30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

6月1日に兵庫県の山ー六甲山を歩く、有馬温泉・金の湯で山旅の仕上げーその5(最終回)

2024-06-07 | 登山

931mの六甲山最高峰、思いのほかアップダウンに手こずったが元気に

◆山行日程
5月29日(水)夜行バスで三重県近鉄四日市駅

5月30日(木)三重県の山[御在所岳]登山
      伊勢市に到着後、外宮と内宮のお参り
        18時から内宮前のホテルで宴会、宿泊
5月31日(金)ホテルの内宮早朝参拝に参加
       三重県の山[朝熊ケ岳]登山
        大阪に移動し、大阪梅田泊
6月 1日(土)兵庫県の山[六甲山]登山
        有馬温泉入浴
        帰京


<わたくしの好きな山登り

山行日 2024年6月1日(土)
天気 晴れ
山域 六甲山系
メンバー 単独
コース&タイム
5月31日(金)大阪梅田阪急駅6:10=6:31芦屋川駅
芦屋川駅6:45ー7:15高座の滝ーロックガーデンー8:20風吹岩8:40ー9:30本庄橋跡ー9:40-10:25一軒茶屋一10:35六甲山最高峰11:00ー12:30魚屋道登山口ー12:50有馬温泉・金の湯13:50ー14:00有馬温泉駅
有馬温泉駅14:10=15:48新大阪=18:42東京駅19:03=19:44我孫子駅


<<6月6日の記事より続く

山をやってとうに半世紀が過ぎている。六甲山を歩こうと思い立つことはなかった。登山の対象の山だとはもちろん承知していたが、どちらかというと観光地のイメージがあった。

あの世に行くまで縁がない山だと思っていた。テレビでは六甲山縦走を1,2度みている。それでも食指が動かない。若い時ならそうでもないのだろうが年をとったいまでは行こうかとその気にならない。

5月30日に伊勢市で同窓会があり、それならついでに登ろうと御在所岳と朝熊ケ岳を計画した。アズマ男がここまで遠出して、1泊2日ではもったいない。せめて2泊3日にしたい。もう一山をどこにしようか。思いついたのが六甲山だった。

伊勢から大阪までは近鉄で2時間ちょっと、これなら行ける。これで決まった。

心配は3日連続の登山になることだ。これまでなんどもくどくど書いてきたとおり、ひざの状態がよくない。昨年の後半から山はやめていた。痛みが軽くなったので、どの程度歩けるかと4月に二つの山を歩いてみた。あまりの体力低下にショックだった。それから1カ月。筋トレに励み、今回に臨んだ。

初日の御在所岳は苦労した。歩けたもののダメージを負った。2日目の朝熊ケ岳は問題なく歩けた。それでも疲れている。

コースは芦屋川駅から六甲山最高峰へ経て有馬温泉に下りる。最初に歩くならこのコースとガイドブックは推す。

どの程度の標高差があるのか。芦屋川駅が29m、六甲山最高峰が931mで標高差は900m。甘く見てはいけない。御在所岳は近鉄湯の山温泉駅から歩いたから標高差は1100mを超した。さすがに疲れ果てた。

最後の力を振り絞って歩くしかない。


阪急電車が芦屋川駅に近づくにつれて山が急に迫ってきた。駅は山の斜面にあることがわかる。

駅からロックガーデンまで舗装道路の坂道を行く。途中まで両側に芦屋の“邸宅”が立ち並ぶ。我が家だってこんなものだ(ウソです)。山が海に迫っている町は平地が狭いから住宅開発は山のほうへ行く。4月に歩いた鎌倉がそうだ、長崎も尾道もそうだ。鎌倉で聞いた話では、坂道は見た目がいいが、老人になるとこの坂道が苦労のタネになるという。気軽に買い物にも出かけられなくなる。

ロックガーデン入り口。

すぐに高座の滝。



ここからロックガーデンは岩場の急な登り。真剣になる。しばらくは慎重に行くに越したことはない。

風吹岩

このコースは山頂に行くまであまり展望に恵まれない。途中ここが一番の展望所になる。

さてここで道草を食った。地元の60歳の男性が話しかけてきた。育ちが良さそうな方だ。なぜか友好的で、つぎつぎと話題を持ち出しては話しかける。先を急いでいる。だが無下にすることもできない。そういえば昨日も朝熊ケ岳の頂上で長話をしてしまったな、と。結局は20分近くになった。なんとか話を切り上げて先にすすむ。なぜわたくしに声をかけたんだろう。

先行している3人組がコースを外れて左折。標識には横池とある。向こうからきたかたにたずねた。すぐそこ、1,2分で行ける。
蓮の花だ。

登山道はゴルフクラブ(芦屋CC)の中を行くのだろうか、ゴルフカートが登山道を横切っていく。これにはびっくりした。たまに「ナイスショット」の声も聞こえてきたりする。

風吹岩から、最後の急登となる七曲りまで、地形が複雑だ。アップダウンの繰り返し。沢が出てきてなんどかの徒渉もある。気がまぎれていいのだが、先が長く感じられる。

本庄橋跡。この先いちど徒渉して、七曲りに取りつく。ここから急坂。登りきると山頂は近い。
ここからが大変ですよと、行きかう登山者になんどか言われた。覚悟はできている。確かに急だ。しかし長く続かない。きついことはきついが大したことはない。この年寄りがそう思うのだから、きょうは連日の登山で疲れているとはいえ、体が慣れてきたことがわかる。



なんとか登り切って一軒茶屋に。目の前をドライブウエイが走る。見ないことにして、ここから山頂は目前。

六甲山最高峰に到着。出発して4時間弱。後期高齢者の老人としてはまずまずのタイムだ。途中さすがに苦しかったが、持ち直してこのタイム。頑張りました。

立派な山頂標識。ここで記念撮影。次々と来ては取っていく。皆さんこんなポーズをする。「六甲山最高峰」の「峰」の字を手で覆ってポーズ。すなわち「六甲山最高」と写る。または「山」と「峰」を手で覆うと「六甲最高」と写る。山頂標識が、六甲山最高!とか六甲最高!と声を発しているかのようだ。SNSで広まり、それを皆さんがまねしているという。

私もそうやってみた。照れる。手元にその写真があるが公開はやめておこう。

山頂にはパラボラアンテナが。

ロープウエイ方面の展望

有馬温泉に向けて一気に下山した、ひざの痛みを感じることなく。安心した。有馬温泉側の魚屋道登山口。

さあ温泉だ。きょうは週末。金の湯は混むだろうから別の湯にと調べたら、この登山口右手にある亀の井ホテルの泉質がいいと。しかしこのホテルから有馬温泉駅までは20分以上もある。せっかく汗を流してもまた汗だくになる。それなら駅近くの金の湯にしようか。

金の湯の係の人に尋ねたら、込み始める時間帯だが、いまはすいているという。ゆっくりと湯につかり汗を洗い流した。

有馬温泉は狭いところにホテルが林立している。窮屈そうだ。週末だから人が出ていた。
かなりの温泉好きだが、有馬温泉は初めて。登山のついでに、全国の温泉、それもひなびた山の湯ばかりはいっている。有馬温泉は観光地だから敬遠していた。しかし老い先短い身としては、話のタネにいい機会だから三名泉、三古湯のひとつといわれるこの湯を楽しみにしていた。

計画をすべて残すことなくやり遂げた。一日一山の強行軍とわかっていただけに、やはり疲れた。湯上りのさっぱりした気分で帰路についた。


一日一山の計画を実行できた。天気に恵まれたのが大きい。この3日間は、晴れ、くもり、晴れ。いくら晴れ男のわたくしでも上出来だ。

これからは体力気力が加速度的に衰えていくのは間違いない。登山を楽しむには意識して筋トレに励むしかないようだ。それでも間に合わなくなる。しだいに高山から低山に移行していくのもやむを得ない。今回がすでにそうだ。

次の山歩きは6月下旬を予定している。昨年と同じくJR東日本の大人の休日パスを利用して。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月31日に三重県の山ー朝熊ケ岳を歩く、「お伊勢参らば朝熊をかけよ 朝熊かけねば片参り」、そうとは知らなかったーその4

2024-06-06 | 登山

山頂には立派な標識があるはず、だが見当たらない。隅っこのほうにあった

◆山行日程
5月29日(水)夜行バスで三重県近鉄四日市駅

5月30日(木)三重県の山[御在所岳]登山
      伊勢市に到着後、外宮と内宮のお参り
        18時から内宮前のホテルで宴会、宿泊
5月31日(金)ホテルの内宮早朝参拝に参加
        三重県の山[朝熊ケ岳]登山
        大阪に移動し、大阪梅田泊
6月 1日(土)兵庫県の山[六甲山]登山
        有馬温泉入浴
        帰京


<わたくしの好きな山登り

山行日 2024年5月31日(金)
天気 朝小雨のちくもり
山域 伊勢市・鳥羽市
メンバー 単独
コース&タイム
5月31日(金)内宮前のホテル9:00=五十鈴川駅=9:30朝熊駅
朝熊駅9:35ー朝熊岳道登山口9:45ー10:20跨線橋(ケーブルカーの廃線跡)ー11:15朝熊峠ー11:45朝熊ケ岳12:10ー12:20経塚群ー12:35金剛證寺ー14:10朝熊岳道登山口ー14:30朝熊駅
朝熊駅14:36ー16:55大阪駅・梅田泊


<<6月5日の記事より続く

6月5日の記事とダブるが、朝熊岳に登ることになろうとは思ってもみなかった。NHKの日本百低山で朝熊ケ岳を見た。初回放送日を調べたら2022年11月23日。はじめて知ることばかりでかなり興味も持った。

ひとつは、「お伊勢参らば朝熊をかけよ 朝熊かけねば片参り」と伊勢音頭の一節に唄われ、伊勢神宮参拝を終えた人々は朝熊山の山上にある金剛證寺に参詣したということ。
これまで2度お伊勢参りをしているがまったく知らなかった。ここにきて初めて知るとは。

二つ目は、それを裏付けるように、この山には戦前に、最急勾配を誇る登山鉄道があったこと。ケーブルカーを建設し、これで経営が成り立っていたのだから、いかに多くの人が参拝に訪れていたかを知ることができる。
ネット検索してみると、いまもケーブルカーの軌道跡があり、そこを歩いている記録を見ることができる。

三つ目は、金剛證寺の本尊は虚空蔵菩薩だが、天照大御神も祀られている神仏習合のお寺だということ。
番組ではお寺の許可を得て内陣にまで入り、それを見せてくれた。

番組を見るだけで終わるはずであった。ところがことしになって伊勢で5月に同窓会を開くという案内。となると当然ながら登ろうという気持ちになる。よもやこうなるとは。神様が朝熊ケ岳に導いてくれているのかと不思議な気持ちになったものである。


朝熊ケ岳へは複数のルートがある。よく歩かれている朝熊岳道を行き、帰りは来た道を戻る。この日も昨日と同じく強行軍で、下山後は大阪に向かう。

朝熊駅に着いた。小雨模様だから雨具を取り出しているところで、なんと雨がやんだ。ついている。

朝熊岳道はよく整備されている。昨日の御在所岳と比べると、比べようもないくらい歩きやすい。昨日は厳し登りが続いただけにきょうは足が重い。それだけにこの道はありがたい。登山道でもあり、参道でもある。

