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歴史的建造物の残し方

先週末、千葉でちょっと変わったシンポジウムが開催された。
議論になっているのは検見川送信所(1926年竣工・逓信省設計、担当:吉田鉄郎)なのだが、
一応、地元、行政、議会とも「残す方向で・・・」ということにはなってきており、
以前の危機的状況を知るものとしてはかなり嬉しい状況ではある。
で、今回のシンポジウムのタイトルが「指定文化財か、登録文化財か」

なんでこういうシンポになったかというと、
某職能団体が「市指定文化財にして」と言う要望書を出しているんだけど、
市は「国登録文化財でどうでしょう?」という雰囲気らしく、
じゃあ、どっちがいいのかみんなで考えましょう、ということで。

当日は文化庁建造物課OBの堀さんや、千葉市美術館で旧川崎銀行千葉支店
鞘堂保存」という荒業(?)で保存した大谷研OBの岡部さんがパネリストとして参加し、
文化財保護法の枠組みや考え方、歴史的建造物を現在の法規や、
安全性、快適性といった性能面での要求にフットさせる方法について
実際に鞘堂(市指定文化財)を見学したあとに説明を行うという構成。

次の予定があったので延長戦で実施された質疑応答までは聞けなかったのだけれども、
お二人からは基本的に「どっちでもいいじゃん」というコトが言われていたように思う。
要は、残すのにはどちらの制度の方が使い勝手が良いかで決めればよいということ。
あとは素直にそう言えない地元の状況があるのか、と言うことだけだと思いました。

あの時代にあの手法で残したものを指定文化財にしたのはかなりの英断で、
相当先進的なことだと思うので(国にも活用して残すという考え方が今ほどなかったはず)、
今回も千葉市が大胆で意欲的な取り組みを進めることに期待したいっす!
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