2日目(5月27日)ー阿蘇山・烏帽子岳と杵島岳の登山
阿蘇五岳の烏帽子岳。杵島岳から下山時、ミヤマキリシマを前景にして
コース&タイム 阿蘇駅前9:40=10:06草千里阿蘇火山博物館前ー烏帽子岳ー杵島岳ー草千里阿蘇火山博物館前14:25=14:53阿蘇駅前15:25=17:20熊本交通センターー熊本城
←1日目(5月26日)阿蘇神社
阿蘇山の登山は、初日に中岳と高岳、2日目に烏帽子岳と杵島岳と計画していたが、4月に噴火警戒レベルが2に上がり、中岳の周囲1キロは入山できなく、中岳と高岳の登山はあきらめざるを得なかった。烏帽子岳と杵島岳だけではもの足りないが、リハビリ登山のいまの体ではこれぐらいがちょうどいいのかもしれない。
きょうの歩行時間は烏帽子岳が2時間、杵島岳が1時間30分の予定だ。
阿蘇山を歩くのはこれで5回目になるか。前回は、といっても15年も前になるのだが、その時は仙酔尾根をたどって高岳~中岳を歩いた。
阿蘇駅前から阿蘇山へはバス。始発がなんと9:40と、登山するにはかなり遅い。せめてあと1時間早くしてくれといいたくなる。登山者のだれもがそう思っている。宿と阿蘇駅は目と鼻の先、まだか、まだかと時間を持て余す。
阿蘇山登山をこの時期にするのは、ミヤマキリシマが目当てだ。ちょうど見ごろだという。そうなると期待が高まる。しかし、すごい、すごいと叫んだ2年前のくじゅう連山のミヤマキリシマの景観が目に焼き付いている。それだけにこれを越えることはまずないだろう、と予想していた。たしかにそうだった。それでもミヤマキリシマの群落を見つけては心が弾んだ。よほど好きとみえる。
天気は曇り、たまに晴れ間が見える。しかし昼を過ぎると小雨になるかもしれないという予報。
阿蘇駅前から中岳の噴煙が見える(画像中央)。それほど活発だとはとても思えない。やっとバスの出発時刻となった。
草千里阿蘇火山博物館前で下車。レストランが横一列に並ぶ。
目の前に、草千里と烏帽子岳が広がる。阿蘇らしいのびやかな風景だ。
草千里を通って烏帽子に向かう。道があるような、ないような。薄い踏み跡だが迷うことはない。さきほどから気になって仕方ないのがミヤマキリシマ。烏帽子岳に近づくにつれて、その斜面にミヤマキリシマが。やはりというか、それほど一面に咲き誇る、といった状態ではない。まあ、こんなもんだろう。繰り返すが2年前のくじゅう連山の空前絶後のミヤマキリシマを見てしまっては、しょうがない。そう思うだけの余裕がある。
振り返ると次に登る杵島岳。
高度を上げるにしたがって花の色が鮮やかになってくるのがわかる。
3年前の地震で、山肌があちこち崩落し、地割れがいたる所にある。
山腹のミヤマキリシマと草千里、その向こうに杵島岳。
山頂の手前からは、西駅一帯のミヤマキリシマと、中岳の噴煙がよく見える。
烏帽子岳の山頂。1時間足らずで来てしまった。汗をかくことも、水を飲むこともなく、着いてしまった。眺めがいい。展望大好きのわたくしには格好の山頂だ。
いい眺めです。立ち去りがたく、居続けようとするのだが、天気が崩れるのが心配で下山開始。
くじゅう連山の山並みが見える。
登山者の中に前日の26日にくじゅう連山を歩いてきた人がいた。平治岳のミヤマキリシマは咲いていなかったという。くじゅう連山のミヤマキリシマは6月に入ってからだが、それにしても少しは咲いていてよさそうだ。今年は遅れ気味なのだろうか。この阿蘇も少しばかり遅れた。それがわたくしには幸いした。
ミヤマキリシマのトンネルを抜けて。
ミヤマキリシマを前景にしての杵島岳。ワンパターンだなと思いながらも、ついこの構図で撮ってしまう。
あっというまに下山してしまった。振り返って烏帽子岳。
つぎは杵島岳に向かう。烏帽子岳とは道路を挟んで向き合う。
その前に昼飯。
杵島岳登山口は上記写真<ニュー草千里>の右手にある。最初は舗装された道だ。
いつまでも舗装された道が続く。どこまで続くのか。
山頂だ。
山頂まではそんな道が続いた。やっぱり登山道は土がいい。
山頂からは噴煙を上げる中岳がよく見える。中岳を見るには絶好のポイント。
後続の女性に写真を撮ってもらった。ちょうどその時に限って風が強くなり、帽子が飛ばされそうになり、あわてた格好がこの写真。噴煙がいいアングルで収まっています。
この2人は宿で一緒だったフランス人。この姿格好で烏帽子岳と杵島岳を登ってきた。2人一緒の写真を撮りたいだろうと、このあと声をかけて撮ってあげた。彼女を抱きしめてのポーズ。この野郎!
杵島岳の山頂には火口跡がある。火口縁を歩いて1周20分ほど。崩落と地割れがあちこちにあり、無残な姿だ。一歩踏み出すと、地割れが幾筋も走っている。大丈夫かと思える道だが、それほど緊張することもなく1周できた。
またまたワンパターンの構図。火口縁から、前景にミヤマキリシマをおいて中岳の噴煙。
となりの火口跡の底を見ると、そこにはミヤマキリシマの群落。下りて行ってみたくなるほどだ。
まもなくゴール。これがミヤマキリシマの最後の一枚。こんども同じ構図で烏帽子岳。
雨に降られずにゴールした。その時、ポツリと雨が。まさに下山するのを待っててくれたかのように。
14時10分の阿蘇駅行きのバスに乗れたがパスした。下山してすぐに帰りのバスの乗っては、あわただしさを引きずって、せっかくの山歩きの楽しさがどこかにとんでいってしまいかねない。わずかな時間だがレストランのベンチに座って、いま歩いてきた2つの山を眺めていた。
計画より早く阿蘇駅に着いた。ここからまたバスで、17時20分に熊本交通センター着。
熊本城
熊本城の復旧の進捗を見たかった。計画では明朝となっていたが、この時刻ならまだ見学は十分にできる。2015年5月にバス乗換のわずかな時間を利用して熊本城を見ていただけに、翌年の2016年4月の地震直後の変わり果てた姿を見てただ驚くばかり。
復興のシンボルである大天守と小天守を見るには、二の丸広場と加藤神社がいいという。そこまで行く途中に各所で石垣が崩落しているのを目にした。大天守と小天守は今年10月には工事用の足場が取れて特別公開するという告知ポスター。とにかく最優先で工事が進めらているようにみえる。すべてが復旧するまでにかなりの時間がかかりそうだ。
加藤神社からの小天守と大天守
二の丸広場から。左が小天守(左)、真ん中が宇土櫓、右が大天守。
土台が崩落している戌亥櫓
今夜の宿から熊本の繁華街はすぐ近くにある。宿で居酒屋を教えてもらった。登山と移動で疲れていたのだろう。この一軒だけで宿に戻った。
あしたは、日奈久温泉。一度は行ってみたいと長いこと思っていただけに、どんな温泉地なのだろう。楽しみである。
⇒3日目(5月27日)八代市・日奈久温泉
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