舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

♪勇気を出して~

2009-05-28 02:37:53 | ダンス話&スタジオM
24日の骨髄バンクの証拠VTR...もとい撮影ビデオが、我々のもとに集まって来ております。
撮影してくださった皆さま、ありがとうございました!
あと長丁場ですみませんでした...実は骨髄バンクのビデオおよび写真の撮影は許可制で、限られた人にしかお撮りいただくことが出来ません。そのため、許可をとって撮影される方には全編まるっと撮っていただかなければならないのです。
でも長丁場をしっかり撮っていただいたおかげで、自分達のステージを客観的に見ることが出来るようになりました

骨髄バンクの総合文化センターのような大舞台は、通常のステージとはあらゆる意味で異なります。
どのようにステージに立つか。どんなフォーメーションをするか。舞台の大きさや照明の当たり方などから、演出を考案するのは我々の役目ですが、それをじっさいに演じるのは生徒さん達です。

ステージというとどうしても「順番を間違えないようにしよう」など個人の演技に意識が行きがちですが、特にこうした大舞台の場合、むしろ大切なのは全体の統一感です。
つまり、一昨日あたりも言ったとおり、たしょう振りを間違えたって気にすることはありません。それよりも隣の人と呼吸を合わせたり、全体における自分の立ち位置に気を配ったりすることの方が、美しい出来映えのためには遥かに重要なのです。

映像で観た限りでは、今回のステージはどのグループもおしなべて高水準に出来ていたと、我々は思います。
もちろん、ご本人達から見ると「表情が硬かった」とか「どこそこの部分で列が乱れちゃった」など気になる箇所があったところもあるかもしれませんが、個々のグループのキャリアなどから鑑みるに、十分なレベルに達せていたといえるのではないでしょうか。
ともあれ、個別の感想は各クラスでお伝えするといたしましょう。

後から映像などで客観的に見ると「こんなハズじゃなかった~」とおっしゃる方がとても多いです。
それがイヤだから映像なんか観たくないという方もけっこういらっしゃいますね。
でも、出来の良し悪しに関わらず、自分の演技を見返すことは上達のために必要不可欠なステップです。
私自身、自分の踊っている姿を見るのを嫌がっていた時代は、踊りが1ミリも進歩しませんでした。

そんな20年前の自分の経験を思い出してみても、観たくないのは「自分でダメだったのが分っているから」なんですよね。
しかしダメだったからといって観ないでいると、「何故ダメだったのか」がいつまでたっても自覚できません。
もし映像に映った自分が最低の出来だったとしても、恐れることはありません。最低だって事が分り、その理由も分ったなら、もうあとは上昇しかあり得ないのですから。そうでしょう?

そうやって真実から目をそらさずにフィードバックを繰り返していると、「想像(理想と言ってもいい)の中の自分」と「現実の自分」が近づいていき、やがて限りなく同一になってきます。
つまり「いま現在自分がどんな風に踊っているか」が、鏡やフィードバック映像を見なくてもだいたい分るようになるのです。

この状態は「理想のとおりに踊れる状態」に限りなく近いので、いっけん十分に熟達している段階のように感じられますが、実はそうではないことに注意が必要です。

そもそも、思い描いている「理想の踊り方」自体が間違っていれば、理想と現実が一致したとき、どうにもならないほど踊りが崩れてしまっていることになります。これが最も危険な現象ですね。
だからこそ、いつもいつも執拗に言っているごとく、最初から見る目を正しく養うことが肝要なんですねぇ。

そこまで悪くなくても、想像と現実がほぼ重なっている状態にあると、自分の踊りの問題に気づきにくくなるという難点があります。
「もっともっと向上したいのは分っている。でも自分の踊りに何が足りないのか分らない」という一種の飽和状態、伸び悩みに陥ってしまうのですね。

ぶっちゃけ、私自身も数年来その悩みを抱えています。
私の踊りがまだまだ途上段階にあり、完成とはほど遠いことは自分でも承知しています。しかしビデオに映った己の踊りは、自分が舞台上で踊っている時に「こうなってるだろうな」と想像していたものと完璧に合致しており、つい「自分の踊りはまだまだ」ってことを忘れそうになってしまうのです。

ここで本当に己の未熟さを忘れ、「私はもはや完全な高みに達した!」なんて思ってしまったら、私の向上はそこで終わるでしょう。
でも、そんな風に驕ってしまったダンサーは、ケン○ロウに言わせれば「お前はもう死んでいる」状態に他なりません。今後決して上達できなくなってしまうだけでなく、降下の一途をたどるのみです。
そうなってから「ひでぶ!」とか叫んでももう遅い(笑)。

そんなわけで、普段(特に空腹に負けて痩せねばならない事実から目を背ける時)は自分に限りなく甘い私ではありますが、せめて己が踊りを見直す時だけはトコトン自分に厳しくあろうと思っている次第です。

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