作ってみたり、ぼんやりと鹿鳴きを
秋風の囁きを聞きながら、いつの間にか眠っているわけだ
秋かぜになみうちみだるる薄かな明日をも知らで孤高に天突く
訪ふさとの老婦はひとり畑しごと匂ひし木犀ひと枝添へし
わが庵にまゆみの紅き実はたわわ鹿なき声に秋雲わびし
秋風がここちよく、たなびく雲を見上げて、久保集落を何時ものように
ゆっくりとした足取りで立ち止まっては写真を撮り、蕎麦畑は実をつけた
そばの茎が紅く染まって、間もなく刈り取りの日を待っている
畑にしゃがみこんで何やらもぞもぞしているじいさん、ばあさんから
挨拶のやり取りをしていると、知っているお年よりは「もんたかえ」と
云ってもらえるのが、一番嬉しいものである
久保では一番長く暮していたものだから、僕に「下から帰ったかえ」と
集落の住人のように扱ってくれるので、何時も胸が暑くなる
例によって、あちこちと寄り道しながら林道の最上のT老婦の家まで訊ねる
ちょうど前の畑でさつまいもを掘っている最中であったが、最後の一畝を
掘り終えると、「袋に芋を入れて持って還れ」といっぱい入れて土産に
してくれた、去年も貰ったが、山のさつまいもはとびきり美味い
縁側で祖谷番茶を馳走に、長話をして帰り際に、庭でいまを盛りの金木犀の
一枝を折ってきて運転席の前にでも飾って、良い匂いを楽しんだらと
差し出してくれた、優しい、老婦である
老の庵から見上げる三嶺、天狗塚、牛の背のやまなみは見事な眺めである
毎日夜、朝日に、夕日に、星降る夜に、新月から満月に、四季折々の風景は
いくら、眺めても飽きることが無い
わが庵、わとうちの庭にはまゆみの実が赤くゆれていた、陽は傾いて静かに
秋風はひんやりと肌寒くなってきた
いつの間にか、とばりが降りて秋風に乗って鹿鳴きの哀しげな声があたりを
包んで、夜はふけてゆく
地デジになってから、テレビは見えないから、僕にはちょうど良い夜である
しずかに、本を読んだり、下手な詩歌を作ってみたり、ぼんやりと鹿鳴きを
秋風の囁きを聞きながら、いつの間にか眠っているわけだ
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