奥の方は青空を映して薄い青に染まっている。
白い雲も水面に浮んでいる。
岸には桜の影が落ち、水は薄い緑色になっている。
その緑から青へ滑らかなグラデーションで変化している。
沼の東岸の道に出ると、岸の近くに小さな黒い鳥が泳いでいた。
こちらの姿に気付いたのか、その鳥は岸から離れるように進む。
オオバンに似ているが少し小さく、赤い顔や黄色い嘴からバンかもしれない。
岸を進むと、木陰にポツポツと釣り糸を垂れる人がいた。
さらに進むと、望遠レンズを付けたカメラを池に向ける人達が数人いた。
何を狙っているのか分らないが、じっと佇んでいる。
ハスの花は期待していたほどは、咲いていなかった。
それでも、岸やL字型のデッキの上には人の姿があった。
デッキに入ると、「ほら、カメ、カメ」と言って水面を指さす人がいた。
お孫さんにでも見せようとしていたようだが、一緒にいた小さな子は興味なさそうだった。
私も沼を覗き込むと、確かに小さなカメがいた。
近くのハスの葉と較べると、ほとんど小さな丸のようだ。
杭か土の塊のような物の上に乗っている。
これでは、この大きさのカメしか乗れないだろう。
L字型のデッキの角まで行って、また岸に戻った。
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