朝熊駅から登山口を目指す。目の前に山が見えるのだが、これから登る朝熊ケ岳がどれなのか、農家の方に教えてもらう。右側の山がそうで、この画像では見えないがスカイラインが横切っている。


朝熊岳道の登山口。左手が駐車場になっている。平日なのに車が多くあるなと。この疑問は登り始めるとすぐに分かった。6人ぐらいの老人が次々と下りてくる。共通しているのは登山靴ではなく白い長靴。尋ねてみると地元の人たちで、週に数回頂上まで登っているという。たしかに足腰がしっかりしている様子。というよりそうでないと登山はできない。

登山道には1丁ごとに町石が立っている。最後の22丁目は朝熊峠。
ここは10町。ケーブルカーの跨線橋だ。下をのぞけば軌道跡を見ることができる。



これが軌道跡。谷あいを一直線に上っている。



かたわらに説明板。当時のケーブルカーのすがたを見ることができる。
大正14年に開通し、昭和19年に廃業。

ここから伊勢湾と市街地が見渡せる

朝熊峠。これが最後の町石、22町目。

この峠にはケーブルカーの開通とともに旅館が開業、だがケーブルカーの廃止とともにさびれたと案内板にある。

峠から山頂までは舗装された道。これがきつい。
山頂には立派な山頂標識。

 

その横に八大龍王を祀っている社。
ここで珍事?
えっ、車が。ここまで車で来られるとは知らなかった。降りてきたのは82歳の母とその娘。お伊勢参り、さらに金剛證寺に、そこで八大龍王を祀ってあるのを知ったという。家族の病気で以前に八大竜王をお参りしていて、伊勢にきてまで八大竜王をお参りできるとは有り難いと。この母娘は飛行機で仙台から来た。仙台に詳しいわたくしと長話になってしまった。それに前日はわたくしと同じホテルに泊まり、今朝は同じく内宮の早朝参拝に参加していたというから驚く。こちらにはあと2泊するという。話は尽きない。盛り上がってしまった。そろそろ切り上げで歩を前にすすめたいのだが。



山頂からの眺め。曇り空ではしょうがない。



山頂からは国宝の経塚群に向かう。伊勢湾台風の倒木を整理のとき埋納されていた経典が発見されたという場所

金剛證寺。裏口から入る格好になった。

奥の院の入り口から先には巨大な卒塔婆が立ち並ぶ。奥の院には行かずに本堂へ。

思っていたよりはるかに立派な寺であった。「お伊勢参らば朝熊をかけよ 朝熊かけねば片参り」、多くの参拝があった往時が想像できる。

ここから帰るのだが、ここで迷った。寺からの朝熊岳道への道がわからない。経塚群からの道をふたたび戻ることにした。
かなり予定より1時間ほど遅れている。足を速めよう。朝熊峠からは登山口までは50分で下りてきた。

この日は昨日と打って変わっての空模様。登山開始からさいわいにも雨に降られていないが、この曇り空では展望がない。そのためどうも気分が晴れない。昨日のような登ったぞ!といった充実感がいまひとつない。

朝熊駅から大阪駅に向かう。一駅先の五十鈴川駅で特急に乗り換える。4分後に特急が来る。急いで改札口を出て特急券を買い、あわててホームに戻り、間に合った。疲れた体でも、いざとなればそれだけのダッシュができるようだ。


大阪駅の改札を出るのは何年ぶりになるのだろう。夕方ということでかなりの人出。その人ごみに圧倒されてしまった。ホテルへの道がわからない。右往左往。スマホのアプリが頼りだがうまく使いこなせない。結局は数人に道を聞きながらたどり着いた。早々に寝る。
明日は六甲山。もうひとがんばりだ。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月30、31の両日にお伊勢参り―今回で3度目、式年遷宮から10年ぶりーその3

2024-06-05 | 登山

5月30日の伊勢神宮ー外宮(上)と内宮(下)


5月31日の内宮早朝参拝

◆山行日程
5月29日(水)夜行バスで三重県近鉄四日市駅

5月30日(木)三重県の山[御在所岳]登山
        伊勢市に到着後、外宮と内宮のお参り
        18時から内宮前のホテルで宴会、宿泊
5月31日(金)ホテルの内宮早朝参拝に参加
        三重県の山[朝熊ケ岳]登山
        大阪に移動し、大阪梅田泊
6月 1日(土)兵庫県の山[六甲山]登山
        有馬温泉入浴
        帰京


<<6月4日の記事より続く

3度目のお伊勢参りになる。前回は式年遷宮のときだから約10年ぶりだ。あの時の正宮と別宮は建てたばかりだからなにもかもが真新しかった。檜の肌が白く輝き、その香りが満ちあふれていた。

10年を経て、その間に風雨にさらされ、渋く落ち着いたたただずまいを見せている。神殿にはどちらがふさわしいか。好みだが10年前の輝くばかりの神殿もわるくない。

山を長くやっていると、ついでに全国の神社仏閣をよくめぐる。いつの間にか、山の神から一ノ宮以上の社格の高い神社までかなりの数をお参りしている。神社仏閣を目的に旅することはない。たいがいは山歩きのついでに参るということになる。ただ伊勢参りだけは逆で、伊勢参りのついでに山を歩いた。今回もそうなった。

3度目の伊勢参り。新しいことを発見した。へえ、そうなんだと初めて知った。それなら楽しみだ。行くに越したことはない。それが朝熊ケ岳。

「お伊勢参らば朝熊をかけよ 朝熊かけねば片参り」と伊勢音頭の一節に唄われていて、参宮を終えた人々は朝熊山の山上にある金剛證寺に参詣したのだという。外宮と内宮だけでは片参りで、朝熊山の金剛證寺にまで足を延ばしたということか。

さらにこれを知る前か後に、NHKの日本百低山が朝熊ケ岳を取り上げた。この番組をみて金剛證寺が、本尊は虚空蔵菩薩で、天照大御神も祀られている神仏習合のお寺だとわかった。

今回は伊勢参りだけでなく、金剛證寺をめぐる朝熊ケ岳登山がセットになった。


御在所岳を下山し、近鉄で伊勢市駅へ。夜6時からの同窓会までに時間がある。これなら外宮と内宮をお参りできる。

まずは順番どおり外宮から、そこからバスで内宮へ。たった2回しか来ていないのにかなり覚えている。迷うことなくすたすたとお参りを済ませた。

内宮に一番近いホテル。ここが同窓会の会場で、宿泊もここになる。

まっとうなホテルだった。サービスも部屋も食事もすべてがまっとうだ。これがいい。飲んべえだからあまり食事にはこだわらない。たいがいは夕食の献立が話題になるが、飲んべえのわたくしには朝食がよかった。すべてが酒の肴になる。この献立を夕食に回して、それを肴に酒を飲みたくなる。朝食がいい宿ではいつもそう思ってしまう。

翌31日はこのホテルの内宮早朝参拝に参加した。朝6時30分にロビーに集合。人気があるようで、40人ぐらいの宿泊者が集まった。2班に分かれて出発。ホテルの関係者が1時間30分かけて内宮を案内して各所で説明してくれる。この年になって知識を蓄えようにも、3歩あるけば忘れてしまう身。それでもこれまで素通りしていた建物がなんなのかを知ることができた。だが、果たしていつまで覚えているかしら。

8時に朝食を摂り、9時に朝熊ケ岳に出発。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月30日に三重県の山ー御在所岳を歩く、裏道登山道が初心者コースだって?ーその2

2024-06-04 | 登山

湯の山温泉駅から登山口を目指して、急坂の舗装道路を行く
見上げれば御在所岳。ロープウエイの白い巨大な鉄塔が目に入る

喘ぎながら岩場を登り、やっとの思いでという表現がぴったりの山頂に

◆山行日程
5月29日(水)夜行バスで三重県近鉄四日市駅

5月30日(木)三重県の山[御在所岳]登山
        伊勢市に到着後、外宮と内宮のお参り
        18時から内宮前のホテルで宴会、宿泊
5月31日(金)ホテルの内宮早朝参拝に参加
        三重県の山[朝熊ケ岳]登山
        大阪に移動し、大阪梅田泊
6月 1日(土)兵庫県の山[六甲山]登山
        有馬温泉入浴
        帰京


<わたくしの好きな山登り

山行日 2024年5月30日(木)
天気 晴れ
山域 鈴鹿山脈
メンバー 単独
コース&タイム
5月29日(水)我孫子=新宿=バスタ新宿21:50(伊勢・鳥羽線)
5月30日(木)4:55近鉄四日市駅5:26=5:53湯の山温泉駅(ここから歩く)
湯の山温泉駅6:00ー7:00御在所岳ロープウエイ7:05(ここから裏道登山道を行く)ー7:16一合目ー8:23藤内小屋ー9:00藤内壁分岐ー9:55国見峠ー10:00ハンバーガー岩=10:22裏道分岐ー10:45山頂ー10:47望湖台(山頂で休憩)ー11:50ロープウエイで下山
ロープウエイバス停12:21=12:30湯の山温泉駅=近鉄四日市経由=14:36伊勢市=伊勢神宮の外宮と内宮をお参りして、宴会場の内宮前のホテルへ。


<<6月3日の記事より続く

御在所岳ははじめて歩く。前から気にかかる山だった。登ろうかどうしようかと思うのだが、いつもためらってやめてしまう。登る機会があればそのとき登ればいいと思うのだが、たぶんその機会は、もうないだろうと思ってきた。

あの世に行く手前になって機会が訪れた。同窓会を伊勢市でという案内。それならついでに登ろう。最後のチャンス到来である。

頭を悩ましたのはアクセスと登山コースだ。出発直前までなかなか決められなかった。この日は、登山してから、伊勢市に向かい、午後6時からメインイベントの同窓会に出席。そのためゆっくり行動している暇はない。

まずはアクセス。登山開始時間をとにかく早くしたい。そうなると登山口となる湯の山温泉に前泊するか、それとも夜行バスかに限られた。前泊するほどのことはないだろう、となると気がすすまないが夜行バスとなる。もうこれに決めよう。

次は登山コース。表道、中道、裏道の3つある。とうぜん一番人気の中道をとるつもりだ。中級上級コースらしい。ところが出発直前になって裏道に変更した。

理由はこうだ。公共交通機関ではアクセスが制限される。湯の山温泉駅には午前6時に着く。ここから中道登山道まではタクシーだが、午前7時まで待たないといけない。1時間も駅で待つことになる。

ここから歩くか。駅から歩くと中道登山口まで1時間30分ほど。きつい。裏道登山口までなら1時間で行く。時間短縮を考えると、後者か。そうすることにした。

このように、アクセスと登山道の選択に家を出るまでにかなり頭を悩ました。実際、現地に行くと全部が全部とはいわないがマイカー利用だ。公共交通機関で来たという人はたぶんこの日はわたくし一人だろう。

裏道登山道は初心者コースとある。後期高齢者のわたくし、ひざに痛みをかかえ、昨年後半からは本格登山を控えていたため脚力が衰えている。それもあるのだろうが一般的には中級以上のコースといえるのではないか。

