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三国荘の本物が見たい!

再現された三国荘を見て改めて考えているのだけれども。

「古色付け」(木部が黒く塗ってある)や「チリの扱い」が、すっごく気になる。

古色付けに関しては、民家再生を手がける建築家の間でも
考え方によって色々な意見がある。
古民家の柱とかの木部が黒いのは塗ったからじゃなくて、
時間を経る中で黒くなってきたんだからわざわざ塗っちゃいかん、とか。

だけど交換したり新設したところの新材だけ白木にしとくと、それはそれで浮いちゃって変な感じもするんだよねぇ。

仮に博覧会用に新築した最初の三国荘が民家風に古色つけられてたとしても
それこそ「民家に見せたい」展示施設なんだから当たり前にも思えるけも、
その後の新築民芸(風)建築にもその流れが受け継がれたとすれば、
それはそれでどうなんだろう、という気がしないでもない。
で、本当はどうだったんだろう、と(写真を見ると真っ黒ではありますが)。

古色の問題もそうだけど、チリ(梁と柱や柱と壁などの「段差」)の問題も、
空間の印象に与える影響って、実はすっごく大きいんで気になる気になる(笑)。
村野藤吾の和風なんかでは異様に小さかったりするし、
建築家はこのチリに異常に神経を使います(っていうか、使うのが建築家だ)。

今回の再現では、制作上の制約からか、ほとんどチリがないんだけど、
その結果、壁面がグラフィックな平面に還元されちゃってる気がする。
工芸品の立体展示の背景としては十分かもしれないけど、
書院の腰壁を取ってしまっているところとか、
せっかく和室の天井もつけたんだからちょっと残念、かも。

あ、あと、建物の方位も気になる(笑)
もともと博覧会用の「見せる(≠使う)」建物なんで、
平面計画的なものをあれこれ議論してもあんまりしょうがない訳ですが、
しかし、玄関が南だとすると、和室は午後はちょっと暗かったのかなぁ、
一番いい場所に応接間が出っ張っているのも時代を感じさせるなぁ、
なんて思ったりもして。
どこかに方位が分かる資料ってなかったか知らん・・・。
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