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心と体がうれしい。


アラン・トゥーサン(pf、Vo)が、ノンサッチからジャズのアルバムを出しました。

ニューオリンズジャズの先達や、エリントンやラインハルト、
そしてモンクのナンバーなどが取り上げられています。
参加ミュージシャンはマーク・リーボウ(G)、ジェイ・ベルローズ(Ds)などなど、
矢野さんの新作やプラント=クラウスと近い面子。

ボーカル曲が一曲のみというのはやや以外ですが、
とにかく全曲でトゥーサンのピアノが堪能できてひたすら嬉しい。
ベルローズのドラムスがまた良い味で、トゥーサンのピアノとある意味微妙なところが
かえってニューオリンズジャズの時代感・空気感を醸し出しているような。

頭で聴くのではない、心と体が嬉しくなる音楽。
しいて言えば、仏車のシートに座って体の芯からじわじわ嬉しくなる感じに似ている、かも。

ザ・ブライト・ミシシッピザ・ブライト・ミシシッピ
アラン・トゥーサン

ワーナーミュージック・ジャパン 2009-04-22
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邦盤にはボーナストラックが二曲、どちらも素晴らしいです。
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グランドセントラルステーション判決お勉強ノート(その2)


2.裁判の流れと結論

1967年:
グランドセントラルターミナル(以下GCT)、歴史的建築の指定を受ける
1968年:
GCT上空への高層ビル建設が保全委員会により不許可となる
・所有者であるペン・セントラル鉄道はターミナル上空をUGP社に賃借し、同社が高層ビルを建設する契約を締結。
・両社は歴史保全委員会に2案を提出し高層ビル建設の許可を求めるが、不許可となる。
1) 外壁を毀損する案
→ 歴史的建造物の保全するためには外壁を取壊すことはできない
2) 毀損部分が少ない案
→ ボザール建築にオフィスタワーをのせることは景観的に見て「冗談以外の何ものでもない」
1969年:
両社が州地方裁判所に提訴
・合衆国憲法に違反して、正当な補償もなく財産を収用するものである
・憲法で定める法の適正手続きに違反して、恣意的に財産を奪うものである

・歴史保全条例が適用において違憲であるとの宣言的判決を求める
(歴史保全条例自体の原則的合憲性は先例により確立済→「適用違憲」を争う)
・(指定されたことによる)ビル建設の妨害を排除する差止め判決を求める
・指定による制限が解除されるまでの「一時的収用」に対する補償をもとめる
1975年:
一審(地方裁判所)所有者勝訴
1976年:
二審(地方裁判所控訴部)所有者敗訴
1977年:
州最高裁二審判決を支持、原審差戻し、所有者は連邦最高裁に上訴
1978年:
連邦最高裁判決(グランド・セントラル・ステーション判決) 所有者敗訴
・論点
歴史保存条例による制約が、合衆国憲法の言う「財産の公共の用のための収用」に当たるか
収用にあたるのであれば、TDR制度は「正当な補償」を与えるものとなるか

・結論
多数意見(6):
本件ターミナルに対するニューヨーク市の歴史保全条例の適用は財産の収用にあたらない
(従ってTDRが正当な補償か否かは検討されない)
反対意見(3):
本件においては(ゾーニングと異なり)利益と負担の平均的相互性が欠如しているので、
基本的には収用が生じている
従って、TDRが正当な補償になるかを決定するために事件を原審に差し戻すべきである

メモ;
合衆国憲法について■修正第5条
(前略)
何人も、法の適正な過程*によらずに、生命、自由または財産を奪われることはない。
何人も、正当な補償なしに、私有財産を公共の用のために収用されることはない。

合衆国憲法について■修正第14条
第1 項合衆国内で生まれまたは合衆国に帰化し、かつ、合衆国の管轄に服する者は、
合衆国の市民であり、かつ、その居住する州の市民である。
いかなる州も、合衆国市民の特権または免除を制約する法律を制定し、または実施してはならない。
いかなる州も、法の適正な過程*によらずに、何人からもその生命、自由または財産を奪ってはならない。
いかなる州も、その管轄内にある者に対し法の平等な保護を否定してはならない。
(出典:アメリカ大使館HP 合衆国憲法に追加されまたはこれを修正する条項

*原文のdue process of law(デュー・プロセス・オブ・ロー)の訳。
 適正な手続のみならず法の適正な内容も要求するところからこのように訳される。

合衆国憲法における財産権について■権利章典~財産権
財産権の完全な保護と、公共目的のための財産権の制限という二律背反が存在するため、
政府による財産権の侵害を制限するという問題は、完全に明快であったためしがなく、常に議論を呼んできた。
(中略)
かくして、米国の歴史を通じて常にそうだったように、
財産に関する憲法上の異なる概念の意味を解釈する仕事が、裁判所には求められることとなった。
(アメリカ大使館HP「米国のプロファイル 基本文書第九章 財産権」より引用)

(続く)
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グランドセントラルステーション判決お勉強ノート(その1)


1978年にアメリカの連邦最高裁が出したニューヨークのグランドセントラル駅に関する判決は
歴史的建造物や街づくりの関係では結構有名な判決だと聞いているのですが、
先日BLOGでその件に触れようと思ってググッてみたところ、案に相違して全然出てこない。。
しょうがないので地元の図書館に参考書を求めてみました。

で、以下の記述は「英米法の諸相」(東京大学出版会・1980)収録論文である
「アメリカにおける都市環境の保護と財産権―グランド・セントラル・ターミナル判決(1978)の法の背景―」
(執筆は高橋一修・法政大学教授)
による訳ですが、基本法律にも都市計画にも素人なプラナリアが適当に纏めていますんで、

内容は保証しません

が、ネット上で情報が拾えないみたなのと、市民団体等による差止め訴訟だと思っている人が
建築家の中にも結構いるみたいなんで、お勉強ノートにすぎませんがこの際アップしちゃいます。

グランドセントラルターミナル判決(1978)とは?