このコースは沢沿いに歩く。藤内小屋を過ぎると岩の急な道は国見峠まで続く。喘いだ。長い。つらい。岩は花崗岩で滑らないのが唯一の救い。そんな感じの道だった。国見峠からだって疲れた体には頂上までは長かった。

とにかく山頂にたどり着いた。同窓会の開始時間から逆算して、ここを何時に出れば間に合うか、その時間までにはだいぶ余裕がある。これで安心した。

山頂でゆっくりして、帰りはロープウエイ。展望は極めていいのだが、急こう配のうえに下を見るのが怖いほど。こんなロープウエイははじめてだ。ロープウエイといえば谷川岳がなじみだが、これに比べたら段違いに楽しくて怖い。15分ほどで、あっというまにあの喘いだ道を空中散歩で下ってしまった。

予定時刻より1時間ほど早く下山できた。これなら同窓会が始まる午後6時に、伊勢神宮の外宮と内宮を急ぎ足でお参りしても間に合うはずだ。

この日の登山がいかに体を酷使したか。ダメージが大きいか。近鉄四日市駅から伊勢市駅に向かう車内でのこと。いきなり下肢全体がけいれんしてきた。かなり痛い。激痛といえるほど。我慢できず、立ち上がりデッキに。顔をゆがめながらストレッチ。登山中のふくらはぎや腿のけいれんは日常だが、下肢全体がここまでんけいれんするのははじめてだ。これだけいまの体には過酷な登りだったのだなと納得した。

予定の山を歩けたという充実感と達成感がある一方、けいれんの痛みに耐えながらいまの体では無理をしたかなという反省も。

この日はもうひと頑張り。今回で3度目となる伊勢神宮の外宮と内宮のお参りに向かう。


近鉄湯の山線の車窓から御在所岳、ロープウエイの巨大な白い鉄塔でそれとわかる

湯の山温泉駅から歩く。舗装道路の坂道が続く。駅でタクシーを待っていたほうがよかったか、と思うほど結構きつい上り坂だ。1時間近く歩いて湯の山温泉



駅から歩いてちょうど1時間でロープウエイ乗り場。この建物の左側を行く。まもなく裏道登山道の標識が出てくる。裏道登山道への入り口の事前情報がないと、どう行けばいいのか迷うはずだ

すぐに1合目



沢沿いの道を行く。しだいに大きな岩が出てくる。藤内小屋までは右岸を行く。藤内小屋までに何度かの徒渉がある。大雨でたびたび橋が流される。前日大雨が降った。心配したが、昨年こんな立派な橋に架け替えられたという。これなら安心だ



藤内小屋。冷たい水をここで補給できる。ここから国見峠まで左岸をいく。岩場で急坂が続く、これでもかと長く感じられた



ロッククライミングの藤内壁の分岐。藤内小屋で出会った男2,女2の4人組がここを登る。女性2はロッククライミングをするようには見えない。このおばさんがと、見た目ではわからないものだ



これが藤内壁。わたくしにはできないし、やろうとも思わない

岩場の急坂が続く。左側は谷で切れ落ちている。そのキワを行く。気が抜けない。

いつまでたっても岩場の急な道が終わらない。青空が近くなり、この標識が見えたときはさすがにほっとした。この裏道コースは初心者向けというが、いまの体では中級以上に思える

直進して1、2分ほどでハンバーガー岩(ゴジラ)

国見峠に戻り頂上を目指す。まもなく裏道コースが終わる手前に。
これには癒された。それほど疲れ切っていた



裏道登山道はここでおわり、舗装道路に出て山上公園へ。

そこにシロヤシオ。ことしは丹沢山のシロヤシオははずれで、逢いに行くのをあきらめた。それがここに・・・。だがこちらでもはずれだったという

山頂はまだ先だ。ラストスパートといいたいが、ガス欠。足が重い

ようやく、山頂に立つ。帰りはロープウエイを利用するからここがゴールになる。
湯の山温泉駅から4時間45分。精一杯頑張った。おかげで帰路に着くまでにだいぶ時間がある。頂上付近を1時間ほどうろうろ。



予定よりも1時間ほど早く帰路に着けた。ロープウエイ乗り場からの鎌ケ岳

このロープウエイからの展望は素晴らしい。高所恐怖症のわたくしには怖いくらい高度感がある。それに扉が閉まっていても振り落とされはしないかと緊張してしまう。怖いがじつに楽しい。

 



予定より1時間ほど早く下山できた。余裕をもって伊勢市に向かう。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月30日に伊勢市で飲み会、ついでに三重の山と兵庫の山を歩くーその1

2024-06-03 | 登山

<わたくしの好きな山登り

5月30日に伊勢市で同窓会があり、目的は伊勢参りとすぐにわかる。これだけで遠出するにはもったいないので、次いでに三重県の山と兵庫県の山を歩いてきた。

この同窓会は大学の仲間。後期高齢者になっている。いま、おおまかにいうと福岡、関西、関東の3地域に住んでいる。そこで3地域が持ち回りで幹事役になり、各地で開催している。今回は関西地区に住んでいるメンバーが幹事役となり、伊勢市で開いたというわけである。

開催通知は2月に受け取った。開催は5月30日。開催は来年の予定のはずだった。一年前倒しになったようだ。さて困った事態になった。実は別の遊びがあって、一日ずれているとはいえほぼ重なっていた。5月末から6月初めに九州の山を歩く予定で、1月中に航空券と宿を予約してしまっていた。

手配した航空券はLCC。格安航空券で往復1万数千円。宿のキャンセルは問題ないが、航空券のほうはキャンセルすれば全額没収だ。毎回参加している同窓会だが、今回はパスしよう。ケチ根性が顔をだして、航空券のキャンセルがもったいないとの判断からだ。

いや待てよ。少ない金額を惜しむがために友情を・・・。反省した。潔くというか、泣く泣くというか、九州への個人山行をとりやめて、同窓会に参加することにした。

すぐに計画作り。登山は三重県の山ー御在所岳と朝熊ケ岳、そこから兵庫県まで足を延ばして六甲山を登ることにした。一日一山の強行?登山。ひざ痛を抱え、体力がかなり落ちている身でやるのか。

こんな日程になった。
5月29日(水)夜行バスで三重県近鉄四日市駅
5月30日(木)三重県の山[御在所岳]登山
        伊勢市に到着後、外宮と内宮のお参り
        18時から内宮前のホテルで宴会、宿泊
5月31日(金)ホテルの内宮早朝参拝に参加
        三重県の山[朝熊ケ岳]登山
        大阪に移動し、大阪梅田泊
6月1日(土) 兵庫県の山[六甲山]登山
        有馬温泉入浴
        帰京

この年になっての夜行バス利用の登山は厳しい。ばてるの目に見えている。御在所岳に登って、その日の午後6時からの宴会に参加するには早朝から行動するしかなかった。

すべて予定通りにいった。やはりばてた。とくに御在所岳と六甲山は甘く見ていた。10年前なら甘く見ていいのだが、やはり年老いたいまはちがった。苦しみながらもそれでも歩けたのだから、これならまだまだいけるかなと、自信が持てたことがなによりもうれしかった。

これから数日間はこのブログでいつものように山行の記録作成。これを済ませてはじめて旅はおわる。駄文を書き連ねるとはいえ、これだって近年はかなりの体力と気力がいるようになった。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024丹沢のシロヤシオは、はずれらしい。逢いに行くのをあきらめた

2024-05-27 | 登山


昨年(2023年)は5年ぶりの当たり年(5月21日のシロヤシオ)

2024年の丹沢のシロヤシオは、はずれらしい。ことしは逢いに行くのをあきらめた。

わたくしの恋人は丹沢の山中に咲くシロヤシオ。毎年、5月になるとを逢瀬を楽しみに待つ。シロヤシオは気分屋だ。不機嫌なことのほうが多い。その年の咲き具合を見て「あたり、はずれ」「表年、裏年」などという。純白の白い花を樹木いっぱいに咲かせ、5月の陽光にきらめかせて待っていてくれるのは、めったにない。昨年は5年ぶりに当たり年になったくらいだ。

<<2023年は当たり年だった。その光景をご覧あれ。あわせて2016年からの咲き具合をまとめてみた。

ほとんどが「はずれ」「裏年」になる。それでも逢いたいがために、丹沢山までバカ尾根と呼ばれる大倉尾根を登る。その年の咲き具合があたりかはずれかは事前情報で大方分かる。胸の高鳴りを覚えながら逢いに行く。

大当たりの年のシロヤシオを見たら、登山の苦労がどこかへ吹っ飛んでしまうほどで、逢えた喜びは一入だ。後期高齢者のいまになっても、こんなにもときめく相手がいる、とは幸せなことだと思っている。

シロヤシオに逢うために丹沢山まで往復する。これができればまだまだ山に登れると自信を持つ。それが年を取り、特に下山がいけない。それでも逢いに行く。

しかしことしは違った。大倉尾根を往復できるのかという不安があった。山をやって半世紀上になるが、歩けるかという不安をはじめて覚えた。というのは、昨年後半にひざに痛みを感じて山をやめていたからで、この春に再開したものの、あきれるほど脚力が衰えていた。こんなにもと嘆くほどだった。

いまの脚力では大倉尾根を往復できないだろう。この1カ月は筋トレに励んだ。力が戻ってきたと自覚できるようになった。ひざの状態もよくなってきたが違和感はいまも残る。それでも老いてなお筋肉は裏切らないと知った。

これならと行けるかなと、5月中旬からネットで咲き具合を検索した。最近は塔ノ岳・尊仏山荘のブログがいぜんよりも状況をよく伝えてくれる。大助かりだ。あわせて山行記録やビジターセンターの情報をくまなく当たって状況を把握する。

その結果、これまでの経験を踏まえて判断すると、“ことしは、はずれ”と見た。さてどうするか。ぐずぐずと考える。いまひとつ体調に自信が持てない状態でもあり、はずれ年でもあるのだから無理しないでおこう、となった。なんか忸怩たる思いがあるがその気にならない。弱気になったものである。

塔ノ岳・尊仏山荘ブログの5月25日付け記事は「今季のシロヤシオは残念な結果」と書いてある。後ろ髪を引かれるが、納得させるしかない。

来年があるのか。これが問題だ。年年衰えていくことは間違いない。だが、いま気をもんでもしょうがない。たしかにいえることはシロヤシオとの別れが近づいてきているということ。来年は大当たりとならないまでも、ほどほどに咲いてほしいと願っている。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

筑波山のスプリングエフェメラルに、胸キュンー男の川、女の川、護摩壇の各コースを歩く

2024-04-20 | 登山

筑波山のスプリングエフェメラル(春の妖精)4月19日
上からキクザキイチゲ、ニリンソウ、カタクリ


<わたくしの好きな山登り

山行日 2024年4月19日(金)日帰り
天気 晴れ
山域 筑波山
メンバー 単独
コース&タイム
◆我孫子駅6:40(常磐線)=6:46柏駅(東武アーバンパークライン)6:52=6:58流山おおたかの森(つくばエクスプレス)7:08=7:34つくば駅8:00(筑波山シャトルバス)=8:55つつじケ丘
9:10つつじが丘スタートー9:40弁慶茶屋ー[護摩壇コースを往復]ー10:50女体山ー11:00[女の川コースを下る]12:00ー[男の川コースを登る]ー自然研究路南コースー13:40男体山ー(休憩)14:30女体山ー弁慶茶屋15:10ー15:40つつじケ丘16:00(シャトルバス)=16:50つくば駅17:02=17:28流山おおたかの森17:38=17:43柏駅17:52)=17:57我孫子駅


