秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(大凧と救世主達と・時々ワタシ)

2023年12月17日 | Weblog
前略。
あっと言う間に、凧の季節。
今年こそ、今年こそ!ちゃんとした絵、書くぞー!
アイデアの図案を1ヶ月かけて、丹念な時間をかけて、頑張ろうー!
‥‥‥と、思っていたのに、ノートに書いたのは、昨夜。

大昔、夏休みの宿題は、前半の一週間でやり切っていたオカッパ頭は、
半世紀を生き、こんなに適当な大人になってしまった。

天気予報は見事に当たり、今年も雪が舞っている。寒そうな雪だ。
今年は若者達から、この厳しいご時世なのに、カンパを頂いて、
その気持ちが有り難くて、ジーンと沁みております。
その若者達は、本日の制作作業にも、参加してくれました。
ヤーと、チーくん。

祖谷の地域住民が少しでも不安なく暮らせるようにと、
ボランティア活動を始めた3人組だ。
チーム名は、なんちゃらかんちゃらと言っていたが、ごめんなさい。
オバサンは忘れました。

本当に本当に、今年は楽チンで、作業は終わりました。
私は早い話しが、殆ど身体を使いませんでした。
くちだけを、使いました。
出来ない癖に、くちだけは出す。
年寄りの典型的なパターンです。

『君たちは、ペンキ塗りの職歴があるんじゃないん?』
並の、筆遣いです。普通素人さんは、油性ペンキを上手に塗れませんが、
スッスッと、塗っておりました。
楽しいー楽しいーと、連呼していました。
彼等は、娘の同級生です。
私もとりあえずは、子を持つ親。

だらし無い姿を、見せてしまったら、娘達に申し訳ない。
そんな親心が、強く働きました。
だから、必死で我慢したのです。 
11時になって、お腹が空いて、いつもならテラオの兄さん相手に、
『なあなあ、お腹空いて死ぬわ!昼にしよう!昼食べてから、もんてきたかえを書こうや!』
と、ダラダラとした口調で言うのですが、本日はそんなだらし無い風情は見せられません。
彼等が休みそうなタイミングを、観察しておりました。 
12時を過ぎても、なかなか筆を置きません。

ヤーは、ひたすら塗っては全体を見てバランスを考えていました。
性格が判りやすいです。チーくんは手慣れた手つきで次のペンキの缶をあけてます。
彼等が頑張っているのに、私だけがジーとしていては、申し訳ない。
とりあえず、現場の写真を撮りました。

定年間近の役職を持つオッサンが、仕事をしない訳が、初めて判りました。
くちだけを挟む理由が、初めてわかりました。
『おばちゃん、言うてくれたら、僕らが動くけん』
と、ヤッくんが言ってくれました。
「おばちゃんは、今はまだ、身体障害者じゃないから、大丈夫〜」
と心で呟きながら、楽を覚えていく感覚に、目覚めました。

こんな風にして、楽を快感にして、杖を身体の一部にして、膝を這う為のアイテムにして、
要介護になっていくのか。なんか、納得。
作業は、本当にスムーズに終わり、久しぶりにテラオの兄さんと馬耳雑言?を言うこともなく、終了しました。
なぜか、やっくんが最近ハマっている、モルックというゲームを、4人で楽しみました。

数字が書いてある積み木を、合計点を目指し上手に倒して、二人一組で対戦するゲームです。
数字を見ただけで、競艇しか浮かばない私は、現金を掛けないで楽しむゲームと言うものに、興味が湧きません。
しかし、そこは、人の親。
ぐっと、我慢して、一緒に楽しみました。やっくんが、
また、一緒にしような!と、誘ってくれました。
『お金を掛けんの?』
と心で呟いて、決して口にしませんでした。1日で、おばちゃん、おばちゃんと何度も言われて
、一瞬で5年は歳をとった気分になりました。聴覚から、人は歳を再確認し、試着室の鏡で現実に突き落とされます。

こんな不穏な、世界だから。
色んな願いを込めて。
病気と闘う人。
現実と闘う人。
老いと闘う人。
自分と闘う人。
無力な自分に、愛想を尽かしながら、
私は伸ばした手の幅でしか、何も出来ない。

出来ることを、焦らないで、自分風に生きて行こう。
故郷は、とても古びておりますが、
何色にも染まらないままに、
祖谷は、じっと年月を重ねています。
心 穏やかに
今年も もんてきたかえを、
私達は 届けます。

           草草
































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