秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷 初冬

2009年11月14日 | Weblog
雲上寺にも初冬の匂いが立ち込めて、木々は落ち葉を散らし、風は
箒の役目を引き受けんがごとくに彼方此方に落ち葉をかき集めるて
過ぎ去るなり。


縁側で読書に耽っていたが、暖かい陽射しに堆ウトウトしてしまった和尚は
ひんやりとした風にふっと目覚めると陽射しは雲間に隠れて傾き加減になっていた。
いっとき、忙しかった雲上寺も茲しばらく訪れる人もなく、和尚はぶらり歩きや
読書三昧の日々であった。

初冬の透き通った空気がながれて寂しげに陽射しが山襞に翳を浮き上がらせ
木々に妙なる翳を映し出す様をいつになく愛しくもあり好ましく想う。

陽射しが風景を白日の下に晒して人の目には良く判り、美しいものとして
好まれるに翳は往々にして認識されないばかりか、醜いものと思われ勝ち
であろうか。

翳のなかには見えないもの、それは聴覚、匂覚に類するもの、などが
存在するであろう。

それらは人の根源的なものであろう、それらは思考の時間をひとに与えて
くれて、黙想のときを待つことができる。
座して、謙虚になりて山の声に耳を傾けて聞き、風を感じて匂を探る、、
山に入り思考を凝らし黙想をして心を知るに好ましいと和尚は思う。


















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