前回の4月10日の山歩きは、9カ月ぶりだというのにさすがに頑張りすぎた。無理をしたなという思いである。久しぶりとはいえ、自分が思っている以上に急速に体力が衰えてきたと実感させられた。1週間ほど体調が悪かった。後悔先に立たずだが、これほどまでにダメージが大きいとは思わなかった。わが人生、山歩きができなくなるのは近いとわかっているが、それでもできるだけ山を楽しみたいとう思いは変わらない。

体調が戻ると、また性懲りもなく山歩きだ。早春は居ても立ってもいられず恋人に逢いに行きたくなる。それがスプリングエフェメラル(春の妖精)。

身近にスプリングエフェメラルを楽しめ山がある。それが筑波山。いまの時期はカタクリ、ニリンソウ、キクザキイチゲなどが花盛りとなる。この年になっても可憐な花に出合うとわくわくする。ときめく。こころがおどる。同意語をいくら並べても足りないくらいに。肉体は急速に衰えているが、素直に感動できる心がいまもなお健在なのはうれしい。

スプリングエフェメラルを楽しむために、全国の山、特に東北の山に足繫く通ったものだが、最近はもっぱら筑波山となっている。筑波山のスプリングエフェメラルのすばらしさは、2022年4月22日2021年4月11日の山行記録に詳述した。とくにおすすめの女の川、男の川、護摩壇の各コースを、これ以上加えることはないほどに。

カタクリとニリンソウの観賞時期は微妙にずれる。順番からいえばカタクリが咲いてニリンソウの順となる。両方を楽しめる時期はわずかにある。この重なる時期を求めて、ネット情報を連日のようにチェックする。両方が楽しめるどんぴしゃりのタイミングで、それに天気が良ければ文句なしの山行となる。

今回は2年ぶりに4月19日(金)に歩いた。週末は混雑するから避けた。この先あまり天気が良くないようで、待っていると時機を逸してしまう。

この春は桜の開花が遅かっただけに、筑波山のスプリングエフェメラルも遅いはずと思い込んでいたのだ、どうもはっきりしない。とにかく遅きに失したという事態にならぬように出かけることにした。

わたくしが一番好きなのはキクザキイチゲ。全国のどこの山であろうが、早春の山で出合うと、そわそわしてしまう。中学生のころ好きなひとを身近に見かけたときとか、廊下ですれちがったときとかのあのドキドキ感である。


筑波山はいつも2回ほど登りと下りを繰り返す。登山にはそれぐらいでちょうどいい。こんかいも無理を承知で歩いた。案の定、最後は足の踏ん張りがきかないほどになった。

体に鞭打ちながら、この日も大いに楽しむことができた。花たちに向き合うと心が優しくなっているのがよくわかる。全般にはカタクリは見ごろを過ぎた。ニリンソウはいまが花盛りの群落が続く。キクザキイチゲは後半で見ごたえのある群落に出合えた。やっとあなたに逢えました。

ことしの各コースの状況
護摩壇コース=今回は屏風岩の手前から往復した。最初に迎えてくれたのがキクザキイチゲ。幸先がいい。ここのお花畑は、元気のいいカタクリと、密生するニリンソウ。キクザキイチゲが少ないのが残念だった。この秘密の花園はいまや秘密ではなくなった。登山者がかなり入り込んでいる。

女の川コース=今回は下った。2年ぶりだが、すっかり道型がはっきりしてきた。ここを最初に歩いたときは感激したものだが、ことしは少しばかり不満だった。カタクリは終盤で生彩がなく、ニリンソウの花付きが以前ほどでもなかった。いい年ばかりではない。

男の川コース=今回は登った。ことしはここがよかった。いい年だったようである。ここまでキクザキイチゲの群生に出合っていない。がっかりしていたのだが、コースの後半でやっと。小躍りするほどうれしかった。

キクザキイチゲ。白、ブルー、紫までいろいろ



ニリンソウ。群落が続く



カタクリ。生きのいい群落


スプリングエフェメラル、早春のわずかな時間にしか見ることができない世界を今年も楽しめた。
この山行を記録している20日午前。すでに階段の下りがきびしい状態だ。疲れは翌々日に出てくる。明日が心配になる。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉アルプスを歩き、さらに葛原岡・大仏ハイキングコースを巡って鎌倉をぐるっとひとまわりーその計画だったのだが

2024-04-12 | 登山

鎌倉アルプス・六国見山からの富士の眺め


山行日 2024年4月10日(水)日帰り
天気 快晴
山域 鎌倉
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子駅5:31=6:00日暮里6:03=6:15東京駅6:23=7:07大船7:17=7:22鎌倉駅
(前半のコース)鎌倉駅ー鶴岡八幡宮ー[浄妙寺]ー鎌倉アルプス(十二所神社ー天園ー大平山ー六国見山ー北鎌倉駅)
(後半のコース)北鎌倉駅ー[円覚寺]ー[建長寺]ー[浄智寺]ー亀ヶ谷坂切通ー仮粧坂切通ー源氏山ー銭洗弁財天宇賀福神社ー鎌倉駅
鎌倉駅15:43=16:28品川駅16:35=17:26我孫子駅


<わたくしの好きな山登り

鎌倉市北部に連なる低山、いわゆる鎌倉アルプスを歩いてきた。
 
これだけではたぶんもの足りないと思い、さらに延長してハイキングコースの葛原岡・大仏コースをつないで、このさいだからと鎌倉をぐるっとひとまわり歩く予定でいた。

やはり9カ月ぶりの登山では、この欲張りなコース取りにはやはり無理があった。鎌倉アルプス下山後にかなり足が重くなった。それに予定よりもかなり時間がかかっていた。そこで後半は、一部コースを変更して歩かざるを得なかった。

鎌倉駅スタートが7時半、鎌倉駅に戻ったのが15時半。約8時間のコース。休憩は1時間も取らなかったから、7時間以上は歩いたことになる。

よく歩けたものである。というのも
山を歩くのは昨年6月以来。昨夏あたりからひざに痛みを感じ始めた。毎日のウオーキングで突然痛みに襲われた。これまでひざは人一倍酷使してきたから、年を取ったいまそうなることは覚悟していた。とうとう来たかといった感じである。この状態で山歩きは無理と判断し、この9カ月ばかり山から遠ざかっていた。

それでもひざの痛み状態を慎重に見ながら、ウオーキングは続けた。痛みはしだいに消えてきた。ところがこんどは足の運びが悪くなった。速足ができない。いままで平気で歩いてきた距離にも負担を感じるようになった。このままだと歩けなくなのではと、かなり悲観的になってきた、というのが近況である。
 
脚の状態が悪いと知りながら、いつものように無理をした。こんな状態でどこまで歩けるか試してみたい。選んだのが今回の鎌倉アルプス。これまでなら登山の対象にならない山なのに、いまの脚の状態からすれば無難な選択だ。ここならいつ具合が悪くなってもエスケープできる。そう思って計画を立てたのだが、やはり無理をした。それでも計画通り大方歩くことができた。
コース取りはかなり考えた。「鎌倉五山」すべてにも立ち寄れるようにと計画した。(鎌倉五山ー第1位は建長寺、第2位は円覚寺、第3位は寿福寺、第4位は浄智寺、第5位は浄妙寺)。
 
当初の予定はこうだった。
(前半)鎌倉駅ー鶴岡八幡宮ー[浄妙寺]ー十二所神社ー瑞泉寺ー鎌倉アルプス(天園ー大平山ー六国見山)ー北鎌倉駅 
(後半)北鎌倉駅ー[円覚寺]ー[建長寺]ー[浄智寺]ー葛原岡ハイキングコース(源氏山、[寿福寺])ー大仏ハイキングコース(高徳院の鎌倉大仏)ー長谷寺-長谷駅
鎌倉に行くのはおよそ45年ぶりになる。現役のときに画家の平山郁夫さんのお宅に2、3度うかがったことがある。それ以来になるだろう。鎌倉には用事がない。なぜか、歩く山がないからである。それが年を経て、いざ鎌倉となった。

桜が満開の時期である。鎌倉駅は早朝なのにすでに観光客。
 
八幡宮の参道、段葛の桜


鶴岡八幡宮


八幡宮から浄妙寺を経て、鎌倉アルプスの登山口とした十二所神社に向かう。
 
ここは浄妙寺。


鎌倉アルプスは、瑞泉寺→天園→建長寺また明月院をたどるのが定番のようだが、これでは歩きごたえがないと思い、遠くまで足を延ばすことにした。十二所神社からスタートして、六国見山まで縦走することにした。

スマホのGPSを持っている。それでも道迷いした。この日は道迷いでかなり時間がかかってしまった。低山だけにあちこちに道がある。

十二所神社。裏に細い道がある。ここかなとたどるとどうも違うようだ。神社まで引き返す。神社の手前にある道がそうらしい。まちがいなさそうだ。かなり細い、一人が通れるくらいの道が続く。


瑞泉寺からのコースに飛び出した。ここからは一般登山道だ。歩きやすい。
 
ピークの天台山の山頂標識はない。この道しるべがあるところが山頂となる。
 
天園、なんか天国と間違える。
 
大平山へ向かう。右手がゴルフ場で立派なクラブハウスがある。なんとも味気ない。興ざめだ。
 
山頂手前から富士山が、それにランドマークタワーなど横浜の市街地も眺めることもできる。
 


山頂へは露出した岩肌を登る。


ここが最高峰の大平山。隣はゴルフ場。ここまで出会った登山者は2,3人だけだったが、ここから建長寺方面からの多くの登山者とすれ違う。思いのほか結構登られている山なんだと認識を新たに。
 
この縦走路はあまり展望がない。そこが不満だ。ひたすら歩く。今度の展望地は建長寺の分岐になる。勝上けん(けん=山かんむりに献)。登山者で混雑していた。外人も多い。

勝上けんからの富士の眺め。
 
勝上けんから六国見山を目指してさらに縦走。縦走路の右側は住宅地。民家がすぐわきに見える。
 
いったん住宅地に降り立った。六国見山を登るのだが、この登山口がわからない。GPSに助けられ、ようやく登山口をみつけた。地図だけでは迷うだろう。

こんなところに、といっていいほど登山道の右手に六国見山の小さい山頂標識があった。ここが山頂とはとても思えない場所だ。事前にわかっていても見落として通り過ぎてもおかしくない。麻雀牌で標高が記されている。

このコース一番の展望がこの先にあることは調べてある。
 
すぐに展望所。このコース一番の展望であった。やはりここまで足を延ばしたのは正解であった。
 
六国見山の展望所
 
富士も気持ちよさそう。それに山が連なる先には相模湾も。
 
 
ここで初めてひと休み。
 
この山を甘く見ていたようだ。9カ月ぶりの登山では、小さなアップダウンでもつらく感じた。きょうのところはここまでで、後半のコースはやめようかと思ったぐらいのダメージがあった。
 
