ナンテンが咲き始めたので、その咲き具合を眺めていた。
上の方はまだ蕾が多かったが、その右側になにやら妙なものが見える。
何だ? トカゲ(カナヘビ)か?
たしかにトカゲで、枝の先にいて、じっとしている。
今年生まれたらしいトカゲを何度が見たが、こんなところに上っているとは思いもしなかった。
朝日を浴びて、体温の上昇を図っているようだった。
細い指で、ナンテンの蕾につかまっている。
トカゲの顔をじっと見ることはないが、この時の顔は、すこし誇らしげに見えた。
ナンテンは咲き始めるとほぼ同時に、花を落とし始める。
その小さな花は、いさぎよく次々と交代して、咲いては散っていく。
ナンテンの葉などにクモが巣を張り、その上に花が落ちる。
同様に地面にも落ちて、白い点々が広がる。
雨でも降ると、下にへばりついてしまい、やっかいな存在になる。
毎年のことだが、この花が咲くと、梅雨だなあと思う。