↑谷川温泉の宿の前から仰ぎ見る早朝の爼(まないたぐら)と満開の桜
↓宿のすぐ近くにある谷川冨士浅間神社。4月29日にお祭りがあった
2014年4月27日から29日まで2泊3日で残雪の山を歩いてきた。今回は共同通信のワンゲルの皆さんとの“グループ山行”だ。私の登山スタイルは単独行だからグループで歩くことはめったにない。2年ぶりに参加した。
共同ワンゲルは年2回、4月と12月に谷川温泉にある共同通信谷川保養所で合宿する。登山半分、宴会半分の合宿だ。山行に差し支えないようにと気をつけながらもつい飲み過ぎてしまう。
ここの保養所の売りは玄関前から谷川岳の爼(まないたぐら)を仰ぎ見ることができることにある。朝の谷川岳は神々しく、目が覚めるほどに美しい。谷川冨士浅間神社、それにホワイトバレースキー場がすぐ近くにある。それにいまの時期の谷川温泉は桜が満開になるから2度目の桜を楽しむことができる。
27日に赤城山を歩いた。28日は谷川岳を歩いた。この合宿はいつも天気が悪いのだが、今回は両日ともに恵まれた。これは晴れ男の私が登場したからだと勝手に思い込むことにした。最終日の29日は自由行動。私はひとり松ノ木沢ノ頭を歩くつもりでいた。松ノ木沢ノ頭は谷川岳の厳しい岩壁をまじか見ることができる格好の“展望台”だ。しかし宿から見る爼(まないたぐら)がしだいにガスに包まれてきた。晴れ男の神通力は3日目で消えてしまったようだ。残念だが今回はあきらめることにした。
赤城山(駒ケ岳~黒檜山)
黒檜山(左)と駒ケ岳(右)。尾根や鞍部には雪が残っている
2014年4月27日(日)
晴れ
参加メンバー 共同ワンゲル14人
コース&タイム
我孫子駅6:39=7:12上野駅7:23=9:08高崎駅9:12=9:22新前橋駅=駒ケ岳登山口11:10ー12:15駒ケ岳13:00ー14:00黒檜大神碑ー14:20黒檜山-15:50黒檜山登山口=17:35谷川温泉・共同通信谷川保養所
初日の赤城山。赤城山を歩くのは久しぶりだ。何年ぶりになるのだろうか。今回は駒ケ岳から黒檜山をめぐる。私の経験からすれば逆コースのほうが望ましいのだが、リーダーの判断には逆らえない。なぜそう望むのかというと、黒檜山からの下山は厳しい。しかしそこを小学生以下の小さな子たちが元気に歩いている。そのコースを大の大人が厳しいなんていうとなんとも恥ずかしいのだが、岩混じりの道は歩きにくく、一歩たりとも気が抜けない。こんな道は下りよりも登りにとりたいというのがわたしの本音なのである。
頂上近くの尾根道や北側斜面には雪が残っていた。アイゼンをつけるほどではなかった。黒檜山山頂から北へ5分も歩けばビューポイント。そこからの展望を楽しみにしていた。しかしきょうは天気がよすぎた。気温が高く周囲の山並みはすべて霞の中だ。武尊山、それに日光方面の日光白根山、皇海山、袈裟丸が見えた程度だった。
やはり下山は厳しかった。私の前を小さな子が何人も歩いている。「感心だ、えらいね」と頭を撫でながらも、この子たちの前ではこけられない。集中力を切らさないようにと注意しながら下山した。登山口に降り立ったときはさすがにほっとしたものだ。
赤城山登山の参加者は14人。いい天気だ。覚満淵を横目に見ながら駒ケ岳登山口へ。
すぐに登山口。あしたの谷川岳への足馴らしにはちょうどいい。
手摺りの付いた長い鉄の階段があらわれた。急斜面だ。
覚満淵を右下に見る。
さらに2番目の鉄の階段を登りきると稜線に出る。
稜線にはところどころ雪が残っている。
目の前に黒檜山(左)と駒ケ岳(右)。こちらから見ると、黒檜山は立派だが、駒ケ岳のほうは見栄えがよくない。
駒ケ岳山頂。ちょうど昼時。ここでご飯とする。
頂上の奥に昼飯にちょうどいいスペースがある。こんなに天気がいいのに山並みが見えない。南に位置する山々が見えるはずなのだが霞の中だ。
南に長七郎山(左)と小沼(右下)を見る。
北に目を転じるとこれから目指す黒檜山。
西には眼下に大沼が見える。
昼飯を済ませ、黒檜山を目指す。鞍部にはきょう一番の残雪。
振り返ると駒ケ岳。北から見たほうがピークらしく見える。北斜面にはたっぷりの残雪。
黒檜山への登りは渋滞気味だ。大人数だから急斜面になると、立ち止まってはまたほんの少し進み、また立ち止まりの繰り返しになる。こうなると歩くリズムがつかめない。これだけの大人数での山行はやはり疲れる。最後尾に下がり、前の人が見え隠れするぐらいの間隔をあけて歩くことにした。これだから単独行はわがままだといわれてしまう。たしかにそうなのだ。ここは許してもらおう。
高度をあげると小沼がよく見える。
黒檜大神碑で休憩。
長七郎山と小沼。南方面の見通しが悪い。
黒檜山の山頂。私の楽しみはここから北へほんの5分先にあるビューポイントからの展望だった。
細い尾根を進むのだが残雪があり危ない。途中で足を止めて眺めるしかない。やはり今日はだめだ。かすんで見えない。武尊山は見えたがあした歩く谷川岳は見えない。北東だけが見通しがよく、日光白根山、皇海山、袈裟丸。これぐらいなものだ。
目を凝らすと皇海山の左手に日光白根山が見えるのだが、わたしのカメラではやはり無理だ。
下山開始。残雪のぬかる道を行く。慎重に下りよう。おかなびっくり。腰がひける。雪が消えるとこんどは岩混じるの道になる。これもやっかいだ。
やっと赤城神社が見えてきた。ゴールまでもうすぐ。
「猫岩」を通過。前回と同じく、どこが猫岩をさすのかわからない。手前の巻いてきた大きな岩がそうなのだろうか。
ゴールの黒檜山登山口。残雪で慎重に下りてきたから思ったよりも時間がかかってしまった 。
途中で疲労のためへたり込んだメンバーもいたが、どうにか全員無事に下山。
急げ! きょうの宿には温泉と酒が待っている。
2日目(4月28日)の谷川岳に続く⇒