このため後半のコースをどうしようかと考えながら下山についた。北鎌倉駅への道でも迷った。このコース、全般に道しるべがない。低山とはいえ右往左往しかねない。

ここまでで前半のコースはおしまい。

脚が重い。後半はコースを変更した。北鎌倉駅からは、鎌倉五山の円覚寺、建長寺、浄智寺を巡り、亀ヶ谷坂切通、仮粧坂切通、源氏山、銭洗弁財天を経て鎌倉駅へ。思い脚を引きずりながら、無理をして歩いた。
 
円覚寺


建長寺


浄智寺
 
亀ヶ谷坂切通と仮粧坂切通の急な坂にはさすがにまいった。慌てずゆっくりと。

源氏山で2回目の休憩。ここから当初予定の大仏ハイキングコースをたどることができるがショートカット。銭洗弁財天を経て鎌倉駅に向かうことにした。

源氏山公園の源頼朝像。


銭洗弁財天
 
 
 
這う這うの体?でやっとゴールの鎌倉駅に着いた。駅のトイレの鏡で己のすがたを見た。疲れ果てた年寄りがいた。老いたものよ。
駅前は観光客でごった返していた。外人観光客がやたら多い。帰りの電車は満員だった。
 
歩いた2日後の12日、ひざに痛みはないものの、下腿が筋肉痛だ。肉体は痛いが、心は晴れやかだ。やはり山はいい。無理して歩いてよかったとしよう。これで次の山につながる。

登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の休日パスで下北半島の山ー最終日の6月27日は盛岡の冷麺とじゃじゃ麵、そして仙台で途中下車(6)

2023-07-03 | 登山



朝に、桜山神社参道にある〈白龍本店〉でじゃじゃ麺の(小)を食べる

昼に、盛岡駅前にある〈ぴょんぴょん舎〉で冷麺の(大)を食べる


<わたくしの好きな山登り

大人の休日倶楽部パスを利用して、6月24日から6月26日までの3日連続の登山。

はじめに=大人の休日倶楽部パスで3日連続の登山へ
6月24日=新潟県南魚沼の「飯士山」
6月25日=青森県下北半島の「釜臥山」
6月26日=前半)青森県下北半島の「大尽山」
6月26日=後半)恐山菩提寺と恐山温泉
6月27日=盛岡で冷麺とじゃじゃ麺を食べ、そして仙台で途中下車


山旅4日目の6月27日は最終日。前日までに予定した3つの山をすべて無事に登り終えて、ほっとしている。やはり開放感がある。それ以上に疲労感がかなりのものだ。疲れたなと口にするほどだから、これほど疲れている自分に戸惑う。

3日連続の登山は、3日間の縦走と考えればたいしたことではないのだが、やはり年を重ねるにつれて、厳しくなってきていることがよくわかる。ああ、年を取ったもんだ、と。

最終日は下界で遊ぶつもりでいた。予定を立てていた。ところが疲労のためその気をなくした。無理しないほうがいいと思うようになっていた。

ということで午前中は予定を実行するが、午後はすべてキャンセルして盛岡から家にまっすぐ帰ることにした。

午前中は、朝にじゃじゃ麺を食べ、昼に冷麺を食べた。

じゃじゃ麺は〈白龍〉の本店。午前9時からやっているというので9時半過ぎに行った。この界隈は行政の中心地。周囲は大きなビルが林立しているのに、白龍とその周辺だけ小さな店がかたまって軒を連ね飲み屋街となっている。この対比に誰もが気がつくだろう。すぐにわかった。両側に小さな店が並ぶ先に「桜山神社」があった。ここはその参道なんだなと。

白龍の店構えは、一見して飲み屋と見える。飲んべえのわたくしからすればなじみの店に入るような気安さがある。注文したのがじゃじゃ麺の(小)。食べ方はすでに承知していたが初めて食べる。味を確かめるように食べ始めたところ「これは食べられる」「不思議と食べてしまう」といった味、そこでいったん箸を止め、手元にある各種調味料を入れて自分の好みに。まるでカオスうどんだなと思いながら一気に食べ終えた。さらに、ちいたんたんを。(小)では足りないかなと思ったが、朝だけにこれで間に合った。

つぎは盛岡駅前の〈ぴょんぴょん舎〉の冷麺。こちらは白龍本店とは対照的なしゃれた店だ。店内は広い。客も多く少しばかり待たされた。メニューには冷麺もあれば焼肉もある。両方のセットもありこちらにしようかと迷ったが、冷麺の(大)を頼んだ。この後は帰るだけだからと生ビールのジョッキも。

辛さは、辛味別・中辛・特辛・激辛 の4種類から選択できる。その基準がわからないから無難にと辛味別を頼んだ。辛味別を頼むと中辛の量のキムチが別皿で出てくる。

まずはスープから。澄んでいてさっぱりした味。もの足りない。少しずつ辛味を入れていく。まだまだ。結局は辛味をすべて入れてはじめて好みの味になった。中辛になったのである。次回は最初から中辛を注文しよう。隣の席の焼肉にたびたび目がいってしまう。うまそうだ。どうしようか。でも朝にじゃじゃ麺を食べたばかりだから、ここは大もりの冷麺だけでやめておくことにした。

どちらもうまかった。山から下りてきたばかりの体には、上品なスープ味の冷麺よりはごちゃまでのじゃじゃ麺のほうがパンチがあって効いた。

これで今日の予定はおわり。さあ帰ろう。

ところが盛岡駅に向かいながら、取りやめた予定行動のひとつが気になり、仙台で途中下車することにした。疲れているのに無理しなくてもいいだろうにとつぶやきながら。券売機で仙台までの指定席券を取ることができたのだが、昼過ぎの時間帯で「はやぶさ」の席は残り少なかった。

仙台では3時間ほど過ごした。仙台からの車内で登山のコースタイムをまとめていたらすぐに上野駅到着。これで4日間の山旅は終わった。やはり疲れていたのだろう。帰ってから2日間ほど疲れが取れなかったのだから。

そこを無理して、6回にわたり旅の記録をまとめた。やっと書き終えた! そんな感じでいる。記録してはじめて山旅は完結する。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の休日パスで下北半島の山ー6月26日大尽山下山後に、恐山菩提寺と恐山温泉(5)

2023-07-02 | 登山



恐山の地獄=賽の河原の向こうに先ほど歩いてきた大尽山が

恐山の極楽=霊場内にある4つの湯の小屋のうちの花染の湯


<わたくしの好きな山登り

大人の休日倶楽部パスを利用して、6月24日から6月26日までの3日連続の登山。

 はじめに=大人の休日倶楽部パスで3日連続の登山へ
6月24日=新潟県南魚沼の「飯士山」
6月25日=青森県下北半島の「釜臥山」
6月26日=前半)青森県下北半島の「大尽山」
6月26日=後半)恐山菩提寺と恐山温泉
6月27日=盛岡で冷麺とじゃじゃ麺を食べ、そして仙台で途中下車

 


山行日 2023年6月26日(日)
天気 晴れ!
山域 青森県恐山山地
メンバー 単独
コース&タイム
その1)むつ市中心部のホテル6:00(かぎもとタクシー)=6:20自然歩道入口6:20ー7:20大尽山登山口ー8:48一体地蔵ー9:20大尽山10:00ー10:27一体地蔵ー11:40大尽山ー12:55自然歩道入口
その2)自然歩道入口13:00-13:15恐山(恐山菩提寺と恐山温泉)15:55(下北交通バス)=16:30下北駅17:05=18:02野辺地18:10=18:57八戸19:06=(はやぶさ46)19:44盛岡駅(泊)


6月26日の記録の後半。前半は大尽山を歩いた。後半は直ぐ近くの恐山菩提寺に向かった。この日は盛岡市のホテルに泊まる。

大尽山下山後も、天気がよく、すっかり晴れ渡り日差しが強い。とにかく暑い。大尽山の登山道は終始森の中を歩いた。これが幸いした。ところが恐山菩提寺への道は日差しを遮るものがない。まいった。

恐山菩提寺は比叡山と高野山と並ぶ「日本三大霊場」のひとつ。恐山菩提寺へは、自然歩道入口から徒歩で15分から20分ほど。その手前に太鼓橋。三途の川がある。いよいよ地獄にはいる。

恐山菩提寺からの帰りのバスが15:55。それまで2時間半ほどある。地獄をめぐり、極楽温泉を楽しむ。

入山料は500円。
まずは地獄めぐり。これが期待に反して?ちっとも地獄らしくない。荒涼さは感じるものの、あら恐ろしやとか、おどろおどろしいとか、地獄につきものの表現があてはまらないほど、あっけらんとした空間だ。テレビで映し出されるような異様な世界といった雰囲気はいっさい感じられない。

恐山はあの世に最も近いとされ、死者への供養の場といわれるが、なぜか敬虔な気持ちになれない。こんな人間はいつまでたってもお地蔵様に救済されないのだろうか。これには今日の天気がかなり影響していると思われる。雲ひとつなく晴れわたり、光が降り注ぐ恐山では地獄を感じようにもそれは無理というもの。もとより信心が足りないせいもあるのだろうが、どうも勝手が違った、というのが正直な思いである。

くりかえすが暑い。順路に従って進む。日差しを遮るところを探すが見当たらない。これではたまらないのでショートカットしようかと思ってしまうのだが、罰が当たると困るのでさいごまで歩きとおした。

恐山は、日本三大地獄(諸説あるようだ)ひとつでもある。ほかの2つー立山地獄と川原毛地獄はすでに訪れていて、やっと恐山地獄も体験することができた。三大地獄を経験した人は、閻魔大王に審問されることなく、極楽に行けるものとわたくしは信じているのだが・・・。あまいか。

いよいよ三途の川

ここから5、6分歩くと恐山菩提寺

お参りしてから順路に従って地獄めぐり

極楽浜。
宇曽利山湖対岸に大尽山がいつも望まれる。ここから大尽山を眺めてふと思った。恐山に集まった死者は大尽山のとんがったてっぺんから昇天するのではないだろうか、と。そう思うと、あのてっぺんに先ほどまでいた身としては、なにがしかの感慨を持たざるを得ない

この恐山霊場からも6月25日に登った釜臥山が見える

つぎが恐山温泉だ。霊場内には極楽がある。それが温泉。4つの湯小屋があり、1つが男専用、2つが女専用、もう1つが混浴だ。

さきほどから一刻も早く温泉に入りたくて仕方なかった。山を歩いて汗まみれの体、それに炎天下の地獄めぐりでかなり疲れた。地獄の後は極楽に。

山同様温泉にも目がない。全国の山を歩くたびに温泉にはいってきた。温泉にはうるさい。じつはずっと前からこの恐山温泉を、と。やっとそれがかなった。

恐山温泉はすべてかけ流し。硫黄のにおいが強い。
まずは混浴の「花染の湯」。戸を引いて内部を見る。湯治の気分にさせる雰囲気。さっそく入浴。かなり熱い。とてもじゃないが脚さえ入れることができない。奥の浴槽に蛇口があった。急いで水でうめる。やっといい湯加減になった。いい湯です。すると2人がやってきた。同年配とわかった。この2人も大人の休日倶楽部パス利用者。今日が初日で北海道まで足を延ばすというから5日連続有効のパスだ。
温泉大好きなわたくしはきまって長湯する。出たり入ったりを繰り返しながらのんびり過ごすのが流儀。この湯もそうなった。だが帰りのバスが気になる。次に急ごう。