1.背景となる法制度など

1956年:
ニューヨーク州 自治体が特別の歴史的・景観的価値を有する建造物、地域を保全するため、
合理的な規制を行うことができるとする授権法を制定
1965年:
ニューヨーク市 「歴史保全法」(条例)制定、歴史保全委員会設置
・市内の建造物のうち「特別の歴史的・景観的価値」のあるもので築30年以上を経たものを「landmark(歴史建築)」、
 またはその建築物の所在する土地を「landmark site(歴史建築所在地)」として指定
・「historic district(歴史地区)」「interior landmaark(歴史的内装)」「scenic landmark(歴史的景勝地)」についても指定
・指定にあたり、公聴会等の一定の手続きを経る
・指定は市のPlanning Commission(都市計画委員会)の報告を考慮し、
 Board of Estimate(市評議会:市長、助役、市議会議長等からなる不動産関係の最高議決機関)により決定
・歴史的建築の指定を受けた場合;
 所有者は外観及び外観に影響する内部構造の保全・補修義務を負う
 改修・取り壊し・新規建設の場合は保全委員会からの許可が必要
 1)歴史的建築の特質に無影響であるとの許可
 2)影響があっても適切であるとの許可
 許可が得られなかった場合で、所有者が現状では合理的な収益をあげえないことを証明した場合には、
 委員会が収益をあげえる計画を作成しなければならない
*1977年までに歴史地区31ヶ所、歴史建築400件以上の指定が行われた。
1968年:
ゾーニング条例改正、歴史的建造物の所有者が、余剰空中権を隣接または道路・交差点を横切った地点の
自己所有地に売却・移転できるとしたTDR(transferable development rights:移転しうる開発権)制度が制定される
1969年:
TDR制度、自己所有地が連続している(道路・交差点の介在も連続と考える)限り、
余剰空中権は隣接地に限らずどこまででも移転しうると改正される

メモ;
授権法とは■州授権法による自治体都市計画権限の付与
(アメリカ合衆国においては)連邦レベルで都市計画を位置づける法律は存在せず、
各州の授権法(都市計画授権法、ゾーニング授権法)によって自治体(市や郡)の都市計画権限が位置づけられている。
(財団法人土地総合研究所HP解説「アメリカの都市計画・土地利用制度」より引用)

公聴会について■公聴会とは何か
日本で「公聴会」と言うと、一般の公式会議とは別に、住民から意見を聞く特別の会議ととらえられるのが普通だ。
しかし、アメリカでは一般の公式会議が限りなく公聴会(Public Hearing)に近く、厳密な区別はないと言ってもいい。
(「アメリカにおける都市計画と市民参加/岡部一明『東邦学誌』第32巻第2号・2003年12月」より引用)

(続く)

*2009.4.22.TDRの説明を追記しました
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メキシコの刺繍少女


まあ、結構イロイロな国の音楽を聴くに至っているプラナリアではありますが。
メキシコの女性SSWです。ヒメナ・サリニャーナ、と読むらしい。
完全にジャケ買い。

MediocreMediocre
Ximena Sarinana

2009-01-06
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とても良くできてるアルバムなんですが、絶賛はしないかな、
音的には良くも悪くも世界標準というか、ローカリティは感じないし。
・・・な~んで思っていたのですが、だんだんハマってきたかもしれない(笑)

個人的には最後の曲が好きかも。
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デジカメでおろおろ

プラナリアが愛用しているデジカメは、ニコンのCoolPix 5000という数年前の機種であります。
この子のがうまく起動しないことは先日ご報告しましたが、
先日ネットから修理サービスを申し込もうと症状を確認しようとしたところ・・・起動しました。。
シャッターも切れます。
電源トラブルの修理には2万円以上かかるらしいく、ひゃー高い、どうしよう、と困っていたので、
気を利かして復活してくれたのでしょうか??
大きくて重い、起動が遅い、シャッターも遅い、等の欠点もあるのですが、画は綺麗だし、
液晶がクルクル廻せるのも結構便利。
撮るのは建物がほとんどなので、上記の欠点は致命的なものではないし、
(暗いところには弱いらしいが)使えるものなら使い続けたいところなのですが・・・
修理代が中古を探した方が安いような値段だと困っちゃいますよねぇ。

今のデジカメは軽くてコンパクトなんで、日常持ち歩くのには便利なのだけれども、
画素数はともかく、イマイチ絵が綺麗ではないような。
(まあ、それほどしっかり調べたわけではないのだけれども)
リコーのGX200とか気になるんですが、ちょっと高いし、じゃCX1は、というと、
自分の中での感想としてはどっちに行きたいのかイマイチ煮え切らない印象だし。
触った感じとしては、GX200の質感とかに軍配上がっちゃいますよねぇ、まあ高いんだから当たり前だけど。

先ほども某価格比較サイトを散々眺めていたのだけれども、CoolPix5000には
今でも愛用者がいらっしゃるようで、うう、書き込みを読むと愛着がさらに・・・。
仕事上デジカメないと困るんで早く結論出さなきゃいけないんですが。。
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