こんどは「薬師の湯」。はしご酒ならぬはしご湯。この小屋は目立つ場所にある。なんと参道のわきに立つ。多くの参拝者がすぐそばを通行する。内部はさきほどの「花染の湯」と同じ。湯加減を調整して、やはりいい気分になる。極楽だ。バスの発車までまだ時間があると思っていたのだが、長湯が過ぎた。脱衣所の時計を見ると発車30分前だった。

帰りのバスは満席だった。もう1台予備のバスを用意してあった。2台で走る。

下北駅前の「まさかりプラザ下北駅前店」で土産を買う。前夜の宿は全国旅行支援適用で2000円のクーポン、これを充てる。
乗り継いで盛岡駅へ。ここで泊まるホテルも同じく全国旅行支援適用で2000円のクーポンが支給された。すぐに晩御飯にこれを使った。


旅行中つねに気になるのが休日倶楽部のパス。紛失しては困るからたびたび手元にあることを確認する。肌身離さず大事にする。それでも慌てる事態になった。下北駅前で買い物中に、このパスが見当たらないのだ。かなり慌てた。慌てるなと言い聞かせて財布の中身をすべて取り出して調べたら、間に挟まっているのを発見。慌て者だからこのざまだ。このパスを利用するたびに、心配なく保管するにはどうしたらいいのかと頭を悩ます。

山旅4日目となる明6月27日は最終日。家に帰る。そのまえに。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の休日パスで青森県下北半島の山ー6月26日に恐山の新日本百名山・大尽山を登る(4)

2023-07-01 | 登山

梅雨の晴れ間の三角錐の大尽山。この空の青さよ!

大尽山から見下ろす宇曽利山湖。この水の青さよ!


<わたくしの好きな山登り

大人の休日倶楽部パスを利用して、6月24日から6月26日までの3日連続の登山。

 はじめに=大人の休日倶楽部パスで3日連続の登山へ
6月24日=新潟県南魚沼の「飯士山」
6月25日=青森県下北半島の「釜臥山」
6月26日=前半)青森県下北半島の「大尽山」
6月26日=後半)恐山菩提寺と恐山温泉
6月27日=盛岡で冷麺とじゃじゃ麺を食べ、そして仙台で途中下車


3日連続の登山の3日目、6月26日は青森県下北半島の恐山、その中の新日本百名山に選定されている大尽山を歩いた。

大尽山は2回に分けて記録する。今回は大尽山の登山を、次回は恐山菩提寺と恐山温泉を取り上げる。恐山の恐山菩提寺は、高野山、比叡山と並ぶ日本三大霊場の一つである。 

大尽山登山の日程調整には頭を悩ました。とにかく朝早く山に出発したい。そのためにはどうするか。恐山菩提寺の宿坊に前泊することも検討した。結局は市内のホテルに前泊し、翌朝6時にタクシーで宿を出ることにした。バスの便もあるが登山開始が午前10時となり、日程が窮屈になってしまう。登山はやはり早出が基本だ。

晴れた! うまくいったな、と素直にうれしい。タクシーが目的近くになると、木の間から大尽山がきれいに見えた。山頂からの展望は間違いなしと胸を撫でおろした。

山頂からの展望は期待通り素晴らしかった。恐山の山々がぐるりと取り囲む。北海道の山だって。眼下には宇曽利山湖が見え、湖面の色が微妙に変化する。ひとりぼっちの山頂の時間を存分に満喫できた。

本命の山に晴れの日に登り、展望をほしいままにできたのだから、文句なしの登山であったといえる。


山行日 2023年6月26日(日)
天気 晴れ!
山域 青森県恐山山地
メンバー 単独
コース&タイム
その1)むつ市中心部のホテル6:00(かぎもとタクシー)=6:20自然歩道入口6:20ー7:20大尽山登山口ー8:48一体地蔵ー9:20大尽山10:00ー10:27一体地蔵ー11:40大尽山ー12:55自然歩道入口
その2)自然歩道入口13:00-13:15恐山(恐山菩提寺と恐山温泉)15:55(下北交通バス)=16:30下北駅17:05=18:02野辺地18:10=18:57八戸19:06=(はやぶさ46)19:44盛岡駅(泊)


むつ市の中心部から大尽山への取りつきとなる自然歩道入口までのタクシー代は4,720円。自然歩道入口は恐山の太鼓橋手前にあり、「恐山山地森林生態系保護地域」という大きな看板が目印となる。
大尽山の登山口はこの先1時間歩いた先にあるが、ここが登山口といってもいいのではないか。
この森には熊がよく出没するという。とくに朝の早い時間に。そこで熊除け鈴とホイッスルを身に着ける。万全?

待てよ。森に入ってしまうと、大尽山のすがたをこの先見ることができないのではないか。宇曽利山湖のほうへ少し移動し眺めることにした。見事な三角錐。宇曽利山湖がガスでおおわれているが、この天気だとすぐにはれるだろう

この地域は恐山山地森林生態系保護地域に設定されて原生的な姿の森。
大尽山への道がおもしろい。宇曽利山湖を右に見ながらどこまでも平らな道が続く。山頂まで続くはずがないとわかっていても、とにかく平坦な道が続く。
宇曽利山湖の湖岸東側、標高200メートルの道を行く。刈り払いがされて快適な道だ。



宇曽利山湖を右手に見る湖岸を歩いているのだが、木が茂ってなかなか見えない

左手から多くの沢が流れ込む。大きな橋、小さな橋を繰り返しわたる。
1時間ほどで登山口に着いた。ここが本来の登山口となる。ここまできてもいまだ200メートル前後の標高に変わりない

熊除けに、鈴を鳴らし、ホイッスルを定期的に吹く。ホイッスルは静寂の森に深く響き渡る。

登山口を出てすぐにこの橋が出てきた。この写真をみるかぎりでは難なくわたることができそうだが、実際にはコースでこの橋の通過がいちばん緊張したといっていい。いまにも崩落しそうなのが怖い。昔からこんな橋を渡るのを大の苦手としている。細い沢で浅いとはいえドボンは避けたい。

最初の足をどこに置くか。こわごわと慎重に。とにかく渡らないと先に進まない。ストックで体を支え、一気にえいやっと勇気を奮って? どうにかわたることができた。笑われても仕方ない。苦手なものは苦手なのである。帰りもこの橋をわたらないといけないのか。困ったぞ

登山口を出ても標高200前後の平坦な道が続く。30分ほどたつとしだいに緩やかな登りになってきた。やっとだ。出発してから1時間半ほどたっている。

標高400から500にブナが出てきた。これまではヒバの森だった。好きなブナの森、心が洗われる

特大サイズのブナ。久しぶりにその大木を見た

一体地蔵。標高590あたりか。登山口からはペースが落ちて、1時間20分かかった。山頂は標高828。あと200ちょっとだ。もうすぐだろう

ここからが急な道となる。ロープも数か所出てくる。さすがに年寄りには3日間連続の疲れが出てきた。足の運びが遅くなる。それでもコースタイム通り40分で山頂に着いた。じじいなんだからもっとゆっくり、そう自分に言い聞かせているのだが、ついがんばってしまう。

着いたぞ。9時20分。出発してからちょうど3時間だ。
山頂はかなり狭い。山頂標識は「新日本百名山 大尽山 827米」

さあ展望を楽しもう。まずは宇曽利山湖だ。といっても見えない。標識の左奥にある岩、この岩にあがるんだな。すると眼下に青い湖が。すべて見渡せる。湖畔の奥には恐山菩提寺の極楽浜の白い砂浜が見える。宇曽利山湖はハート形という。たしかにそう見えないこともない。なんどもカメラを向ける。景色は変わらないのにそうしてしまう

つぎは周囲の恐山8峰を。目の前には昨日歩いた釜臥山。山頂にある航空自衛隊のレーダーが目印となる。遠くの山並みが広がる。同定できないがとにかく晴れ渡って気持ちがいい展望に大満足だ



これからが大変。昨日と同じく山頂にはわたくしひとり。山頂での思い出写真を撮る。当然セルフタイマーだ。カメラを置く場所がない。さてどうする。ノウタリンの頭で考える。ザックを台にするしかない。デジカメはだめだ、スマホを使おう。立てかけるところがない。ザックのうえにスマホを置き周囲の石を拾いスマホの周りに積んだ。しっかりと立たせることができないから失敗ばかりする。ようやく15分かけて、これならというのがようやく撮れた。これで我慢するしかない。ないよりはあったほうが思い出になる。

まじめで、

セルフタイマーで悪戦している姿をはたから見ると、滑稽としか映らないだろうが、本人はいたってまじめ、失敗の繰り返しを楽しんでいるところがある。

   
  

その後も岩に登っては宇曽利山湖をみている。あきない。しかしそろそろ下山だ。たっぷりと楽しむことができたから後ろ髪をひかれることもなく10時に下山開始。来た道を引き返す

山頂から一体地蔵までの急坂は慎重に下りる

下山を始めてしばらくすると疲れを感じるようになった。足の運びが遅くなっているのがよくわかる。あと2時間がんばれ。

登山口手前であの橋があたりまえだが出てきた。できたら迂回したいという弱気ぶり。こちらからのほうからがいっそうこわく、難しいと感じる。わたらないとゴールできない。片方の丸太に足を置き、いっきにわたった。やはり怖い。苦手というより臆病なのだろう

登山口。ここからゴールまで疲れているせいか、長く感じた 

ゴール、12時55分。往路も復路も3時間という同タイム。帰りは疲れたこともあるが、それだけ行きも帰りも平坦な道が続いたということがわかる



これから恐山菩提寺と恐山温泉に向かう。その前に休憩だ。湖畔に出ていま歩いてきたばかりの大尽山と周囲の山を眺める

3日連続の登山、その3日目の大尽山。1日目、2日目の山がガスで山頂からの展望に恵まれなかっただけに、この日は晴れて、360度の展望はうれしかった。うきうきした気分になっている。そんな上出来の登山であった。

これで3日連続の登山が終了。
次回はこれから向かう恐山菩提寺と恐山温泉を取り上げる。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の休日パスで青森県下北半島の山ー6月25日に最高峰・釜臥山を登る(3)

2023-06-30 | 登山

下山を始めてすぐにガスがあっというまもなくはれた。ほんの数分早ければなあ
山頂にある“異物”は航空自衛隊のレーダー施設


<わたくしの好きな山登り

大人の休日倶楽部パスを利用して、6月24日から6月26日までの3日連続の登山。

はじめに=大人の休日倶楽部パスで3日連続の登山へ
6月24日=新潟県南魚沼の「飯士山」
6月25日=青森県下北半島の「釜臥山」
6月26日=前半)青森県下北半島の「大尽山」
6月26日=後半)恐山菩提寺と恐山温泉
6月27日=盛岡で冷麺とじゃじゃ麺を食べ、そして仙台で途中下車

 


3日連続の登山の2日目、6月25日は青森県下北半島の最高峰・釜臥山を歩いた。

大湊線の終着駅大湊駅下車。東京からここまでの移動時間は6時間半。遠くまできたもんだ、そんな感慨を持つ。駅からバスに乗り海上自衛隊前下車。ここが登山口となる。目の前が大湊湾だから海抜ゼロメートルから登り始めて釜臥山の山頂までの標高差は878メートル。登り始めたのが13:15で、登山口に戻ったのが18:20。登りに2時間30分。下りに2時間10分かかった。

この日の釜臥山は、前日登った新潟県南魚沼の飯士山となにもかもが似ているといった印象だ。
まず天候。海は晴れている。だが山はガスだ。登り始めてから山頂を後にするまで山はガスのなか。山頂での展望はなし。下山始めて5分もたたないうちにガスが急速に、あれという間もなくはれて姿を見せたというのだから悔しいのなんの。あと少し山頂にいれば展望がと、この日も涙、涙といいたいが、梅雨の時季だからしょうがないと思えるようになっていた。というのも山頂からの展望だけは拝めなかったが、下山中はずっとガスがなく時折晴れ間が見えていたからそれで納得したのだろう。


それにルートもそっくりだ。まずはスキー場のゲレンデを登り、次が背丈を越すほどの灌木帯の道。木の根と岩まじり細い道で、いやになるほどストレスを感じた。これを通過すれば山頂直下のガレ場となり、すぐに山頂だ。

釜臥山の山頂には航空自衛隊の巨大なレーダー施設がある。これが目立つ。目立つどころではないほどに目立つ。むつ市内からだとどこからも見え、すぐにそれとわかる。


山行日 2023年6月25日(日)
天気 くもり
山域 青森県恐山山地
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子駅6:13=6:45上野7:02(東北越新幹線・やまびこ51号)=9:43八戸10:50=12:49大湊13:05(JR東北バス)=13:12海上自衛隊前バス停13:15ー13:35釜臥山スキー場ー第2リフト乗り場ー14:00第2リフト乗り場ー14:39第1リフト降り場・望海雪楼ー15:29巨石群ー15:32ガレ場-15:45山頂16:08ー16:56七面山ー17:07第1リフト降り場・望海雪楼ー17:41第1リフト乗り場ー17:56第2リフト乗り場ー18:20海上自衛隊バス停18:40=19:10むつ市内(泊)


大人の休日倶楽部バスの利用者がどれくらいになるのかわからないのだが、利用期間はたしかに混雑する。とくに東北新幹線がそうだ。関東の人間は北に、東北の人間は南に移動する。早い時間帯の新幹線の車内は十中八九がこのパス利用の年寄りとなる。わたくしもその一人。
じつは釜臥山登山開始時間を少しでも早くするため「はやぶさ1号」に乗れば登山開始が1時間早くできる。しかし常に満席状態で、毎日のように空席が出ていないか確認するがだめだった。それで次発の「はやぶさ51号」にせざるをえなかった。

大半の乗客は一つ手前の下北駅で下車した。終着駅の大湊駅まで来たのは10人ぐらいで、大人の休日倶楽部パス利用の男のお年寄りばかりとみられる。この終着駅を見るのが目的で、次の電車で戻るのだという。それだけのためにここまでといいたいが、わたくしだってここまで山登りに来たのかといわれかねない。

ちなみに本州最北の駅はてっきり終点のこの大湊駅とばかり思っていたが、ひとつ手前の下北駅だという

JR東北バスで海上自衛隊前下車。ここが登山口。目の前が大湊湾、海抜ゼロメートルから878メートルの山頂を目指す。
13:15出発。すぐに坂道になる


釜臥山スキー場に着いた。第2リフト乗り場。第1リフト乗り場を目指す。
釜臥山は目の前にある。だがガスで隠れている。ここからゲレンデを行く。道はまっすぐに延びる。あっそうだ、忘れてはいけない、クマ除けベルを取り出す

海はご覧の通り晴れ渡っているが、山はガスのなか

ゲレンデの急な道がつづく。第1リフト乗り場に着く

さらに急坂を上って第1リフト降り場。近くにある望海雪楼

ここが第1リフト降り場。ここでリフトは終わり。これから登山道となる。向かう山は
ガス

すぐに大きな岩が現れて祠がある。ここが七面山

ここから先はずっと灌木帯となる。これがくせもの。背丈を越える木々のなかを進む。木の根と岩のまじった細い道、濡れてかなり滑りやすく歩きにくい。一刻も早く抜けだしたい、そんな道


やっと灌木帯から“脱出”する。すると目の前に見上げるような巨岩群。突然に現れたのでびっくりした。この大きさをカメラでは表現できないほど

こんどは、すぐに岩が積み重なるガレ場が頂上直下まで続く。歩きにくいが問題なく通過。黄色のペンキで進行方向が示されている。ガスのなかでも安心だ

頂上のレーダー基地。回り込んで舗装道路に出ると、すぐそこが山頂だった

山頂。2時間30分で来た。かなり地味な山頂標識だった。スマホをひと回り大きくしたほどのサイズ。なぜここまで小さく地味にしなければいけないのかと考えてしまうほど。
やはりガスのなか。覚悟していたがやはり残念

山頂標識の前には、左に兵主神社奥宮の古い祠、右に新しい釜臥山嶽大明神の祠がある

だれもいない。ひとり。山頂の記念写真はセルフタイマーで撮る。カメラは石の祠に置くしかないようだ。なんども撮る。そのたびに確認するが気に食わない。ようやくこれならというのが撮れた。展望がないから休憩を兼ねてとはいえ10分もかかかってしまった。ゆっくりはできない。慌てて腹ごしらえして下山。山頂滞在時間は25分ほど

下山を始めて5分もしないだろうか。急にガスがはれてきた。あれよあれよという間に青空も見えてきた。釜臥山が姿を見せた。
しまった! 山頂にもう少しいればよかったのに。昨日と同じ状況となった。
それでも天気が回復しただけでもご機嫌になる。
じつは天気予報では夕方から晴れマークが出ていた。そのとおりになったものの、山頂ではその機会に恵まれなかったといえる

すっかり晴れ上がった。
登山口となる海上自衛隊前バス停に戻ったのが18:20。2時間ほどで下山できた。
出発時間が13:15。スタートが遅かっただけに明るいうちに下山できてほっとしている。

ここからバスでむつ市内へ、きょうはホテル泊。

あした6月26日は、この山旅の本命の恐山・大尽山に登る。朝6時にタクシーを予約してある。なによりもうれしいのは、あすが梅雨の晴れ間で、晴れマークがついていること。本命の登山の日が晴れになるとは! 


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の休日パスで新潟県南魚沼の山ー6月24日に飯士山に登る(2)

2023-06-29 | 登山

岩原スキー場から望む飯士山。左手が南コースで、右手が東コース


<わたくしの好きな山登り

大人の休日倶楽部パスを利用して、6月24日から6月26日までの3日連続の登山。

はじめに=大人の休日倶楽部パスで3日連続の登山へ
6月24日=新潟県南魚沼の「飯士山」
6月25日=青森県下北半島の「釜臥山」
6月26日=前半)青森県下北半島の「大尽山」
6月26日=後半)恐山菩提寺と恐山温泉
6月27日=盛岡で冷麺とじゃじゃ麺を食べ、そして仙台で途中下車

 


1日目の6月24日は新潟県南魚沼の飯士山を歩いた。

JR岩原スキー場前駅から出発。登りは南コース、下りは東コースを取り、出発点に戻るという周回コース。登り2時間30分、下り2時間。標準タイムで歩くことができた。

冒頭の写真で見ると、南コースは左手の尾根を登り、東コースは右手の緩やかなスキー場の管理道路を下ってくる。

往路の南コースでは、最後のリフト降り場から先が登山道となり、頂上直下まで灌木のなかの急坂を歩く。短い区間ながら足元が悪く、岩と土が濡れていて滑りやすくかなり気を使う。ストレスがたまる道だ。年寄りにはこの道を下りに取りたくない。

この灌木のなかの道を抜ける視界が開け、こんどは岩場になる。鉄の鎖や足掛かりがあるものの、それまでの灌木のなかの滑りやすい道と比べたら、問題なく歩を進めることができる。まもなく頂上だ。

下りの東コースは南コースと比べたらずっと歩きやすい。下りにこちらを選択してよかったと思ったくらい。


山行日 2023年6月24日(土)日帰り
天気 くもり
山域 新潟県南魚沼
メンバー 単独
コース&タイム
登りは南コース、下りは東コースの周回
我孫子駅5:42=6:15上野6:42(上越新幹線)=8:02越後湯沢8:14=8:18岩原スキー場前駅ー9:00岩原スキー場ー9:42第3リフトー10:20神弁分岐ー10:40飯士山山頂11:05ー11:30山頂クワッドリフトー12:40岩原スキー場13:05ー13:45岩原スキー場前駅14:01=越後湯沢駅15:13=16:22上野16:42=17:14我孫子駅


昨年の2022年同じ時期に谷川岳の「奥の院古道」を歩いた。かつての奥の院への参道を、数年前に新たに切り開いて復活させた。谷川岳の各コースはほぼ歩いているが、このコースの目新しさに魅かれて歩いた。ところがこのコース、参拝道というイメージとは異なり、区間は短いもののなんとバリエーションに等しい道だった。細い尾根を転落しないようかなり真剣にならざるをえなかった。

昨年の2022年の記録から抜粋
6月18日に谷川岳の「奥の院古道」を歩いてきた。現地の案内板によると、この道は「室町時代頃より谷川岳の奥之院への参拝道として活用」とある。
奥の院古道とは、谷川富士浅間神社から天神山に至り、そこから天神尾根を伝わって谷川岳のオキノ耳にある奥の院までの道である。天神山から先は多くの登山者が利用する一般登山道になっているので、復活した参拝道は廃道となっていた神社から天神山までの道となる。


こんかいは3日連続の登山になる。1回目から75歳の老体に負担をかけると後が持たないから谷川岳の選択は避けことにして上越のほかの山を探した。たまたま「飯士山」を見つけた。この山は知っていたが登ったことはない。それに低山だ。初日は軽く足慣らし程度の山がいい。それにJR岩原スキー場前駅から歩いて登れるというのだからこれに決めた。

飯士山は「いいじさん」と読む。これを繰り返し声に出していると、いいじいさん、いい爺さんになる。だれかにぴったりの山ではないか。

JR岩原スキー場前駅の標高は405m、飯士山が1,111m、標高差は700m。

JR岩原スキー場前駅で下車。ここから飯士山を眺めることができるはずであった。ところがガスでなにも見えない。

駅からスキー場までは急坂の舗装道路を30分ぐらい歩く。
ここが岩原スキー場。目の前に飯士山がそびえているはずだがガスのなか。
リフトに沿ってのぼる。ゲレンデの道は間違えやすい。やっぱり間違えた。

最後のリフト降り場を過ぎると、登山道になる

南コースの登山口

振り返ると牧歌的な風景が広がる

灌木のなか、濡れた岩と土の急登がつづく。繰り返すが足元が悪く辟易する

神弁橋への分岐

灌木のなかの道がようやく終わるとやっと視界が広がる。見えそうで見えない飯士山

南コースと東コースの分岐。帰りはここから東コースへ入る

すぐに岩場。鉄鎖があるが、難なく通過できる。この岩場の先が山頂だ

山頂はいまだガスのなか。上越の山並みの展望がいいと聞いているだけに期待していたが、これではまったく見えない。
自分でも驚くことがある。長年山をやっていると、いつのまにか山頂から同定できる山にほとんど登っていることがわかる。この山もあの山もと時間を忘れて眺めるのがいまの楽しみ。

山頂には夫婦の2人。てっきり誰もいないと思っていた。せっかくなので写真を撮ってもらう。なんとこの姿になった。その場で確かめなかった。がっかり

長居は無用と早々に腰を上げて下山開始。岩場を下り、分岐まで戻って東コースに入る。

東コースには1カ所だけ岩場があるが、ここも容易い

この岩場を降りると、周囲が急に明るくなってきた。振り返るとガスがはれて、飯士山がやっと姿を見せてくれた。待ちましたよ。もう少しだけ頂上にいたらと思うと残念無念

山頂クワッドリフトまでは尾根を下る。ここから先はスキー場のなかを行く

こんな歩きやすい道がずっと続く

登り始めたときは飯士山が見えなかったが、いまはこのとおり

予定時間通りに岩原スキー場前駅に戻った。ホームからも飯士山がご覧の通り

蒸し暑い日であった。汗をかなりかいた。越後湯沢駅の東口にある「江神温泉」に入浴するつもりでいた。浴場に着いたのが14時10分。ところがオープンは15時から。あきらめた


帰りの新幹線は15時過ぎ。それまで駅構内にあるポン酒館の〈唎酒番所〉を楽しむ。500円払い、小さな猪口で新潟の酒を飲む。県内の蔵元の酒がずらりと並ぶ。清酒好きのわたくしにはなじみの銘柄がかなり多い

1カ月ぶりの登山。年相応に山をやるだけの体はできていると思っていたのだが、蒸し暑い中を歩いただけにかなり消耗した。これも年相応なのだろう。

家にいったん戻り、あす6月25日からは青森県の下北半島の山に向かう。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の休日倶楽部パスで3日連続の登山へ(1)

2023-06-28 | 登山

利用した大人の休日倶楽部パス。切符もわたくしもお互いお疲れさまでした

<わたくしの好きな山登り

大人の休日倶楽部パスを利用して登山をしてきた。このパスは、JR東日本の新幹線と在来線が、4日間全線乗り放題で15,270円。

このパスを利用して、6月24日から6月27日までの4日のあいだに3つの山に登ってきた。

昨27日の晩に家に帰ってきたばかり。さすがに疲労困憊だ。これから4日間の山行の記録をする。これをすませないと山旅が終わらない。

全国の山は北の果てから南の果てまでめぼしい山は歩いてきた、という思いがあるものの、客観的にみるとたかが知れている。微々たるにすぎない。

年を重ねるにつれて山行の間隔はあいて、年間の山行はわずかになった。体力と気力の衰えがそうさせているのが原因の一つだが、もう一つ、新たにあの山を歩きたいという気持ちにさせる山が少なくなったことがあげられる。それでも年が変わると歩きたい山が出てくるのだから不思議というほかない。
 
2年ほど前だろうか、青森県・下北半島の恐山の大尽山(おおつくしやま)を歩きたいと思った。この山は恐山八峰のひとつで、新日本百名山になっている。なぜこの山なのか。自分でもわからないのだが、恐山に行ったことがなく、老い先短くなり、行くとしたらいましかないと思ったからだろう。

恐山は「日本三大霊場」のひとつ、ほかの2つは比叡山と高野山。この2つは参詣もかねているが、どちらかといえば登山の対象としてふもとから登っている。

比叡山=2018年11月23日2014年3月24日
高野山=2014年3月25日

諸説あるが、恐山はさらに「日本三霊地」のひとつでもある。ほかに川原毛(秋田県)と立山(富山県)がある。むしろ三大地獄といったほうがわかりやすい。この2つは登山でいったことがある。ここでも恐山が残っている。

そうだ、恐山へ行こう、と相成ったわけである。

だが遠い。節約するには大人の休日倶楽部パスを使うにかぎる。恐山への道は冬季に雪で閉鎖される。このパスは年3回発売される。今後の発売時期をみると、恐山へ行けるとすれば今回の6月だけとなる。

これで踏ん切りがついた。だが問題は天気である。梅雨のさなか、雨を覚悟するか。しかし年を取っての雨の中の登山はかなりのストレスとなる。

天気は神頼み。スケジュール調整にかなり手間取った。それに宿の手配もある。手直しの繰り返しでなんと次の日程にした。本命はあくまでも「大尽山」である。


はじめに=大人の休日倶楽部パスで3日連続の登山へ
6月24日=新潟県南魚沼の「飯士山」
6月25日=青森県下北半島の「釜臥山」
6月26日=前半)青森県下北半島の「大尽山」
6月26日=後半)恐山菩提寺と恐山温泉
6月27日=盛岡で冷麺とじゃじゃ麺を食べ、そして仙台で途中下車

結果は、4日間とも雨にはまったく遭わなかった。稀代の晴れ男なのである。
しかし「飯士山」と「釜臥山」の山頂ではガスで展望がない。下山をはじめるとガスがはれてきたというだから、これは悔しかった。

しかし本命の「大尽山」は梅雨の晴れ間。朝からいい天気。快晴であった。こんなのありかと。おもわずやったと。山頂では思い描いたとおりの展望が得られた。にんまり。うまくいきました。

恐山は登山だけではなく、恐山菩提寺の地獄めぐり、それに境内には4つの温泉が湧いている。登山と温泉は切り離せない。下山後の愉しみだ。以前からこの温泉にはぜひ一度はという思いがあった。これも念願を叶えることができた。

帰りの新幹線車内。歩くのも億劫に感じるほどの疲労を感じながらも、ふと満足感を覚えた。そんな山旅になった。

これから4,5回にわたってこの山旅の記録をしていく。


登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年5月21日の塔ノ岳北斜面のシロヤシオー5年ぶりに当たり!

2023-05-22 | 登山



上の木がわたくしの標本木。これを見てその年の咲き具合をチェックする

ミツバツツジも絶好調


山行日 2023年5月21日(日)日帰り
天気 くもり
山域 丹沢
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子駅4:29=5:39代々木上原5:45=6:52渋沢駅(北口からバス)7:02=7:17大倉7:20-8:15見晴小屋-8:53駒止茶屋-9:10堀山の家-10:13花立山荘ー10:50塔ノ岳11:05=
(今回は丹沢山の山頂は踏まず、20分ほど手前(標高1428m)で引き返す。時刻は12:00。この間、2時間半ほどをシロヤシオの観賞にあてる)
=13:30塔ノ岳13:40-14:03花立山荘-14:37堀山の家ー15:30見晴小屋ー16:10大倉16:18=16:35渋沢駅16:52(代々木上原経由)=19:16我孫子駅


<わたくしの好きな山登り

2023年5月21日の、丹沢の塔ノ岳・北斜面から丹沢山にかけてのシロヤシオは5年ぶりに当たりであった。このところはずれの年ばかりが続いていただけに小躍りしたくなるほど。大当たりではないが、2018年以来の見事な咲きっぷりに、感動は一入であった。はじめてこの純白の気高く咲く景色を見た登山者はラッキーであるといえる。
 
毎年5月になるとときめく。年にいちどの逢瀬が待っているからだ。年を取って胸がときめく相手はいないのだから、このときが待ち遠しくてしかたない。その相手がシロヤシオ。

5月の中下旬に花を咲かせる。逢瀬の場所は丹沢の山中。大倉バス停から大倉尾根伝いに、塔ノ岳、丹沢山を登る。累積標高は1639m。9時間かけて往復する。

逢瀬までには時間がかかる。家を出たのが4:05。電車とバスを乗り継いで登山口の大倉着が7:17。そこから登り始めてやっとシロヤシオに逢えたのが11:10。家を出てから7時間かかった。

後期高齢者一年生の
75歳の老人には、この登山が年年年厳しくなるばかり。それでも逢いたさ募って無理して?がんばる。それだけに逢えたときの喜びといったらない。この美人に魅せられて十数年。毎年逢いに行く。飽きないのは1年に一度という逢瀬がそうさせるのだろう。
 
こんなラブレターを毎年書き連ねている。このじじい、いい気なもんだねと言われてしまうが、シロヤシオ観賞が生きがいとなっているのだからしょうがない。
 
ネットでシロヤシオの咲き具合をチェックする。いまが見ごろかと17日に行くつもりで準備した。ところが17,18の両日は高温で熱中症に注意だというから、老人となったいま、無理は禁物と先に延ばすことにした。しかし花は待ってくれない。焦る。天気予報をみて、曇りだというが21日に決めた。これ以上は先には延ばせない。おかげでなんとか間に合った。

この日は丹沢山まで足を延ばさなかった。あと20分ほどで丹沢山、という手前で引き返した。塔ノ岳から日高に経て、再度登り返し、高く組まれた木道が出てくるところだ。
 
ここはシロヤシオ観賞の最後のポイント。この先、丹沢山まではシロヤシオを見ることはない。丹沢山の手前で引き返したので、いつもより往復で40分ほどの余裕ができた。それにこの日はガス、それならとゆっくり木道に座ってシロヤシオ観賞にひたることにした。
 
充実した1日だった。しかしきつかった。とくに下山がいけない。かなりこたえるようになった。青息吐息だった。先が見えたなと実感せざるを得なかった。しかし難行苦行とはいえ往復できた。これでことしも登山を楽しめるという自信をえたことがなんともうれしいのである。

 
5年ぶりの当たり年。たっぷりと観賞した。しつこいほど載せます。この日はミツバツツジもすばらしい。

塔ノ岳から丹沢山にかけて
シロヤシオの観賞ポイントが3つある。

◆第1の観賞ポイント=塔ノ岳山頂から丹沢山方面に下った北斜面、登山者カウンター付近
 
 


 
 
 
 
 
◆第2の観賞ポイント=塔ノ岳〜日高の最低コル(北面キレット)

 
 
 
 
 


日高を越えて丹沢山へ歩を進める
 


◆第3の観賞ポイント=丹沢山手前20分ほどのところ。高く組まれた木道の辺り
 
 
 
 
 
 
 
 


◆ここから塔ノ岳へ引き返す。もう十分すぎるほど観賞したつもりでもついカメラを向けてしまう

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

(参考)
シロヤシオは気まぐれ。毎年咲くかといえば、はずれの年のほうが多い。2016年からの咲き具合をまとめてみた。

・2022年は、合格点にいま一歩

 

・2021年はずれ(2017年と同じくらい花つきが悪い)

・2020年はずれ

・2019年はずれ(この年は歩いていない。同じ時期に九州の山を歩いていたので、後日の情報から判断した)
 

2016年大当たり (左上に富士が見えるすばらしい構図となる)


  登山と菜園のページ

気まぐれ山旅リポート 

ようこそ!ビッグファームへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする